飼育と採集の知恵袋 ~2015年度~
カブクワ飼育と採集について私自身が覚えた事、見つけた方法などの中から役に立つ(事があるかも知れない)ものを紹介してみます。
尚、ここに書かれた方法等はあくまでも<事例>でありますので、
その効果や安全性を保障するものではありません。実践されるに当たっては、
ご自分の自己責任にてお願い致します。

【6月30日青森の大爆発】
虫の発生を感じながらも低温のせいで中々虫が動かず
毎日ポツポツと拾っている感じだった。
条件が揃えばどこかで大当たりするはず・・・と思ってたら
昨夜それが来た。
スタート時で気温21度、湿度70%超えで風弱し。
不安材料は午後に雨が降ったようでガスの気配濃厚なことだった。
現場近くまで行ったら既にミストが掛かってて吉と出るか凶と出るか
分からない状況だった。
他の青森爆弾魔メンバーは低標高ポイントに陣をを張ったが十和田の
ラストサムライJ・N氏はまたも標高の高い峡谷ポイントに突入して行った。
オラもガス対策の道具を新調したのでテストするにはもってこい。
J・N氏より少し低いポイントに入った。
開始から湿度も温度も高かったので虫の反応が良い。
このところ8時半を過ぎないとクワガタは飛んで来なかったが曇天のおかげで
8時10分にはミヤマ♀の飛来があった。
状況は濃いガスが出たと思ったら時々切れてミスト状態・・・を繰り返してた。
ガスが切れたらクワガタが飛んで来るのだが上空で滞留して落ちてこないのを
あの手この手で叩き落とす、を繰り返してたら9時頃から本命が飛び始めた。
9時40分までに2♂2♀を手にしたが嬉しかったのは中々採れない原歯に
近い39.6㎜の♂。
この日もう1頭得られた64㎜のギリギリ大歯よりよほど貴重だ。
いつかは♀と見間違うモノホンの原歯を採りたいものだ。
さて、時刻は9時半を回り普通種の飛来も本命の飛来も途絶えるはず・・・のはずだったんだが、ちょっとした静寂の後で普通種がバンバン飛んで来る。
もしや?と照射方向を変えたらその都度オオクワが飛んで来た。
結局オオクワは午後10時40分過ぎまで飛んで来て帰れなくなった。
仲間の殆どは既に屋台を畳んでいたが連絡を取り合っていた八戸のN.N君と二人だけ残り、彼も10時過ぎに追加を出した。
終わってみれば2♂6♀・・・大爆発と言ってよかろう。
他の仲間もJ・N氏3♀、十和田三銃士のS氏1♂4♀、まさやん1♂1♀、八戸のN.N氏1♂(大歯69㎜!)2♀とほぼ全員が本命をゲットした。
仲間内全員で総数21匹か・・・全盛期には及ばないものの昨今では珍しい凄いよるだったな。
撤収が午後11時を軽く過ぎたので疲れてもうグッタリ・・・。
撤収自体はきちんとやってたのだがN.N氏と合流したら車の中が蛾だらけ・・・何で?と思ったら後部のドアを閉め忘れていてエンジン掛けてカーナビの明かりになだれ込んできてたみたい(荷物落とさなくて超ラッキー♪)。
当夜もポンタが現れた。
8時半過ぎにはもう来てて、ハグハグと夢中になって蛾を食べてる。
段々大胆になってきてライトの10メートル先まで近寄ってきた。
オオクワを喰われたら溜まらんので『まだ早いっ!シッ!』とお預けを命じるのだが10分も経つと我慢出来なくなってまた近づく・・・の繰り返し。
最後に撤収ライトで蛾を集めてから消灯し、『よ~し!ポンタ食べろっ!』と号令を掛けたらポンタは『もう我慢出来ねェ!』とばかりに突進してきて貪り喰ってた。
帰りにS氏が屋台を出してた場所を通ったらこちらはアナグマが蛾を貪って♨顔をしてた。
人に良し、獣に良しの一夜でした。
でした・・・と書いたが良いことばかりではない。
まず恐ろしい数のブヨの類いが来てたので顔の周りを相当刺された(オラは皮膚が弱いのでシーズン最初は毎年必ずやられる)。
帰宅してから卓球で痛めていた右手首のストレッチを・・・と曲げたらグキッ!といって症状悪化。
明け方には左足の太腿の内側が吊って痙攣、コレを書いてる先ほど右足のつま先を伸ばしたら足首が吊って痙攣・・・トシだのう・・・。
しかし・・・400Wは目が楽だのう・・・1,000W炊いた翌朝は新聞が読めないけど400だと読める。
対策もしないで1,000Wばっかり使ってると恐らく老後に何か出るで・・・多分・・・。
【29日の採集】
29日はこのところトラッパーの姿が見えなかったのが何組も来ていた。
オラも結構早く出発してたけど他客はもう既に戦闘配置に着いて準備万端の様子。
オラもそうだけど世の中暇なヒトが多いのね・・・。
ここ3日間の採集で面白かったのは毎日スタート時の気温が1度くらいずつ高く推移してたことだ。
ゴールデンタイム時前には毎回気温がガタンと落ちるがコンマ何度かずつ一日毎に気温が上がっている状況、これがクワガタや他の虫の飛来にどう影響するかを毎日観察できるのは非常に有り難い(今夜は一気に最低気温が2度くらい上がるはずで今現時点でワクワクしてる)。
ライトオンしたが毎度スタート時は変わらず低調な滑り出し。
蛾が集まり出すのが8時10分くらいからで、クワガタが飛び出すのが8時半ちょっと前くらいから。
コガネムシ類の姿がやっと見えてきた。
オラの屋台ではこれまで見えてなかったノコの♂も♀も本日やっと確認出来た。
ミヤマの数も毎日増えてきて当夜は20近くの飛来があり、これまで小型個体ばかりだったが本日最大は67ミリとまずまずの個体を採集出来た。
最低気温は午後10時には15度を切ったがゴールデンタイム時は15.6度だったし、湿度はここ数日で最高の74%までいった。
スタートしてからずっと大気が安定してたので昨夜のような途中での気温上昇は見込めないだろう・・・早めに仕掛けて願わくば9時前後で勝負を決めたいと思っていた。
いつもなら9時を過ぎてから変態技を出すのだが8時40分からアレコレ始めた。
これが功を奏したのか偶然か8時58分に本命♀飛来。
その後普通種の飛来も遠のき静寂に包まれる。
9時40分、そろそろ他のお客さん方は店仕舞いに入る頃だろうけどオラは止めない。
ガキの頃から他人と違うことをするのが好きなのだ。
10時5分、ライトの方向をチョンワッ~!(花の応援団参照)の掛け声とともに90度方向転換して5分したら前述の67ミヤマが飛んで来た。
その後また静寂に包まれ、本日の除夜の鐘の音を聞いた。
10時20分撤収開始。
途中何度もポンタを呼んだが当夜は姿を見せなかった。
多分まだ警戒してて近くに身を潜めてるのであろう。
オラが居なくなったらモリモリ食べて『ご馳走様!』の印として糞をまき散らしていくことだろう。
【ポンタとの再会】
昨年にオラの屋台に野生のタヌキが現れるようになり、段々なついてきて呼べば来るようになった記事を書いた。
屋台に集まった蛾を貪り喰う度にやせ細った体が見る間に肥えていったものだが、あのポンタは無事に冬を越せたのだろうかと密かに気にしてた。
28日現場に着いたら蛾の目玉が詰まったキツネかタヌキの糞を発見した。
もしや?・・・来てるか?。
そこで採集中に何度も『ポンタ~メシだど~』と呼んでみた。
すると・・・撤収時に草むらの中に怪しく光る目玉ふたつ・・・。
おおっ!ポンタ生きとったか!。
近寄ったら暫く離れていたせいか距離を取ろうとして逃げるがまた寄ってくる。
顔を見たら間違い無く去年ポンタと名付けたタヌキだった。
よしよし、オラ帰るからたんと喰っていけや・・・。
嬉しい再会を果たすことができた。
【15.4度の神話】
前日27日の採集で発電機がオイルの劣化で急停止したため所有する全機種をメンテナンス。
青森市内の午後はそれなりに暖かかったが空の雲が抜けているのでメンテしてる内にまったりとしてきてやる気が無くなってきた。
オラのペットであるチュウともこのところ遊んであげてないし、夕暮れを待たずにアルコールにどっぷりと浸ってみるか・・・うん、そうしようと心に決めた十数分後に悪魔の電話が鳴った。
電話の主はリボルバー君で、今晩は山に来ますか?という。
それを聞いた瞬間に心に決めたはずが体育会系パブロフの犬(条件反射)で瞬時に『行くに決まってるべや!』と返答(うっ!しまった!オラは何を言ってるんだ?)。
しかし、吐いた唾は飲めないのが体育会系・・・あとは貫き通すしかない。
するとリボルバー君、安堵した声で、良かった~実はもう山に来てるのですがバッテリーが上がってエンジンが掛からなくなってしまったんですと言う。
じゃあ後で山で会いましょうと電話を切った。
山で仲間が嵌まったら何はさておいて救出に行く!これも青森爆弾魔の鉄の掟である。
バッテリーケーブルは常に車に積んでいるけどオラの車は繋ぐのが面倒な構造になっているのでエンジンスターターを持って行くことにした。
焼山に着いたら車内温度計は21度前後を指しており(これが結構いい加減)昨日より約1度高いのだが、やはり現場は雲が抜けてて期待は薄い。
リボルバー君の待機するポイントに到着したらどうもバッテリー液が不足してるらしかったので彼の友人が所持してた『天然水』を各ターミナルに10CC位足しとけやと指示。
準備ができたところで彼の発電機を回し、スターターを繋いだら一発でエンジンが掛かったので一安心。
このまま青ブナまで走ってくれば電気溜まるだろ、それでまた駄目になったら帰る時オラがまた掛けてやるから、と告げて持ち場に入る為に別れた。
自分の現場に着き点灯開始時間になったら案の定気温がグングンと下がり、あっけなく16度を切ったところでライトオン。
午後8時20分を過ぎたところで蛾は前日より来てるが甲虫の飛来は一匹も無く気温は14.4度・・・昨日より0.2度高ェど~。
しかしせっかく来てるのだから機材の実験とテストを繰り返しながら最善を尽くす。
8時半になる頃、薄いミストが掛かり頬に感じる空気のぬめりに変化を感じたのでもしや?と温度計を見たら14.8度まで上がっていた。
これは・・・ひょっとすると?・・・と思ったらやはり突如としてミヤマが降ってきた!。
再び温度計を確認したら15.4度まで上がっていた。
ミヤマを拾いながら即座にリボルバー君に電話する。
こりゃあ一発あるかも知れねェど!8時50分から9時20分まで気ィ抜くなよ!と声を掛けた。
9時10分1匹目のオオクワ♀が来た直後リボルバー君から着信『♂来ました~!』ワンツーフィニッシュけ~?。
と思ったらオラにまた1♀飛んで来た。
再びリボルバー君から着信があり何時までやりますか?とのことだったのでオラの場所は10時近くから騒ぐこともあるからそのちょっと前までやってから終わると告げた。
彼はエンジンが掛かればそのまま撤収とのことだったが暫くしてからまた着信、エンジン掛かりません・・・。
自分の屋台を畳んでから再び彼の所に行き、スターターを繋ぐ、ホレ!・・・しかし・・・掛からない・・・何で?。
オラの車がガソリン車で彼のは代車で乗ってきてた日産ADバンのディーゼルとは言えさっきは掛かったのだが・・・。
何度やっても暫く時間を掛けて充電しても駄目・・・。
オラの車は機材を満載してたので一人だけなら乗せられるがもう一人は屋根の上。
彼の車も一晩ここに置いてたら彼の機材が盗まれないとも限らない・・・どうするべ・・・。
やはり相手がディーゼルということでアンペア数が足りないか・・・面倒だが最後の手段でバッテリーケーブルを繋いでみることにした。
ケーブルを繋いでエンジンをふかす、オラッ!今だっ!回せ!と気合いを掛けたら一発点火した!。
こりゃあ多分バッテリーが終わってるな・・・けど帰るまでなら大丈夫だろ、途中で絶対エンジン切るなよと告げ、各自帰宅することにして彼は青ブナから平川市経由にて帰って行った、やれ安心!。
オラも帰宅してアルコールの儀式に挑み本日の要点を纏めていたらリボルバー君からメールガ届く、峠を越えて平川市に入ったところで車が完全停止致しました、電波がギリギリ届くとこで良かったです、これからパパに迎えに来て貰いますとのことだった。
あれまっこれはもうオルタネーターかダイナモかまでイカれてるのだね・・・チ~ン!そこまで行ったらもう帰宅したも同然じゃ!(笑)と返信しといた。
13度でもオオクワが採れた事例は承知している、17度台までなら自分でも何回も採った経験もある、しかし15.4度での採集成功例は青森では初めてじゃなかろうか?。
気温は採集にとって大事なポイントではあるが絶対ではないということを身を以て経験できた。
併せて8時半を過ぎてからミストが掛かったことで湿度も久々に70%を超えたことを付記しておく。
【敗北の黒い豚】
高校総体も東北大会も開店記念セールも終わった、さあっ採集だ!。
月曜の午後店でまったりとしてたらリボルバー君から出撃の連絡が入る。
風は問題無さそうだけど気温が保つかどうかだな~と言いつつも自分もいそいそと準備に入る。
気温が落ちたら落ちたでそれなりのテストが出来るから成果を出すよう努力はするけど結果は関係無い。
焼山に到着したら気温20.8度で無風に近い。
薄いけど雲もあったからどっちに転ぶかはまだ分からん。
リボルバー君がナイスポジションに入ってたので雑談してから持ち場に入った。
現着時にはまだあった雲が抜けてきた・・・こんな時は道連れが欲しくなるもの…悪魔の囁きで八戸のよっちゃんとまさやんにメールするが、よっちゃんは昼間の採集で疲れたと言い、バットマンキラーのまさやんは洗車に行くとのことで両名不参加を表明(ナイス判断力!さすがに引っ掛からなんのォ~)。
午後6時・・・気温19.2度 うん、まあそうだろうて・・・。
午後6時半 気温17.6度 おろっ?。
午後7時 気温15.4度 おろろっ?。
午後7時20分 ライトオン! 気温14.7度 うひゃひゃ!そう来ましたか!やりがいがあるったらねェぞ。
本日のテーマは
①新機材のテスト
②虫の発生タイミングの観察
③本命を抜く
であったが午後7時半既に吐く息が白い・・・車からウィンドブレーカーを出して着込む。
・・・とここで発電機にマシントラブル発生で緊急停止!。
止まるときの音は紛れもなくエンジンオイル切れだったので車から予備オイルをとりだしてみたら本日持参はホンダ16iだったのだが積み込んでいたのはヤマハのオイル
・・・これ入れていいのかしら?。
そこで平内の機会屋こーちゃんに緊急回線を繋いだら4サイクルだったらとりあえずは何の銘柄入れても中身は同じだから大丈夫とのお墨付きをいただき、紙を漏斗代わりににして現場でオイル交換・・・再び力強く始動す。
午後20時、ゴールデンタイムを前に気温は既に14.2度 うはははっ!コレで抜いたら表彰物だあ~!気分はもう近鉄バッファローズいてまえ打線ですわ。
気温の割には蛾は来るけどやはり甲虫の姿が無い。
あの手この手を繰り出す。
リボルバー君に来た以上はベストを尽くさねばならん、来るとしたら8時50分~9時20分までが勝負だからそれまで帰ったらあかん!と連絡を入れる。
手当の成果かやっとクワガタが集まりだしてアカアシ2♀ミヤマ2♂1♀ミヤマダイコク1ペアの飛来があったが後が続かない。
9時を過ぎたら集まった蛾も落ち着きだして静まりかえる。
再び刺激を入れてたら急に遠くからまた蛾がライト目掛けて集まりだしたのが見え、やがて遠くから飛んで来たクワガタの♀がライトの15メートル手前の草に飛び込んで行ったのが見えた。
もしや!この気温ではぼやぼやしてたら下に潜ってしまい発見が困難になる、草を目掛けてダッシュで駆けていったらミヤマ♀だった。
戻ったらまたミヤマ♀が落ちてきた、時刻は9時20分この後訪れる静寂の間際が本日抜けるかどうかの大勝負!さあっ来い!・・・・・・。
敗北の黒い豚が横を歩いて行った・・・。
道具を片付けて、鳥獣の餌場になっている街灯に赴き糞の内容物を調べたら今期初のクワガタの残骸が糞に混じっていた。コクワの♂であった。
着実にウェーブが近づいていることを告げていた。
【虫歯青年懐中電灯で青森県今期第二号オオクワを撃墜!】
開店記念セール開催中の店舗に虫歯青年が来店。
トレードマークの虫歯が治療のため削られて前歯が段違い平行棒になってきた。
途中で備品が切れそうになったのでお使いに出したら除菌もできるウエットティッシュも買い込んできて頼みもしないのに店の中の拭き掃除を始めた。
(こういうところが可愛かったりする・・・)
夕刻になり山に行ってライト掛けて見ようかなと言い出したのでアメダス他でチェックしてみる。
前日の天気予報では今日は久々に条件が揃いそうだったのだが、ご多分に漏れず当日になったらちょっと予測に反していたからだ。
月の心配はないものの、まず風が強いことと雲が抜けてしまえば今どれだけ気温を保っていようとあっという間に落ちてしまう。
採集の条件とは敵がひとつだけなら何とでもなるけど二つになると結構やっかいでそれが三つになるとかなりの手練れであってもまず敗北の黒い豚を見ることになる。
今晩はその敵が恐らく二つ、運が良ければ一つに減るかというところ。
昨年に風がブーブー吹いてる中でもオオクワの♂を一緒に抜いたのでここは追体験をして技術の習得に励むには良い晩か・・・と言うことで山に行ってきなさいと背中を押して店から追い出した。
閉店して帰宅し、アルコールの儀式に挑んで4杯目の焼酎を注いだところで青年の様子が気になり電話する。
状態を尋ねたら風がやはり強くて山の上の木は揺れている、気温は多分15~16度くらいとのことで雑虫はそれなりに来ているけどクワガタはおろか甲虫の姿がないとのことだった。
風向きと吹く間隔を尋ねたら方向はライトに対して横風であり、間隔は・・・よく分かんないという返事だった・・・。
このような状態なら昨年同様に作戦が必要だ、まず山の上や遠いところから引っ張るのは諦め(来ても流されるから)、光軸を下げて低いところを飛ばせるように仕向ける、風を敵に回すのではなく風を味方につけるべく風上側にライトを向ける、気温は低いだろうが飛ぶ奴は短い距離なら飛ぶ、風が間断なく吹いていればきついが間隔が空くようなら止まった時がチャンスだから一気呵成に攻めよ!・・・というようなことを言ったはずだ(はずだと言うのは既に酔っ払っていたからちゃんと覚えてない・・・)。まあ、こんな状態でも♀なら採れる時は採れるんだがと思いつつ電話を切ったら八戸のよっちゃんから着信があったのでまた長電話してたら再び虫歯青年からも着信があったのでもしや?と思いつつ又掛けてみる。
オラ『なした?(どうした?の意味)』青年『♀来ました~♪』オラ『何き!(何と!の津軽弁風体言止め)』こいつ~やっちまったな~(クールポコ)。
で、どこからどう飛んで来た?と尋ねたら ・・・見ませんで、いつの間にか来てました!との返事(この上達の無さが逆に初々しい・・・)。
しかしである、後から聞いたら他に来たのはミヤマ1ノコ1だったとのことでクワガタ総飛来数が5匹以下でオオクワを抜くというのはプロ中のプロの仕事振りである!。危うくツマミにしていたサバ缶の味噌煮を鼻から出すとこだった。
昨年までブラック企業に勤め、月給が5~6万円だった辛い時期に清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入したチャイナ製懐中電灯での成果だから殊の外喜ばしかろうて・・・。
この晩は予報が良くて土曜日だったから多分何人かは灯火を炊いたであろうがそうそうは採れていないはずだ(それが虫歯青年より採りやすい場所に入っていたとしてもです)。
県内のライトトラッパー諸君!だからライトは火力だけじゃないってばヨ。
虫歯青年がそれを身を以て知らしめてくれました。
そしてチャイナ製懐中電灯恐るべし!。
【本年度青森県オオクワ第一号】H28.6.21
昨夜20日に本年度青森県第一号と思われるオオクワが採集されました。
採集者は八戸市のMさん。
4センチくらいの上翅にくっきりと筋の残ったコレクション性満点の見事な一次発生個体でした。
見せて貰いましたが活動し始めてからまだ一度も樹液を舐めてないような傷一つない綺麗な個体。
ひょっとしたら初フライトでM氏の大型高射砲に撃墜されたのやも知れません。
おめでとうございます。
【今期初ライト】
前回は視察だけで終わったので19日が初登板となった。
十和田三銃士と現地で歓談、虫歯青年はマニアの穴の場所に潜り込んだようだ。
十和田のA坂氏も親方と一緒に来てるみたい、さてどうなるか・・・。
現場は薄曇りながら雲が高いからガスの心配はさほどなさそう。
ただし風は感じないものの雲が意外に早いから標高上げすぎるとアカンだろうな。
前回記事の①をテストしたかったので場所はわざとやや標高の高い400メートル
地点に決定し、点灯してみた。
スタート時の気温21度弱、湿度56%、う~ん湿度が足りない・・・風は微風だし画竜点睛を欠くというとこか。
点けてみたら思ったよりは光は青くなく長波長も少し出ているせいか太陽光に近いのかな?もっと光軸に光りが集中するのかと思ったらこれもそうでもない、スポラートとの相性もあるか・・・。
ただ、400Wグリーンに較べりゃ落ちた虫は格段に見やすい。
点灯してすぐにアカアシ♀が飛来するが後が続かない。
蛾の寄りもスタート時では今ひとつ。
しかし、あのお邪魔虫アオカミキリモドキの飛来がハンパねエ!。
60~80匹は飛んで来てて、ライトの近くで数匹ずつが重なり合って大交尾大会を開いていましたがな。
うっかり潰したらえらいことになる・・・。
甲虫は殆ど来ず、期待したミヤマダイコクも不発。
気温はずっと20度近くをキープするも湿度が63%くらいで上がらずやはり活性も高まらない。
時折雲の切れ間から月が邪魔するがさほど影響を与えるでもなし。
オラよりも標高の低い場所に屋台を出した三銃士メンバーに状況を尋ねたらスタート時で湿度90%ながら気温が17度切るか?という状態との返事に驚く。
これが逆だったら分かるんだが・・・青森の不思議なとこですな(多分だが双方では風向きが違うんだろうと思う)。
さればと虫歯青年に連絡を取ったら水面を跳ねる魚の音をBGMに月を観賞してるだけとの返事(チ~ン!)。
結局オラにはミヤマ3♂、アカアシ3♀だったがミヤマがまだ小型だし本格的な発生までまだ少し・・・という雰囲気。
帰る際にフクロウ、コウモリ、鵺などが餌場にしている街灯の下に赴き、糞の中の内容物を調べてみたが、殆ど主食は蛾と小さな甲虫であった。
中には小鳥と鼠も補食されてたが、クワガタの残骸が無い。
時期的にもう活動はしてるものの本格的ではなく、気象条件が整わないので飛行できず天敵にもまだ遭遇してない状況と判断した。
まあ、来週中には本命を誰かしら手にするでしょう。
コーヒーを飲みながら帰ろうと石ヶ戸の休憩所に行ったらスポットライトが全て消灯されてて、アレっ?と思ったら『熊に注意』と『遊歩道以外歩いちゃいけません、草も虫も採ったら駄目です』の案内板が新設されてた。
まあ、元々特別保護地域内だからね、本来石ころ一つ拾っても駄目なとこですから。
【ライトの性能(数値)】
今年活躍予定であるライト機材の性能(数値)を調べてみた。
導入した理由はここに詰まっている。
ルーメン(lm)と全光束のことだが要は人の目で見た明るさ。
ケルビン(K)とは色温度のことで数値が上がると青みを帯びた光になる。
①今回導入機材 400W HIDだが、多分県内では誰も使ってないバルブ。
色温度6,500K 全光束 29,000lm
波長(nm) 比エネルギー値(%)
350~400 55
400~450 90
450~500 100
500~550 90
550~600 85
600~650 50
650~700 40
700~750 20
以上のデータを見て貰えればオラがこのバルブに何を期待してどういうシーンで使おうとしてるのか分かる人には分かると思う。
紫外線領域から中波長までの出力が高く長波長の出力が弱い、青みが強いが結構明るいバルブである。他のバルブと比較してみよう。
②水銀灯(岩崎)HF400TX 400W
色温度4,100K 全光束 20,000lm
350~400 50
400~450 85
450~500 95
500~550 100
550~600 40
600~650 10
青みの掛かったしかし明るさはやや暗い印象を受けるが①に近い光。
③HID(岩崎) M400L SH/V
色温度 4,500K 全光束 35,000lm(水平点灯時)
350~400 15
400~450 35
450~500 45
500~550 80
550~600 100
600~650 30
650~700 70
白い感じの色で大変明るい光。400Wのメタハラで多分一番沢山の方が使用してきた代表的な機材であろう。人の目で見た場合は遠くまで光りが届いているのがよく分かるけど紫外線領域~中波長の出力は①~②に比べて低い。空気がクリアな時向きということになりますな。
④◯◯ー◯◯ー◯ HID 1,000W
色温度5,500K 全光束 80,000lm
350~400 35
400~450 65
450~500 45
500~550 100
550~600 55
600~650 50
650~700 45
700~750 25
750~ 30
色は青みが強いが全領域の波長が出てるので太陽光に近いというとこでしょうか。
全光束80,000lmって・・・使い方間違えたら大変!な大爆弾ですねェ~。
どんな道具でも使い方次第なので今期は①を研究して頑張ってみます。
【主犯逃亡?】
トラッパー達は既に活動を開始しており連日出撃しては敗北の憂き目に遭いながら獲物を追い続けている。
そんな最中、先日の日曜日に今期初?とも言える条件が整った。
残念ながらオラは約束を入れてしまい出撃不可。
誰が初物をゲットするのかな~?と想像してたら十和田三銃士のJN氏から出撃のメールが届く(うお~これで今期の初物はJN氏で決定か?)。
と思いきやこの人根っからのサムライであることを忘れてた。
確実に採れるであろうポイントをあっさりと放棄して難易度の遙かに高い場所に入座したとのメールに思わず苦笑い(さすが、さすが・・・)。
仕事を終えて帰宅し、酒を呑んでいたら再度メールが届く。
開始間もなくガスに包まれ真っ白な世界で大変ファンタステックな光景ですが飽きてきたので帰りますとのこと。
ヌホホ、やっちまったな~(クールポコ)けど難しくないと面白くない人だから仕方がないのだ。
明日はオラも何を車に積むかの選別をしよう。
殺人熊がやっと射殺されたと思ったら、主犯の熊は別にいる可能性が高いことが判明と報道された。
射殺された雌熊の胃の内容物から確かに人体の一部が検出されたが主に食べていたのはタケノコだったということだった。
付近で別の雄の熊も目撃されており、主犯はコイツで雌熊は便乗しただけという可能性が出て来た訳だ。
この雄は中々捕まらないだろうな・・・油断禁物!。
【凶暴熊討たれたり】
四人目の犠牲者の遺体発見現場の近くで熊は撃ち取られた。
専門家筋は件の熊かどうか分からないからまだ山に入らない方がいいとのコメント。それを確かめるべくこの雌熊は鑑識に回されるらしい。
だが、状況その他から言えば十中八九この熊が真犯人だと思う。
・この付近に固執していたこと(人の気配がムンムンしてたのに逃げなかった)。
・鼻と胸に傷があり生還した人の目撃情報と特徴が一致したこと。
・ハンターが目の前にいるのに竹藪から体半分出して威嚇してきたこと。
今回、警察のヘリが藪の中の熊を捉え、地上の警官にすぐ近くに居る!と伝えてなかったら警官までもが危うかったかもしれない(藪の中だと襲われてもむやみに発砲できないでしょうし、警棒で叩いたくらいだと頭撫でられたくらいにしか感じないであろうから・・・)ナイス連携!。
現場の割と近くにはオラの屋台場もあるのでオラも念のための準備をしていた。
・簡易火炎放射器
・持ち歩くのがはばかれるランボー◯◯フ
・約2メートルの突撃槍
東京のお方がライトに出かけようとしたら検問に遭い、かなり入念に職務質問されたと聞いたが、オラが検問に遭ったら車の中は怪しい物だらけなので『ちょっと署まで同行願えますか?』と連れていかれるかもですな。
この熊が討たれたからと言って安心しちゃいけませんぜ。
多分熊は棲息数が増えていると思います。
山に入る者はそこで生じるリスクは自己責任だからでありますから。
【獣害】
ついに4人目の犠牲者が出てしまった。
報道では性別の判別も付かなかったとあった。
書かれてないもののこれはどうやら一部食べられたとみていいのでは?。
多分一連の事故を起こしてる奴は同一個体だと思う。
この熊は既に肉の味を覚えたとみゆる。
こうなると人を恐れるどころかいきなり襲いかかってくる可能性は高い。
こいつはもう殺るしかない!ハンターの出番だ。
一日で40キロ~60キロを移動するというから明日十和田湖に現れてもおかしくない(事故の経路をみても十和田湖方面に北上しているかに見える)。
大規模な巻き狩りは行われるのだろうか。
我々もこの同一犯と出くわさないとも限らない。
それなりの準備をしなくては・・・ということで簡単火炎放射器を準備した。
オラは毎年熊とは3~4頭と遭遇しているがこいつは別物と認識した。
オラも襲われたら無事には済まないかもしれないが、きっとこの秘密兵器で火グマにしてやる!。
【戦闘準備OK】
お師様に新調した爆弾の結線をしてもらった。
ハイワット指向の高い巷に反旗を翻しローワットの爆弾を仕込んだ。
あとは使い方の実践であろうか。
とにかく準備は整った。
【今年の熊は怖ェ~ど~!】
秋田県ではあるが県人を含めて既に3人やられた。
同一の個体と思われるが十和田湖までなら一日で移動できる距離だ。
一度でも人を襲った経験のあるのはヤバイとみておいたほうがいい。
そう言えば昨年北海道で人を襲って食べたヒグマもまだ捕まってなかったはず。
このところ熊の被害に遭う件数が増えているようにも思う。
北海道の獣医師Kさんによれば同地においてはシカが増えたためこれを捕食することで肉の味を覚えたのとこれにより冬眠する必要がなくなったことが一つの要因と語っていた。
我が青森ではどうだろう。
以前には熊は棲息してないとされていたところに今は堂々と棲息してる。
餌となるシカも以前は県内には居なかったが今はもう既に白神にも入り込んでおり駆除は手遅れと鉄砲撃ちが嘆くほど繁殖してる。
ハンターが少なくなっているのに世界遺産に登録されたことでおいそれと立ち入ることも駆除もままならないとは・・・。
世界遺産に登録することで得られる観光収入もシカに禿げ山にされたら元も子もなかろうに・・・。
ハンターは言う。いずれ増えたシカは食べやすい牧草地に必ず出てくると。
今や夜の白神に行くと林道のあちこちで増殖したウサギが宴会を開いてる。
熊も相当増えてるのでは?。
山は本来人が手入れをして生態系が正しく保たれるものだと思う。
ともあれ今年は見通しの悪い場所では熊に注意したほうがよかろう。
【ダンボール】
オラのライトトラップ時に活躍するアイテムとして今では欠かせないのがダンボールである。
これさえあれば、遮光に使えて秘伝パカパカに使えて急な雨には傘にもなり椅子を忘れりゃ座布団にもなる。
ガスった時にも使えるし必殺◯◯◯トラップにも使えるし、何と言っても沢山集めれば橋の下に家まで造れる!。
山中で車がスタックしてもこれを焚きつけにすればすぐに暖もとれる。
ライトトラッパーと浮浪者には大変有り難い逸品だ。
以前勤めていた会社の先輩でKという人がいたがこの人酒を呑めばほんずが無くなる(津軽弁:何と訳せばいいか・・・要は酩酊してパッパラパーになるということ)ので有名だった。
この人、以前に研修で真冬の仙台に宿泊した際、研修終了後一人で呑みに出かけて案の定ほんずを落とし、宿がどこか分からなくなって放浪した挙げ句見知らぬビルに忍び込み、屋上にあったダンボールに潜り込んで一夜を明かしたがダンボールのおかげで凍死を免れたというくらい有り難いのだ。
オラの車には常時4~5枚のダンボールが積み込まれている。
【カラーランプ追記】
面白そうな出物があったので練馬の親分に聞いて見た、ついでにカラーランプについても聞いて見た。
オラ:親分!おもろいもん見つけたんでっけどどうでっか?。
親分:ああスポラートの×◯ね、これ大分昔からある奴だよ。
岩崎のビームオンやアクロスターが出る前までは高反射はこれしか無かった
んだ、長岡の魔神もまだコレクションしてるよ。
オラ:これに◯×△□付けてチョメチョメして使えばどないだ!と思ってんス。
親分:アハハ、いいんじゃない?けど俺はねェ・・・(以下爆弾魔同士の変態会談
が延々と続く・・・)。
オラ:ところでグリーンのカラーランプどう思います?。
親分:俺も勧められて一番最初に買ったのが250wのグリーンだったのさ。
今でも使う機会は減ったけど持ってるよ。
これの大きいのは光の広がり方にもちょっと難があってねェ・・・。
(以下再度変態会談が続く・・・)。
オラ:グリーンのランプは大きくなるほど扱い難いという結論で宜しおまっか?。
親分:いいと思うけどねェ、俺の250はこれから逆に活躍するかも?だよ。
オラ:諸君!・・・だそうだ・・・。
ついでだが、ビームオンはまだ手に入るそうだ、しかし最終処分に掛かって
いる雰囲気だから手に入れるならこれが最後のチャンスかも?だよ。
買いなさい!ホレホレっ!。
【カラーランプについて】
HIDのランプにはグリーンとブルー2種類のカラーランプがある。
元々は建物などの建造物、景観をライトアップする為の製品であろうけどライトトラップによる昆虫採集にも使われている。
かく言うオラも400ワットHIDのグリーンを持っており使用してきた。
ライトトラップに使用例が多いのは上記2種の内圧倒的にグリーンが多い。
これは何故か?と、それらのカラーランプの有効性について考察してみたので書いてみたい。
まず結論から言うとカラーランプはライトトラップによるクワガタ採集にはベストマッチの光源とは言えないということと、使うなら恐らくグリーンよりはブルーの方がクワガタ採集には効果があると思われる。
ブルーよりもグリーンが流行った理由は何であろうか?と考えた時、使用経験のある人に聞いたら可視光として人の眼で見た場合ブルーよりもグリーンの方が明るく感じることと、バルブの寿命がグリーンの方が長いことがその最たる理由では?と言う意見が支配的だった。
オラもグリーンを買って使った理由は波長が長いから同じ400ワットならばグリーンの方がより遠くまで光りが届くと思ったからなのだが、実はここに落とし穴がある。
グリーンを使った感触を総合すると次のことが言えると思う。
①ツボに嵌まれば沢山採れる。
②クワガタの寄りが悪い条件でも蛾や他の雑虫は沢山くるケースは多い。
上記のツボとは何か?というと大気がクリーンであることと反射を引き起こす障害物が無いか少ないポイントでの使用である。
道具を選択する際に重要なのは人の立場でチョイスするのではなく虫にとってどう見えてるかが大事でしょう。
前述の落とし穴を説明するにあたりおさらいをしてみよう。
電磁波は波長によって幾つかの種類に分けられ、380nm(紫)~780nm(赤)の範囲の周波数を帯びた電磁波の内人の眼が捉えられる領域が可視光である。
太陽光などに含まれる色を分解して長波長から短波長の順に並べると赤(620nm~750nm)→橙(590nm~620nm)→黄(570nm~590nm)→緑(495nm~570nm)→青(450~495nm)→藍→紫(青紫380~450nm)となる。
青は短波長で緑は中波長,赤は長波長。
人に見える可視光領域は400~700nmだが、虫は紫外線領域にずれており最もよく見えているのは360nm辺りで、大体250~400nmまでがアピール度が高いみたい(550nmくらいまでは感知はするようだ)。
じゃあ、グリーンの光495nm~570nmって虫には殆ど見えてないじゃん!・・・と早合点してはいけない。
太陽光は全ての波長の光がほぼ均一に含まれているので無色に見える。
白熱灯の色はオレンジに見えるが赤~オレンジの波長の光が他の波長より多く含まれていることによる。
つまりグリーンのランプはグリーンの領域が他の波長より多く含まれているけれど紫外線領域~中波長も含んでいるので虫は採れるんである。
ここまでくるとお分かりのように中波長であるグリーンのランプよりは短波長であるブルーのランプの方が恐らく虫にはアピール度が高いと思われるのだ。
人の眼では緑の光が遠くまで届いているのを視認できていてもそこに居る虫にとっては絶対的感度が低いか行動(飛翔・走光)を起こす動機にはならないのではなかろうか・・・というのが今回のお題の結論です。
グリーンランプなどのカラーランプは使えるけど効率からすると我々クワガタ屋よりは蛾などのクワガタより広範囲の領域が見えていると思われる雑虫屋さんが持ってたほうがお得な機材と言えるかも?です。
希にグリーンランプはガスった時に活躍する!と言う方もおられますがオラが思いますには多分逆効果です。
その方のポイントは恐らくグリーンランプの紫外線領域が届いてる範囲に発生場所か餌場のサロン、或いは通り道がある!とオラは考えます。
また、ブルーは使用経験がないから分からんけどグリーンは経験値が浅い内は飛んで来た虫を視認したり弾いてしまった虫を捜す際に若干難しくなると思います。
景色が綺麗で雰囲気は最高なんですがねェ・・・。
これをお持ちの方で手放すには忍びない・・・と言う方にオラのお勧めは照射範囲が遠くない場所でかつライトの設置場所及び虫の落とし場所が広く取れるポイントでガスのないクリーンな日であれば広角のスポラートに入れて使ってみて下さい。
【道具】
今期のシーズンに向けて採集道具の新兵器を着々と準備されておられる方は粛々と進めておられるようで・・・燃えてまんなあ・・・。
ほうっスポラートを岩崎のH375SX狭角とな?しぶいっ!。
これに水銀灯の400を入れたら青森では一番応用範囲の広い爆弾ですがな。
その選択は正しい!に一票入れさせていただきまする。
水銀灯・・・いよいよ品薄になってきました。
欲しいセット、組み合わせはシーズン前には揃わなくなる可能性大でありますぞ。
現在まで我々が使っていたスポラートも恐らくは機種とか少なくなっていくはず。
名作ビームオンも無くなったしねェ・・・。
【カブトムシが1匹、カブトムシが2匹・・・】
店の中の妖気が消えない・・・まさか?嘘だべ?ヤメロよおいっ!(捜索開始)。
ダンボールに入れたままのマット発見。
ふむふむ・・・糞~ん!。
てめ~らここで何してやがる!ダンボールの底にて押しくらまんじゅうをしてるニョロい奴らが・・・
♀カブめはダンボールをよじ登って侵入、穴を空けて産卵した訳ね♨。
ふざけんな!バカヤロ-!。
142匹+31匹追加=173匹
わ~い爆産だぁ~♨(アタマコワレタ)。
呆れたベジータもどこかに行っちゃいました。
カブトムシが1匹カブトムシが2匹・・・。
【カブトムシ再び!】
先日の事件以後も何か店の中でただならぬ妖気を感じていた。
居る!何かが居る!姿を隠して潜んでいる!(ガンツ風)。
悲しいことにこの予感は当たっていた。
オラのライトトラッパーとしての最大武器である高性能レーダー(耳)が微細な波動をキャッチした『そこだっ!』。
店舗内の角に置いたマルバネ用に調合したリサイクルマットを入れた袋を摘み上げると中にニョロい奴がまたもや蠢いてる・・・ふひょ~!。
数えたら14匹追加・・・。
128匹+14匹=142匹!。
ここまでに喰われたマット→KBファーム栄養フレークEX2袋=3,200円
モリコンアンテマット1袋=780円
マルバネマット4袋分=4,000円
被害総額=7,980円!。
貴様ら~、ゆ、許さんぞォ~!(ドルゴンボール:ベジータ談)。
【カブトムシの逆襲】
練馬のトシちゃんから送られてきた埼玉県北部のカブトムシ♀が何頭かバカ力にものを言わせてカップから脱走していたのは承知していた。
その♀カブが売り物の10ℓ入りマットのビニールに穴を空けて侵入していたのも実は知っていた・・・。
店の中が既に一つの森よ、一袋くらい良いわさと放置・放任すること3ヶ月。
一昨日その袋に新たな穴が空き、中から見慣れた楕円形の糞が噴出してるのを発見!ま、まさか・・・。
上段のマットを除けてみたらその下、その又下、そしてその又下のマットの中に無数に蠢くニョロい奴が・・・。
どうも♀カブは下から3段目のマットに穴を空けて侵入・産卵し、その息子と娘達は成長と共に袋を食い破り下へ下へと進出したものらしい。
ヒョエ~!慌ててタライにそのマットをあけてみたら何とその数128匹!。
ゆ、許さんぞ~!(ドラゴンボール:フリーザ風)。
売り飛ばしてやる!来年全部売り飛ばしてやる!。
幼稚園児と小学生に弄ばれて悶えるがいい!。
けど、埼玉カブだかんね・・・あの赤カブや赤を通り越して黄色っぽいのも出るのかしら・・・と呑気なことも考えたりして。
それにしても一体何頭の♀がこれを産んだのか?。
脱走したのは2頭と記憶してるが内1頭は1週間後くらいに店の中を徘徊してたので回収したんだが・・・。
1~2頭で128匹・・・カブトムシ恐るべし!。
【ライト機材の選定】
ヒメオオもボチボチ終了・・・という季節で店も暇になってきた。
皆様今年はどんな採集をしておられたのでしょうか?ってなことでライトトラッパーの方の採集記事などをランダムに流し読みしていたのですが今期中、又は来期を見越して機材を変更された記事を多々拝見致しました。
我らの目下の心配は街灯のLED化と虫採りに適したライト機材の生産停止でしょうね・・・。
省エネに役立尚且つ長寿命で有害な水銀を必要とせずお邪魔虫を寄せにくい・・・世の流れは当然LED化に向いて然りな訳です。
水銀灯はほぼ生産が終了されており、目下のところ工場在庫のみが殆どで、HIDすら機種が減り、更にUVカット球が主流になりつつある。
将来的には虫採りに使えるHIDランプも無くなるやも知れません。
世の流れを受けてネットオークションでは工場で使用していた水銀灯の中古や在庫を処分するために結構な数の出品があるようで・・・。
工場内の照明のLED化に伴う処分が大半なのかも知れないがそれ故に殆どが200ボルトなんですね。
これだと変圧器も揃えないといけないので皆様は100ボルトの製品の中から自分が欲しかったものの出品を虎視眈々と狙っておられる様子。
虫採りに合う機材は将来プレミアが付いたりするんスかね?。
来期に向けて機材のバージョンアップを模索中の記事を結構目にしたんだが、もったいない機材を手放しておられる方もいた。
ここ1~2年でバレバレになりあちこちで語られているんだが◯◯ー◯◯ー◯の1,000ワットと◯◯◯◯◯ーの組み合わせが今の所では虫採りでは最強の道具であり、この組み合わせに変更しようとしてる方を多々目にした。
これはこれで正しい・・・のだが、さて?。
以前の記事にも書いた通りハイワットの道具は諸刃の剣です。
事実、この組み合わせにした方の記事を見ると以前より格段に採れるようになったと言う人もおれば、何だか全然変わらないという方、そして前より採れなくなったという三者三様に分かれてます。
自分の機材の特長・・・メリットとデメリットを把握した上で、道具は自分の力量で制御できるものが望ましいのでは?。
クォーツアークを手に入れる為にHID1,000ワットグリーン球や400ワット水銀灯を手放した記事を見たオラは思わず『んあ~!勿体ねェ~!もう手に入らなんかも知れんのに~』と唸ってしまいました。
お小遣いの都合もありましょう、愛車に積める限度もありましょう、しかし1,000ワットグリーン球は大気がクリアで乱反射を引き起こす障害物が無い遠大な場所での使用ならクォーツアークに優るとも劣らないし(障害物があってもライトの置き方当て方その他である程度は躱せる)400ワットの水銀灯なんて一番応用範囲の広い優れものですぜ。
機材変更もいいのですが、自分の主戦場に適した物とは?ということを熟考し、新しい機材に何を求めるのかを購入前に今一度チェックすることをお勧め致します。
当たり前と言えば当たり前であるが機材を変更しようとする方の殆どはバージョンアップを考えるもので、必然的に?よりハイワットの機材を求め勝ちでありましょう。
しかしですね、トップクラスの方達は逆に今バージョンダウン?を考えてますよ。
沢山の機材を持ち歩かず、しかも様々なシーンに対応できるようにという意味においてです。
先日オラがもう使わなくなった道具をオラの仲間に買ってもらいました。
盟友N氏には1000ワットのHID透明形の球と安定器とビームオンの投光器を、伊集院T氏には~1500ワット対応投光器と1000ワット用安定器をです。
400ワット水銀灯の広角と狭角を鮮やかに使い分けて修行してきたN氏が来年どういう採集を見せてくれるか?同じく400ワットHIDしか使ってなかったT氏の成果がどう変わるか?今から楽しみでもありますがこれはバージョンアップですね。買って貰ったお金でオラは逆にバージョンダウンした物を導入予定です。
何しろ青森には40ワットの蛍光灯1本でオオクワが採れる場所もありますから・・・オホホ!。
【赤い朝焼け青い朝焼け、赤い夕焼け青い夕焼け】
これはライトトラップにおけるその日の見立ての話しである。
とある凄腕トラッパーの方から見立てについて習ったことがある。
それは夕刻に陽が落ちる前に山の稜線が赤く見える時の日はクワガタの飛びが悪く青い日は飛びが良いとのことだった。
何故そうなるのかの理由は分からないが経験値から言うとまず間違い無くそうなると言っていた。
夕陽が赤く見えるのは太陽が最も遠い位置で日没を迎える際に届く光の中の色が最も波長の長い赤だけになるからと学習していた。
青などの色は届かなくなり届いている赤い色が一番見えてるから赤く見えるという訳だ。
だがこれだけではクワガタの飛来にどう結びつくのか分からなかった。
先日イギリスの軍隊SAS出身のサバイバリストがサバイバルにおける天候の見立ての一つとして紹介していた一文を目にしてはたと膝を打った。
これかも知れない!。
それは次のような内容だった。
朝焼けがより赤い日は高気圧が去ったことを意味し、夕焼けがより赤い日は高気圧が近づいてきてることを意味するという内容だったと思う。
気圧が高い日は空気中に巻き上げられる塵などがより多く高く巻き上げられるために他の色が届きにくくなるので朝焼け夕焼けがより赤く見えるというものだった。
気圧とクワガタの飛びの関係はもうすでに承知のこと。
クワガタの飛びに関係する諸条件は気圧だけではないが重要な部分ではある。
これは当たっているかも知れないと思うのだが、如何?。
【一日一万歩 ヒメオオクワのマーチ♪】
虫友と共に危険!最悪!最低!で鳴る自然に還る寸前の林道に突入した。
ここは以前にオラが車ごと崖から落ちそうになったあの場所だ。
日中に見ると夜間に一人でライトを炊きにきてた自分のアホさ加減に呆れて感動する。
同行の虫友もスズキのジムニーを駆る猛者であるがここには日中でも一人では来たくないとおっしゃるほどだ。
行程は片道徒歩一時間くらいの距離だが、虫を採りなが悪路を歩くので実際には二時間、往復4時間掛かる。
以前はもう1キロほど奥まで車で侵入できた(その際に崖から落ちそうになった・・・)が今や崩壊や崩落が進んでジムニーでも無理!な状態。
入り口に辿り着くまでが既に悪路なんだが電波塔がある広場に車を停めていざ出陣。
突入してすぐに崖の上から落ちてきたブナの大木が林道上に寝転んでいる。
落石が道の上を歩きにくくしており、時折道の上が川になっている。
道の山側はいつ落石が襲ってくるか分からないから歩きたくないのだが谷側は足を滑らせて崖から滑落したらドングリコロコロで即死なのでどこを歩いても気が抜けない。
以前あったヒメオオのご神木の内何本かは崩落で谷底に落ちたか土砂崩れで生き埋めになったかで消失してる。
今回の主目的は
①ヒメオオの採集
②レアなハムシの採集
③山葡萄の採集
④猿の捕獲(猿をとっ捕まえて教育し、松茸犬ならぬオオクワ猿に育て上げるという単なる妄想)。
レアなハムシを採るために相方はしばき棒でバシバシ食草を叩きながらの行軍である。
こんな所には他に何人たりとも侵入は致さぬであろうと言うとさにあらず。
渓流釣りと山菜採りの中にはやはり爆弾魔がいて、ここには誰も来ないだろうという所に限って好んで侵入してくる。
邪魔な下草はこれらの先行者が刈り払ってくれてるのでその分だけ楽だ。
ヒメオオは一発大物こそ出なかったが付き場所が多少変わったくらいで相変わらず居た。
ここのは十和田湖周辺みたいに大小混ざることなく平均して大型という他に西目屋村のそれと同様に太い個体が多いという特徴がある。
だから採った瞬間には実寸より大きく見えるからぬか喜びさせられるのだ。
ビーティングしてた虫友の網にカミキリが入った。
オラも真似して近くの草を叩いたらオラの網にも同種のカミキリが入ったのでプレゼント。
レアなカミキリではないがここはあと何年かで自然の山に戻っていき、林道はかつての痕跡にしか残らなくなるだろうから産地ラベルとして重要である。
採れる内に採っておかないと、というやつだ。
レアなハムシはやはりレアだった・・・甘くは無い・・・結局採れなかった。
残すところヒメオオポイントはあと一カ所という手前で先行者が力尽きたらしく下草が茫々になった。
あと少しだから行くべェ!と言いつつ若い虫友に先行してもらい、シバキ棒で草をなぎ払いながら進む。
何頭かのヒメオオを追加したところでにぎりめしを食いながら休憩。
この林道の素晴らしい眺望を眺めながら喰うメシは最高だ。
ここはまず間違い無くオオクワもいるのだが、でかい灯火を徒歩で持ち込むのはほぼ無理だ。
林道が生きてる状態ならば爆弾場が無数にあるという希有な山なのだが…二十年くらい前にここに爆弾持ち込めたら・・・悔しいがしょうがない。
途中藪の中から子猿が飛び出して来てあっという間に逃げていった。
ここの猿は白神近辺の猿と違って人慣れしてないので人間には近寄ってこない。
白神近辺のは近寄ってきて威嚇するし、集団で追い掛けてきて上から木の枝を投げつけてきたりと質が悪いのだがここのは可愛いもんだ。
帰路に山葡萄を収穫して降りる。
帰り道は膝が悪いオラにとって下り坂が堪える・・・。
というのに山葡萄を収穫しちまったもんだから行きよりも荷物の重量が増える。
スタミナ的には問題無いが石ころだらけの悪路に足首と膝が悲鳴をあげる。
出発するときに長靴を履くか十和田のN氏に貰った林業や土木関係者がよく愛用している作業靴を履くかで迷ったのだが作業靴をチョイスして良かった。
軽いのである。
虫友は長靴を履いてきたのだが石を踏んで足裏が痛いと言ってたが、オラの作業靴は底が硬いので平気だった。
陽が沈んだ頃にやっと車に到着。
良いトレーニングになった・・・あとはゆったりと湯に浸かって酒を呑むだけ。
ヒメオオももう少しで終わり・・・淋しくなるなあ・・・。
この頃、たった今報告を受けたのだが、十和田のN氏とその同級生である十和田市のサムライ三銃士が山の中で悲惨な目に遭ったらしい。
最後はトラクターが活躍したらしいが悲惨過ぎてオラ、記事に書けないね。
十和田の三銃士はサムライ度が高すぎ!。
【終戦の唄】
青森県におけるライトトラップ採集は終盤の盛り上がりを見せることなく唐突に終わった感じ。
だが、今年も沢山のドラマがあり勉強になったし苦労もした。
試したかった道具もあり、開発中の技もあるんで夏があと一ヶ月延びてくれたら・・・という思いもある。
来年はもっと自由自在に光りを操りたい・・・。
ふと今年を振り返るとなかなか心地よい疲れが・・・。
唄を興じて今年を終えよう。
武者を好まば小胡ぐい
狩りを好まば綾藺笠
捲り上げて
梓の真弓を肩に掛け
軍遊びをよ
軍神(いくさがみ)
【偽物注意!気を付けなはれ】
この世界は残念ながら産地の偽装やら飼育品をWDと偽る等不貞の輩が絶えない。
達観してる方が、オークションは落札者にも真贋を見極める眼が必要で騙された方にも責任はあると言った人がいた。
心構えとしては正しいかも知れないがやはり正論とも自分としては言いたくない。
目的がクワガタ採集じゃなかったのにオオクワを採った!という話は結構ある。
それは魚釣りであったりキノコなどの山菜採りであったり・・・様々だ。
だが地元の人間からそんな情報を寄せられて、それ見せて?と言うとさっきまで生きてたかという話が大概いつの間にか死んでいる。
オオクワを飼育しててビークワも読んでいて75㎜のWD♂を採ったというのにその死体はいつの間にか標本にもなっておらず庭に埋められているか行方不明となっている(これを証拠隠滅という)。
これは大概ホラ話しと言ってまだ可愛げがあるが、偽物掴ませてカネを騙し取ろうというのは立派な詐欺だ。
そんな詐欺師に騙されないように売買におけるオラなりに考える注意点を実例を挙げて列挙してみまする。
『産地について』
形状等でその産地が正しいかどうかの判断を下すのは至難の技です。
ましてやそれが画像だったら加工も有り得るし、故意に判断しにくいように撮っている場合もありますね。
オラがまだ商売に入る前のいち飼育と採集愛好者だった時のこと、憧れの産地のオオクワを見つけたと喜んで店舗に問い合わせたら、購入しても教えられる産地ラベルはその市町村名までと言われました。
何故?と聞いたら産地保護の為という返答でした。
その店舗で売られていたものが信用できないというのではありません。
人それぞれに考え方や信念というものがありますから。
その店では店主の方とその信頼している方の採集品しか扱わないということで信頼性は高いものと思われます。
しかし、市町村名までのラベルというのは到底産地ラベルの要件を満たしてないのでオラは購入を断念しました。
業界を見渡すと今でも有名店でさえ産地ラベルが『十和田湖』『十和田市』『十和田湖町』であったりします。
ラベルが十和田湖だったら青森物なのか秋田物なのか分かりません。
十和田市は広いのでその次の地名が仮に法量だとしたらこれがまた広いので産地ラベル重視派としてはそのまた次くらい(例:焼山)まで欲しいところです。
十和田湖町は既に十和田市に吸収合併されているのでその市町村名はもうありません。
産地ラベルはどこで採れたかを正確に示すことがその要件だと思いますのでこれは間違った表示とは言えませんが少なくとも旧十和田湖町と表示した上で次とその次くらいの表示がマニアとしては欲しいところです。
いずれにせよ、購入者には詳細産地を公開してくれるならあとはそこの実績や信頼性で判断すればいいかと思います。
あまり書きたくない実例なんですが・・・過去の話です。
第一次オオクワブームそれ以前のこと、青森県に舞茸採り名人の爺さんがおりました。
冬以外は一年中山に入り浸ってるような人なんでしょう。
当然?と言って良いかどうか知りませんがこの爺さんはそのテリトリーの中にオオクワガタがいることを知ってました。
やがてオオクワのブームが到来し、高額で取引されていることを知るや、舞茸などを採りながらオオクワも採って業者に売るようになった。
問題はここからで、その業者は当時青森産のラベルでは価格が下がる為能勢産と偽って販売していたのだそうだ。
この採り子の爺さんは多分その偽装には関与してないと思うがげっそりする話しでありました。
初期の頃、阿小谷でオオクワを採ってペットショップなどに売っていた採り子の爺様などは細くて小さくて華奢なのが阿小谷の特徴なのにいつの間に極太の産地に変わったのか?と言ってます。
極太愛好家は極太なのがその最大要件であり、次はその血統・・・産地はその次くらいだから関係無いかも知れませんが、我ら産地重視派には耐え難いことであります。
信頼できる入手ルートで購入するのが一番で、オークションはやはりそれなりのリスクを覚悟すべきでしょう。
『天然物か飼育品か』
オークションは詐欺師のたまり場でもあります(残念ながら)。
騙す方は色々と受けるであろう質問や追求された場合の逃げ道などを予め想定して準備してますからなかなか嘘を見抜くのは大変です。
落札者にも変な人がいるのもこれまた事実ですから出品者も自衛の言葉を並べます。
評価0の方はお断り又は要相談とか、素人出品の為とか、神経質な方お断りとかですが、これ逆に詐欺師も喜んで使う言葉ですよね。
オークションでは取引の際にまずその出物の他に出品者とその評価を見ると思うんですが、過去の出品その他と併せて詳細に読み解いていくとアホな詐欺師の綻びに気が付くこともあります。
過去の出品が物品ばかりなのに急に樹液のオオクワ採集のプロになってたりします(もう既にこの時点で?マーク一つです)。
オオクワ採集には灯火採集の他に材割り採集もありますが東北のブナ帯の樹液採集というのは難易度がメチャ高いです。
なのにぽっと出てきて1シーズンで1♂採りました、次は一日で2ペア採りました、その次も1ペア採れましたって誰が信じますか?って話しなんだけど騙されてる方がいるんだなあ~。
疑問に思ったらどんどん質問すべきです。
本当に採った人なら神経質な方お断りと書いてても自信を持って本当に採った人でないと分からない事実を適切に答えるでしょう。
実際に採集をやってない詐欺師が返答すれば綻びが出る可能性は高いです。
まだ暗い時間帯の早朝にルッキングで覗いて採ったとか(アンタはマサイ族かパプアの高地民族出身か?)眼の高さの樹液で採ったとか(しかもペア)オオクワの生態を無視したかのような回答が並んだりしますから気を付けてみれば分かるはずです(眼の高さの樹洞に入っていることは有り得るがケースとしては少ない、しかしこいつは樹洞ではない外を流れている樹液に付いてるのを見つけてしかもペアで採ったと取れる記述をしてる・・・そしてそれで何ペアも採ってると・・・この詐欺師の風上にも置けんたわけ者めがっ!ってことです)。
オークションの注意事項はオラよりも適任な人(その名を虫歯青年という)がいますので書いてくれるかどうか分かりませんが頼んではみます。
天然と飼育品の見分け方の簡単なところを書いておきますので参考にして下さい。
①顎先、爪先の摩耗具合(♀は樹洞に入った傷の有無と産卵行動に出た際に付いたスレ傷の有無をみる)。
②ダニの付着(用意周到な詐欺師はここまではやる)、樹液の付着(薄い黄色みを帯びた泥っぽい色をしており、これが乾くと少しティッシュ等で拭いたくらいでは取れません)の有無。
③♂も♀も飼育品と全く違うのは動きと反応です。
早く、鋭いです(ここまで用意できる詐欺師はまずいないと思います)。
ディンプルの出方や腹で見分ける方法もありますがディンプルを見るには熟練が必要だし、周到な詐欺師は菌糸ではなく材かマットで飼育するでしょうから腹ボテならもうスルーですね。
飼育品も天然物も数多く見てる人が近くにいれば心強いでしょうが、居ないならば?マークが一つ付いたら高かったら買わない!ハテナマークが二つ以上付いたら安くても買わない!のが最良だと思います。
【埼玉県北部のカブトムシ】
困った子ちゃんカブトムシにこの夏は振り回された・・・。
県内では樹液が高温障害?なのか枯れてしまってたので採れなかったのだ。
うかつに注文を受けた自分を恥じ、何とかかき集めようとしたが時は既に遅かった。
そんな時に練馬ナンバーでお越しのトシちゃんが律儀に埼玉県北部のカブトムシを送ってくれて助かった。
クヌギの木を蹴りまくって集めてくれたらしい。
トシちゃんはちゃん付けするのもどうか?というくらい実は妙齢に達しているのだが、非常に若く見えるしこの一件で愛してしまったのでこれでいいのだ。
採集時は遠目からみると忍者みたいないでたちをしてるので声を掛けるのもはばかられるのだが、これは紫外線カットゴーグルを掛けていると蝶野みたいで声を掛けにくいと言われているオラとしては親近感が沸く。
さてその埼玉県北部のカブトムシなんだが、噂通りでかい!。
何喰ってこったらにおがっちゅ~んず?(何喰ってこんなに成長したの?)というくらいでかい。
しかも色目が多彩だ。
赤カブトは真っ赤のもいるし、赤を通り越して黄色いピーマンを連想させるような黄色っぽいのもあった。
青森の天然物と比較すると雲泥の差だ。
う~ん、カブトムシと言えど侮れん!。
この内の何匹かは根岸屋の親父さんの東京の孫に送られて行った。
関東で採集されたカブトムシが青森に来てまた関東に帰っていった訳だ。
トシちゃん有り難う!お礼に来年根岸屋で一献差し上げるし面白い所に連れてったげるでな、楽しみにしといて下され。
【祝全員達成!】
十和田市にはサムライが多い・・・。
盟友N氏の同級生二名が今期からライトトラップに参戦した。
内、豪腕大工のO氏は早々と大歯の♂を採ったりしてたがS氏はまだ採れてなかったという。
S氏に成果無しで終わらせる訳にはいかぬと昨夜はN氏が自分の屋台を出さずにS氏のフォローに回るとのことだった。
団体戦大好きのオラも場所取りで参戦。
さほどの好条件ではなかったので今宵に適した場所を・・・取った。
やがてS氏が到着。
追って仕事を終えたらN氏も駆けつけることになってるからもう採ったも同然!。
どうせN氏が道すがら飛ぶ気のある奴を頭の後ろにはべらせて連れて来るに違いないからね。
その後自分の屋台を張って戻って来たらやはり採れていた!。
しかもやはりN氏が到着してすぐに来たと言う。
N氏は体から何か出しているに違いない。
帰宅して厳かにアルコールの儀式に挑みながら想像した。
N氏をミズナラの大木にロープで縛り付ける→その木がオオクワで真っ黒になる。
ここまできたらこれは偶然とは言えないかも知れないど。
ところでS氏がこれまでオオクワ採れなかったのはどうもサムライ度が高すぎたみたい・・・。
【屋台に来て貰いたくない虫ランキング】
個人的意見である。
その来て貰いたくない順に並べると・・・
①ハネカクシ改めエゾハサミムシ
虫歯青年があれはハネカクシじゃなくてハサミムシですよ!と言っていた。
虫のことなら何でも来いのY君に聞いたら調べてくれて多分エゾハサミムシですねと回答された。
虫歯青年がかつて共通一次試験に落ちた理由を垣間見た気がした・・・。
数が多すぎ!うっとおし過ぎ!臭い!邪魔!火炎放射器で全てを焼き払いたくなる!。
真性ハネカクシの一種でアオカミキリモドキとは別な毒であるがやはり火傷と似た症状をもたらす種があり、それは恐らくオラの屋台にも来てるはずなんだが見たことも腫れたこともないのでランキング外。
②アオカミキリモドキ
年に1~2回はやられる。
夏になると必ず火傷になるようなもんだ。
この毒に負けない体を造ることが目標(無理?)。
だが、甲虫なら何でも毒ビンに突っ込むY君からも見放されているので少しだけ可哀相な気もする・・・。
以前に椅子に座ったらこいつが先に鎮座してて、尻をやられたことがある。
水戸黄門に的中しなくて良かった・・・。
③スズメバチ類
屈強で鳴る盟友N氏を倒したほどの実力者(チャイロスズメバチ)。
だが翌日N氏は再度同じ現場にリベンジに赴き、来た奴全てを叩き殺したんだが、それを聞いたY君がボソッと『もったいない・・・』と呟いたのをオラは聞き逃さなかった(毒ビンに入れたかったんだね)。
オラの屋台に来たら豚皮手袋から戦闘用の牛革手袋に履き変えて流星張り手(元幕内板井由来)かヤクザキック(蝶野由来)でブチ殺してるけど、100匹単位で来られたら・・・消灯~!しかありまへんな。
④カメ吉
理由は臭い!これのみ。
これもY君から見放されているという点において哀愁を感じさせる。
この匂いなんだが、嗅ぎ慣れてくると平気になってくると思うんだがオラだけか?。
⑤ガムシ、コオロギ、黒い蛾
理由は時折オラを勘違いさせて短距離ダッシュさせられること。
お邪魔虫!。
虫じゃないから番外編⑥熊。
来たことないけどもしも不敵にオラの屋台に来たらやね、大好きだというガソリンを頭から浴びせてチャッカマンで火だるまにしてやる!(ツキノワグマを火グマに変身させる訳だ)。
【近づく今期終了のゴングの音】
ある者は今期最後の納得の一匹を得て、又ある者は山の神の怒りの雷に打たれて未練を残しつつライトを置いた・・・。
一人、又一人と終了宣言していく。
煌々と山肌を照らしていた明かりが消え、本来の闇と静寂に戻って行く。
だが、爆弾魔だけは最後まで炊く!。
熊がブナの実をむさぼり食う頃まで一人ポツンと山の中で明るいナショナ~ル♪と歌いながら・・・。
最後は根岸屋特製おにぎりを頬張り白い息を吐きながら何も飛んで来ない山を照らしながら一年を振り返るのである。
ライトトラッパーにはその道具立てに二つのタイプがあるようで、一方はコレ!という道具一つであらゆる条件のあらゆる場所で使いこなそうというタイプともう一方はその時その場所や条件に応じて使い分けるタイプである。
前者は自分の信念や技術論を持っている人か資本金に限りがある人が多く、後者は合理的な人かもしくは移り気かはたまた短気な人が多いと見る。
オラはどちらかと言うと後者に属してるのかな?。
今年は色んな道具を使って練習した。
光源は水銀灯とHIDだけではない。
来年のテーマはもう決まっている。
大きな明かりから小さな明かりまで・・・もっと自由にもっと自在に明かりを操りたい!である・・・。
【有終の美・リボルバー君最後を飾る】
リボルバー君の前にまず伊集院T氏である。
最後に♂を採ったら今期終了!と宣言してたが山の神に『いいかげんにしろっ!』と一喝されて強制終了の憂えき目に遭ったらしい・・・(チ~ン)。
その盟友である爆弾魔見習い改め仮免許N君あたりは先手を打って『ボクのことはもう諦めてくれ・・・』と言っておきながら家族サービスも怠りなくやっているらしい(けどキャバクラは家族サービスじゃねェだろ、どうなんだオイっ?)。
以前に流行った物に車の後ろに貼るステッカーで熊がガオ~ッ!と吠えている図の上に『注意:妻が乗ってます!』というのがあって密かに欲しかったんだけど、妻がない身でその資格がなかったので悔しい思いをした。
当時はちょくちょく見掛けたけど今は見ることも皆無なのは多分その猛獣に剥ぎ取られたんだね(当たり前だろうな・・・)。
で、リボルバー君である。
今期からライトトラップデビューし、その一発目から今期青森県第一号か?という早さで♂を仕留めたので華々しいスタートを切って注目を浴びた。
しかし、その後自慢の15連発は空砲に終わり15連敗くらいしてたと言う。
昨夜満を持して鉄板ポイントを抑え、連敗に終止符を打つ体勢を整えた。
その待機してる屋台をオラが襲う。
今夜は採れる!絶対に採れる!採れなきゃおかしい!頑張れ!と励ましつつそこはかとなくプレッシャーを与え、自分だけいい思いしてないで採ったオオクワにもピチピチギャルを与えて15連発くらいさせてやらんかい!と余計なお世話の忠告をした(オオクワで15連発決めたら多分一発昇天やろうのう・・・男子の本懐か?)。
その後自分の持ち場に入るが時間が余っていた。
前夜オオクワの♀か小型♂?というのが逆風だった為風に乗って逃げてしまったその方向を暇にまかせてチェックしだした。
この辺に逃げたんだよな・・・とおもむろに転がっていた木をどけたら原歯型の♂がそこに隠れていた!。
ゲッ!見つかっちゃった!という雰囲気で♂もたまげた様子・・・。
その後おかげでそこら中の倒木などをひっくり返したりしてたので時刻はあっという間に点灯時間。
点灯したら即凄まじい数のハネカクシに襲われ、やむなくキンチョールで撃墜せざるを得なかった。
虐殺と言われて仕方ないが、衣服の僅かな隙間から侵入してくるし臭いし、ライトから離れたところに置いた車にもびっしりと黒く纏わり付いてたのでやむを得ない。
ライトの前にはその屍が半径2メートルの範疇に厚さ3センチで積もっていると書けばライトトラップをしてる方にはその凄まじさがお分かり頂けるであろう。
ライトから離れた草むらの中も全部こいつがガサガサと蠢いている。
虫嫌いの方なら気絶ものだ・・・。
その後1♀を得て間もなく満月を隠してくれていた雲が去り、テポドン(満月)がドカ~ンと現れた!と思ったらあれほど騒いでいた雑虫が霧が晴れたように居なくなり爽やかになった。
満月は偉大なり・・・終了のゴングが鳴った。
盟友N氏やその仲間と挨拶を交わした後リボルバー君の屋台に急ぐ。
現場に到着して、どんでっ~!?(どうだった?)と叫ぶ。
すると撤収を開始していたリボルバー君がにっこりと微笑み、採れました!♀が採れました!と答えた。
連敗に終止符が打たれた。
歓喜の♀を拝見・・・ムッ◯女ではないがピチピチギャルやんけ、家で待ってる♂喜ぶで~。
この夜リボルバー君は記念すべき♂にその花嫁を連れて帰った・・・。
【弘前クワガタ氏の秘密兵器】
弘前市在住のN氏はたまにフラリと店に来る方である。
どうもオラの関係者にはNで始まるイニシャルの方が多くて紛らわしいので以降は同氏のことは弘前クワガタ氏(略して弘クワ氏)と標記する。
オラに触発されたか弘クワ氏もライトトラップを始めたが調子が悪いらしい。
オラから何か聞きだそうという人は何故か片手に酒を持って現れる・・・。
酒くらいでそうそう簡単に教えてたまる・・・・んだな(テヘッ)。
なにしろ持って来たのが焼酎の熟成古酒ときたもんだから一発KOなんだな。
しかも聞いたこと無い銘柄と思ったら弘クワ氏の勤める会社の社長が趣味で造ったという(あんたの会社大丈夫?)。
早速人生相談ならぬクワガタ相談に入る。
弘クワ氏は十和田湖などのメジャー所にはまず現れない方である。
自宅近辺やいわき山麓など極めて行動範囲を狭めた採集をしておられる様子。
さあさあっ、一体どこで採集してて採れないと言ってるんだね、示してみたまえ。
とパソコンで地図を出してズームアップする。
弘クワ氏が熱心に通った場所をここっ!と示したそのポイントは うおおおっ!そっそこは!・・・・杉の林でんがな!(チ~ン、一同静粛になる・・・)。
あんた夜な夜な杉林をライトアップして一体何やっとったん?。
相談は樹相の良い広葉樹林を照らしなさいということで一瞬で解決した。
これだけでは貰った酒の分量に満たないので道具は何を使っているのか尋ねた。
自作した見て貰いたいものがあると弘クワ氏が外に出て何やらゴソゴソと車の中から出してきた様子。
やがてガラガラガラと不気味な音を立てて見てはいけない何かが近寄ってくる妖気を感じた・・・。
店の戸を開けてジャジャジャジャ~ン!とその秘密兵器は登場した!。
何コレ?・・・・。
それは・・・乳母車のようなカートにバッテリーと配線機器と車のHIDバルブを縦に二つ搭載した正に秘密兵器だった・・・(秘密にしないと近所の体裁が・・・)。
どう見てもクワガタ採集というよりはお婆ちゃんが暗い夜道で重い物を運ぶ為の安全カートとしか見えない代物だった。
コレで夜な夜な杉の林をガラガラガラと照らしてたんだね・・・それでスタンガンと手錠も所持してたら捕まるで!。
多分この秘密兵器には名前が付いてるはずなんだが、笑いが止まらなそうだったので聞くのを必死に我慢した(もしもその名称がオオクワホイホイだったらオラ笑いを止める為に熊除けスプレーを店内に一発噴射したであろう)。
良くも悪くも弘前勢というのはオリジナリティー精神に溢れている!。
これでいて紫外線もバッチリ出ているので使い方さえ間違えなければ虫は採れる。
弘クワ氏の考えていることはオラにはもう読めている!オオクワをこのカートの中に落とそうってんでしょ?。
カゴの前に『カートに入れる』というシールを貼れば効果倍増間違い無し!。
オラこういう面白い人大好きだなあ~。
【ヒメオオ狩りスタート!】
オオクワの夏が終わる頃、ヒメオオ狩りがスタートする。
そのヒメオオが眠りにつく頃白い悪魔がやってくると・・・。
てなことでいよいよヒメオオの採集が始まります。
と言うことは開店に遅刻するということでもあります・・・。
(オオクワがスタートすると早退というか脱走するしね・・・)。
最近また新しいヒメの狩り場が見つかったんだが、本当に青森というところは林道が整備されればヒメオオ天国な所とつくずく思う。
ヒメオオ・・・脚の長い憎い奴・・・クワガタ初心者にオオクワ♂を採った!とぬか喜びさせる憎い奴!。
どこかにモンスターがいるはずなんだ。
それはどこだ?。
過去に57㎜という個体が2匹入門者と興味のない方の手に落ちて密かに標本になることもなくどこかに消えて行った・・・。
57㎜というのは年間に日本全国で1頭得られるかどうかのレベルであります。
死ぬ前に一度はこの手に乗せてみたいもんだ。
【伊集院T氏と爆弾魔仮免許N君・・・勝つのはどっちだ!】
今期コツコツと採っていたN君が8月8日の一夜にしてそれまでゼロだったT氏の大爆発で抜かれたところからこの物語は始まる。
抜いて抜かれてを繰り返して8月20日にN君が1♂3♀を採ったところで勝負あったか?に見えた・・・。
だが、T氏が21日に4♀をど~んと採って又々逆転。
N君はコツコツ安定型の採り方をするのと対照的にT氏は後半追い込み型で一発屋というタイプ。
N君は割と理詰めで場所や条件を読むがT氏は夢と気分で場所を選ぶ。
T氏は肝が据わっているから首つり自殺があった場所でもボク何~んにも感じませんから・・・と一向に動じない・・・が今の所そこで採ったことはない・・・。
体重から来る質量を生かし、ニュートンの言うところの万有引力で引き寄せるというか琴奨菊ばりの怒濤の寄り身で時々大爆発を起こす(これを仲間内ではビッグバンと呼ぶ)。
だが尊敬すべきは物欲が無く、21日に採った4♀も餌を食わせたらリリースするという。
実は21日も年間目標捕獲数に達したので今夜♂を採ったら今期終了すると宣言していた。
仲の良い仲間が欠けてしまうのを嫌がってN君はそれを阻止しようとしている。
そう、このダービーは数の勝負をしてるのではなく、まだまだ一緒に遊んで欲しいというところで争っているのです。
それを傍から眺めるのもほのぼのとしてまた楽しい。
T氏が♂を採ってしまったら終了をN君が阻止するには大歯を採って見せつけるしかなかろう。
その調子で二人で張り合って青森県の最終採集記録10月10日(だったかな?)を是非更新してもらいたい。
その報告をオラは湯豆腐と熱燗で聞くだろう・・・。
8月22日現在二人の勝負は1匹差でT氏がリードしている・・・。
【バッテリー切れ】
今期残すところあと何回出来るんだろうか?という終盤戦に入りました。
オラのお仲間もホームに終結し、それぞれお好みの場所に入りました。
八戸のN君は月を回避できるAへ、オラは月と勝負するその下Bへ、八戸のY君はその又下Cへ、十和田のラストサムライN氏は昨夜普通種♀3匹の玉砕を喰らったド坪のZへリベンジに・・・十和田のO氏は優雅な採集を楽しめるDへ、そして八戸のT氏は首つり自殺のあった恐怖のXへ、ボク何~にも感じませんからと平然と入った。
それぞれ思い思いに採集を楽しんだのですが、十和田のN氏からの連絡で著名鉄板ポイントに入ってる人が車から電源を取っていてバッテリー上げちゃってるんだけどバッテリーケーブル持ってないから助けらんないとのことだった。
車窓から配線出てたからシガーソケットから電源取るタイプでしょうねとのこと。
Y君によると車のHIDヘッドライトを改良したものがヤフオクか何かで結構売れているとのこと、それかな?。
その人確か4時半くらいにはポイント入ってたから気合い入りすぎて途中でエンジン掛けるの忘れてたんだねと言い合った。
採れすぎて興奮して忘れたんじゃね?との声も・・・。
誰もバッテリーケーブル持ってなかったのでそのまま放置することに・・・。
まあ、仲間に連絡するか駐在に電話するかグランドホテルに電話するか最後はJAFで決まりでしょと採集続行。
それぞれ採集を楽しんで夜も更けたのでそれぞれ流れ解散になったがオラとY君だけはヨコヤマ狙い(夜更けに来やすい)で残ったのだが10時半を過ぎて気温も17℃を割るかと冷えて来て蛾すら蠢かなくなったので撤収することにした。
11時に山を降り始めてバッテリー切れの人はもう流石に居ないだろうと思ってたのだが居た!。
必死に手を振りながらオラの車の前に飛び出して来た。
幸いにしてY君がケーブルを持っていたので無事エンジンを掛けた。
聞いたらそのライトは50ワットだという。
何灯を炊いたのか聞かなかったが普通ここをやる人は50ワットなら2灯を炊くのでその人の乗ってた軽自動車なら3時間持たないのでは?。
戦果はやはりオオクワはゼロとのことで恐らくはゴールデンタイム前に消灯したと思われた。
気合いを入れて激戦区のポイントを抑えたのに残念なことでした。
翌日店に元自動車ディーラー勤務のD介氏が来たのでオートマで押し掛けすることは不可能なのか尋ねたら理論上可能だが40㎞出さなけりゃならんし、坂道でもブレーキの油圧低下が懸念され、下手すりゃどっかに突っ込んでいくことになるからやらん方がいいとのことでした。
帰宅してから車から降ろしていた自分のケーブルを見たらボロボロ・・・。
明日は我が身・・・爆弾魔は本日イエローハット佃店にてケーブルを購入した。
【M氏倒れる】
かえすがえすも16日と言うのは怒濤の一日だった。
引き延ばして書けば小冊子くらいになるのでは?という一日だったがその半分以上が記事に書けないことばかりなのが残念なところ。
M氏には申し訳無いところもあるが注意喚起の意味も込めて書き留めておく。
Y君に頼まれてたお茶を買いに湧水館の自販機へ行ったらM氏がライトをセットしていた。
彼は一度オラの店を尋ねてきてくれたことがあったがその後顔を合わせる機会がなかったのでいいチャンスだと思った。
あれ~Mさ~んじゃあ~りませんか~♪と茶目っ気たっぷりに近づいたら、あ~ご無沙汰してます~と挨拶してきた。
たわいも無い会話を交わした後で採集の為別れたのだが、この後でM氏が採集中に倒れて救急車で病院に運ばれたと人づてに聞いた。
さっきまであんなに元気そうだったのに・・・。
幸い命に別状はないとも聞いたので安堵はしたものの、後で考えさせられることもあった。
それはライトトラップをする場所は携帯電話が繋がらない場所も多いということ。
奥入瀬渓流沿いですら繋がらない場所もある。
オラがよく突撃してる場所の中にはそもそも人が来ない場所もあり、そんなところで倒れたら死ぬしかない。
以前は危険な場所に行く時は知人に危ない場所に行くので3日店が閉まってたら警察に連絡してくれと頼んでいたものだが最近それを怠っていたと反省。
体調に異変を感じたら電波の繋がらない場所には行かない方が無難ですよね。
M氏の回復を祈っております。
【爆弾魔見習い勝利する!】
前夜の続報である。
爆弾魔見習いは八甲田の峰峰に雨がそぼ降る中たった一人で奮闘していた。
誰もが諦めた荒天で本命を抜いた時の達成感を彼は味わうことができるか?。
この日は安定して雨が降り続ける・・・という天候ではなく雨が強くなったり弱まったりで所謂不安定な大気の日とみていた。
こういう日こそ奇跡が起きるか奈落の底に落とされるかの二択の日なんだな。
その両方を経験して自分なりの答えをみつけてこその爆弾魔な訳だ。
師から台風か暴風でも来ない限り毎日行け!と言われ通い続けた日々が蘇る・・。
グラスにサントリー焼酎大一番をなみなみと注ぎグビグビやりながら吉報を待った。
自宅の窓を眺めていたら風が変わった!涼やかな風だったのが蒸してきたように感じた。
気圧も変化した可能性がある・・・もしや?。
間もなく爆弾魔見習いからメールが届く『♀来ました!』。
すかさずN君に電話する。
風とか変わったんじゃないか?の問いに変わりました!気温も上がってきました!という。
まだ来るぞ!気ィ抜くな!とかあれこれ言っている内に『あっ!♂!♂が来ました!』と歓喜の声が上がる。
運命は奇跡の方に転んだ。
まだ来る可能性があるから10時半頃までは粘ること、最後は街灯を廻って帰ることを促した。
これで彼は天国と地獄の両方を垣間見た訳だ。
爆弾魔見習いは仮免許を下さい!と要求してきた。
よかろう、爆弾魔仮免許練習中・追突注意のステッカーを車に張ってあげようじゃないか。
諦めない奴が最強!を彼は証明した。
ところで、前日のカネになる話・・・は1本の電話で敢えなくキャンセルになった・・・爆弾魔倒れそう・・・。
【爆弾魔見習い突撃する】
本日8月18日未明爆弾魔見習いである八戸のN君からメールが届く。
大荒れの十和田湖に突撃するという。
彼には爆弾魔たる者雨が降ろうが風が吹こうがひるんじゃならねェ!・・・と言ってある。
昨年はオラに付いてきて奥入瀬渓流の道路が濁流になり路面が決壊し、すんでのところで落雷に遭遇するという経験をしておきながら反省してないので爆弾魔の資格はある!。
アメダスを見る・・・ふ~む雨が近づいておるな・・・風速は3メートルとなっているが地形によっては圧縮されて5メートルは吹いてるな・・・気温は19時現在で18.5度か・・・丁度いい感じ♪。
彼には今期オラは同じような状況ともっと酷い状態で二回各1♂、1♀は抜いている!やったらんかい!とメールで送ったらやったります!と返信が来た。
ポイント選びがまず一番重要だぞとも書いた。
何を敵に回して何を味方に付けるのかの見極めということだ。
彼の命運や如何に?結果は明日の記事を待て!。
オラは温厚な人間だが、時として天使にも悪魔にもなるな・・・悪魔のオラは時々笛を吹いたりもする・・・。
正規爆弾魔は今宵急に舞い込んできた金になる仕事で休みを返上して残業中であるが8時半には風呂に入り、9時には崇高な儀式を始める予定である。
【O君の試練】
16日の番外編であるクククッ(笑いを殺した声)。
〇〇県からお越しのO君は熱心な若者だ。
今年は一体何回青森に来たのだろう・・・。
蔦のオオクワが欲しくって・・・と何回玉砕したことであろうか、オラこういう人嫌いじゃない。
今の勤め先辞めてオオクワ採りに専念しようかな?とか言ってたが、こんなに休みくれる会社はそんなに悪い会社じゃなかろう、我慢しなさいな。
オラの前の会社は3ヶ月ただの一度も休ませなかった真っ黒けの会社だった(労働基準監督署に内部告発でタレ込まれてから変わったけどね)がそれに比べれば優良企業でしょ?。
彼にとっての今年の青森は修行の場所だったに違いない。
憧れの蔦オオクワを狙って入ったら熊に遭遇し、その後雨と雷に打たれたとか枚挙に暇がない。
カモシカと間違えたんだろとか言って笑ったが、木から降りてきたらしいからそれは本物の熊である。
今度来る時は爆竹と熊除けスプレー買って持ってきなさいと言って、ついでに十和田湖周辺で熊の棲息密度が濃い場所をレクチャーしておいた。
その彼が16日に再び(三度?四度?)挑戦しにきた。
ある沢筋の奥をチェックしようととあるポイントに行ったらその入り口に彼がいた。
どうも憧れの蔦はガスってどうしようもなかったらしく仕方なしにここに来たらしい。
彼に一言申し上げる、君がオラと同じ爆弾魔になるというのなら槍が降ろうが熊が出ようが蔦から離れてはならぬ、だが今の行動はまともな人の健全賢明な判断であることは間違いでない。
オラが車から買ったばかりの折りたたみ自転車を出して上流をチェックしに行くと言ったら彼も付いてきた。
オラの自転車に彼も早足で付いてくるのだが、少しスピードを上げると彼も走り出すのが面白くって・・・(若いっていいなぁ~)。
急な坂道では彼の方が早く、追い越されたりもした(20インチってやっぱ駄目だ)。
現場を見たらよさげな場所が二つあった。
今夜はここで試そうかと考えたが彼もやりたくなったようで二カ所の内片方を無人にしてやりたいと言い出した。
せっかく遠くから来たんだから採って帰りたいだろうし、採らせてもあげたい。
オラは他の場所を見に行くからそこが空いてなけりゃここでやるけど空いてたら君がここで二カ所攻めなさい、後で携帯で連絡すると告げた。
結局他の場所が空いてたので彼にやれよと連絡したら蔦での恐怖が蘇ったのであろう、熊が・・・と言い出した。
熊がよく出没する地帯じゃないし、先にこちらの存在を知らせておけば来る訳ない、大丈夫だからやれよと言ったが、でも・・・と言う。
川原に行ったらまず石に石を投げつけてガチン!ガチン!と音を鳴らせ!次に持って来た熊除けスプレーをその辺に少し噴射しときなさい、奴は目は悪いけど耳と鼻は異常に敏感だからそれで大丈夫だ!と勇気付けたがそれでもまだう~んと唸っている。
ごちゃごちゃいいから黙ってやれ!やらんのならオラが入るぞ!と言ったら決心が固まったらしく、やります!と言った。
オラは一応アドバイスとして川原は彼の手持ちのバッテリータイプのライトを置き、上流に向けて照射して無人にすること、発電機で炊くライトに常駐して操作すれば変化に対応できるし盗難の心配もないと告げた。
この夜は全体の成果は今ひとつの所もあったであろうが、前記事に書いたとおり場所によっては大爆発を起こした夜である。
何かちょっと間違ってたとしてもあの場所であの条件なら♀の1~2匹は確実に採ったはず・・・と山を降りて彼の屋台を視察に行ったら採れなかったという。
何で?詳しく状況を聞いて納得した。
彼はどうもメインライトからちょくちょく離れてむしろ無人にすべきはずの川原に留まる時間が長かったらしい(気になってしょうがなかったんだろう・・・まあ、分かるけど)。
彼は前回熊に遭遇したときも決定的なチャンスを逃したが今回もそうだったかもしれない。
今回はどうすべきだったのかおさらいをしてみよう。
無人は無人にすべきでチェックしに行ってもいいが1~2回で充分、その際に来てないからといって下流にむけたり余計な操作をすべきじゃなかった。
メインライトは光軸を少し上げすぎていたので隣のポイントで炊いてた大爆弾と干渉して負けていた(お隣は1,500ワットの大爆弾)。
光軸をもう少し下げていたら採れていただろうし、側の橋にライトを移動させて渓流の上流に差していたら大正解(大師匠も全く同感と言ってたから間違い無いと思うよ)。
君はガッツがあるし、勉強熱心で知識も素晴らしい。
このままやって経験を積めば間違い無く強者のライトトラッパーになると思う。
ただ、現時点で一つ指摘するなら次のような傾向があるのでは?。
採りたい!という意識が強すぎるのか余計なことをしてしまったり肝心なところを間違うきらいがある。
そこが修正されれば現時点でも優秀なトラッパーだと思う。
彼の青森での今年の夏が終わった・・・。
熊は出なかったろう?と聞いたら藪でガサガサ音がしたんですよという。
それは多分大きくてカモシカで、小動物程度だろうと言った。
言われた通り川原で熊除けスプレー噴射したんですけど戻って来て大変な目に遭いました!カプサイシン半端ねェッス!。
何と彼は熊除けスプレーで自分を撃墜してたのであった!。
風上と風下くらい計算しろよギャハハ!何て楽しい子なんだろう!。
(こういうところがトラップにも影響してるんだね)
この一件で彼のトラップから目が離せなくなった。
彼のトラップにはドラマがある・・・。
来年も又来なさいな、待ってるよ!。
追記:一言注意喚起しておく。
あの川原はあの辺りまでは人間の気配が漂っているから熊はまず出ないと思うが、あの奥は熊の出現率が非常に高いところだからあれ以上奥に入ってはいけない。
日中の林道上はまだしも夜の川原などは奴らのテリトリーだ。
車で行けない場所なんだから尚更だね。
ツキノワグマは臆病な動物だが、一旦その気になったら人間はただのひ弱な餌だ。
君はオオクワの気配を感じ取れる鋭敏さを持っているから誘われるように奥に行きたくなるだろう。
その時事故は起きるかも知れない。
オラは多分青森県で最も危険な採集域で活動してる人間だが危機を感じる能力があり、危険を承知の覚悟もある。
それが無いなら踏みとどまるのも勇気ですよ。
【何か・・・の正体】
16日の続編である。
夜の10時に何かが変わったのだが、それが何なのか分からないと書いた。
分かった、多分間違い無い。
結論を書く前に一言申し上げたい。
ジンクスというものがあってそれは単なる思い込みであるほかに科学的関連があるやも知れぬのだ。
例えばオラの場合はヒメオオが飛んで来ると本命の調子が悪いとか、採集の前後にウサギを見ると必ず採れるとかだ。
人によっては猫やタヌキを見ると惨敗するという人もいる。
が、獣が騒いでいる夜は基本的に悪かろうはずはないと思っている。
餌である昆虫が騒ぐから獣も騒ぐのは当たり前と言っていいのでは?。
よく分からないのが、オラが大爆発するときは必ず盟友である十和田のN氏がオラの屋台に現れるということだ。
昨年の一晩で11匹という自己新記録を打ち立てた夜も彼は来た。
その時は7~8匹目まで一緒に拾ってくれたが彼が去った後も続々と飛んで来た。
別な友人の屋台に行くために去ったのであるが、その屋台にはその晩本命が来てなかったのに彼が来たら確か2♀飛んで来たはずだ。
彼はオオクワを引き連れて歩いてるのでは?と思いもした。
本題に戻そう。
何が変わったのか考えて見た。
それは多分オラが肌で感じることのできない気圧が変わったのだろうと考えた。
ところでN氏なんだが、彼は人間気圧計でもある。
肌で気圧の変化が分かるという。
気圧が下がると土の匂いもするでしょ?ともいう(分からんがな・・・)。
カネの匂いもいい女の匂いにも鈍感なオラが気圧変化の匂いが分かるはずもない。
(筋の人はカネの匂いに異常に敏感でんな・・・逆に言うとカネの匂いに鈍感な人は筋の道を極めるのが難しいのでは?)。
そこで真実を確かめるべくN氏に電話して聞いてみた。
あの晩、10時過ぎに気圧変わった?と。
答えは変わったそうだ。
しかもそれは同行した彼の奥様も気付いていて、夜遅くにまた飛ぶと言い切っていたそうだ。
ただその夜、奥様の体調がすぐれない為断念して降りてきたらしい。
恐ろしい夫婦だて・・・。
【16日の大爆発】
温度はまずまず、乾き気味だった湿度も今宵は問題無し、敵になると予想されたのは風とガス(霧)だが可もなく不可もなく、ただこの数日ではコンディションが良い日という認識だった。
別な下調べをしている内に爆弾場はあっという間に他客に占められた。
駄目元でガスが濃いと思っていた他客が敬遠したやや標高の高い場所に上がったら緩い逆風ではあったがガスは思った程でなくやれそうだった。
盟友N氏の到着を待ち持ち場を決めた。
N氏はここらのスペシャリストなのでオラより更に少し上に入った。
点灯開始!と始めたら風が出し風から向かい風に変わった・・・アレ?。
敵は薄いミストだけになった。
こりゃいけるデ・・・。
案の定飛来する蛾その他の駄虫の数こそ最盛期ほどじゃないにしろ、勢いがある。
奴が来るのはまず間違い無い、気合いが入った。
N氏からの連絡で彼の上は酷いガスで真っ白だという。
その最標高ポイントに誰か入っており、ライトの準備をしてたと聞いた。
虫採りというより幻想的な世界を楽しみに来た人かも知れないねとか、それで採ったら拍手ものだねとか言い合ってN氏と笑った。
いつガスが降りてくるか分からないので早い勝負を心がけねばと決める。
20時を過ぎてポンポンと本命2♀が飛来したがその後普通種の数も次第に減ってやがて音沙汰がなくなった。
普通の人はここで飽きてしまう方も多かろうがここからはY君へのお土産採集だ。
勿論いつ来るか分からない本命に備えて気は抜いてない。
ムラサキ何たらとかいうゴミムシと間違えて変な虫を摘み、気が付いたら指先が臭ェのなんのって・・・おかげで寝不足で少し頭がボ~っとしてたのがしゃっきりしたね(それくらい臭かった)。
22時を周り、N氏夫妻が降りてきた。
飛来も途絶えたし2♀採ったので帰るという。
最標高ポイントに入っていたのはN氏の同級生だったと聞かされて笑いが起きた。
十和田市はサムライが多いのう。
オラはもう少し頑張ればヨコヤマヒゲナガが来るかも知れないから続行すると告げるとN氏夫妻は帰って行った。
そのヨコヒゲだが、それかも知れないカミキリが1匹だけ飛んで来たけどアンタ嫌い!という感じでそのまま躊躇なく飛び去って行った・・・カムバック・シェ~ン!。
22時16分・・・何かが変わった・・・急に再び虫が騒ぎ始めた。
温度計も湿度計も何も変わってないし、風向き風の強さも同じだが何かが変わったと感じたんだ、それが何かは分からない。
ライトを微調整してたら黒い何かが一直線に飛び込んできてライトに当たりカ~ン!という音と共に落ちたと思ったら本命♀だった。
それから約30秒ほどで1♂1♀が次々に落ちた。
編隊を組んで来たのか?・・・。
そして更に十数分後再び黒い大きな♀がややスピードを落として飛んで来た、間違い無くオオクワ♀。
しかしこいつはアンタなんか大嫌い!とでも言うように躊躇なく飛び去って行った。
帰って来ォ~いよ~♪とこぶしを付けて歌ってみたが峡谷にむなしく響いただけだった・・・。
結局ヨコヒゲも来なかったが、これだけ本命が飛んでたならきっと・・・あと一仕事せねばなるまい。
その一仕事で4♀を得た。
大爆発と言ってよかろう。
オラの下に入ってた長岡の大魔神も2♂4♀採ったとか・・・今宵の大爆発はピンポイントだったのかも知れないがとにかく爆発はしたようだ。
家に帰ったのが午前3時半、アルコールの儀式を始めたら夜が明けてきた。
熱帯夜でもないのに何故2度本命が飛んだのか?分からない・・・。
分からないから面白いのかも知れないけどオラは知りたい。
だから爆弾魔はガソリン炊いて延々と貧乏生活をひたすら歩む・・・。
【締められぬ虫】
採集個体であれ飼育品であれ、未だにオオクワだけは酢酸エチルなどで締めることができない・・・。
天からの啓示のように頭の中で八戸のY君の声が響く『標本は綺麗な内に締めましょう♪~』。
意を決して毒ビンにオオクワを突っ込むが苦しんで暴れたのを見た瞬間にあ“ぁ”ぁ~!!!と叫んで出してしまう・・・。
そんなオラにY君は『だったら僕に渡してくれればキュッ!と締めときますよ』と言うのだが、きゅっとだと~?何てことするんだ~!と反応してしまう。
そんなことじゃ標本作製なんて無理じゃんという話しなんだが、他の虫ならホイホイと毒ビンに躊躇なく入れている。
人はこれを愛の偏りと言う・・・。
【ポンタの糞】
ある場所でオラがライトを炊くとタヌキが来るようになったと前記事で書いた。
最初見た時はやや痩せていたように見受けられたがオラが集めた蛾をむさぼり喰ってる内にみるみる太ってきた。
昆虫の栄養価は大したもんだ・・・近未来は食糧難に昆虫食とな・・・う~む、食いたくねェなやっぱり・・・。
喰ったら出す!。
おかげでオラの爆弾場はポンタの糞だらけになった。
今期に蛾が一番集まった翌日だったか?道のど真ん中にポンタはでかい落とし物を置いていった。
じっと見てみると糞の中身はやはり消化できない蛾の目玉だらけ。
棒きれでポンタの落とした爆弾を突いて思わずニヤニヤする(沢山食いやがってと・・・)。
人はこれを変態と呼ぶ・・・。
そのポンタの爆弾(地雷?)を小分けした酢酸エチルを受け取りに来た十和田市の盟友N氏の軽トラが踏んで行った・・・。
あちゃ~申し訳ねェ・・・。
【採集の副産物・・・当たり年であろう】
青森で灯火採集をする人の殆どの最大目標はオオクワであろうことは疑いない。
その次がクワガタなら何でも派で、蛾やコガネ、カミキリ等を主目的として街灯廻りなどしてる人はごく少数だ。
ムラサキ何たらと言うゴミムシの一種だかもせっせと集めているY君などを見るにつけ、変態よ!変態だわ!と思ったりもするが、実はこういう人達こそ真面目な虫屋なんである。
言ってみりゃクワガタ屋はミーハー集団と言っても過言でなかろう。
ライトトラップをしててクワガタの寄りが悪くなると人によってはイラついたり暇をもて遊んでいたりするだろうが(その人にとっての)雑虫にも目を向けると解消する。
オラは毒ビンを持ってオラにとって訳の分からない虫を片っ端から突っ込み、Y君へのお土産にするのだが、こうすると意外に楽しくクワガタの飛来が少ない時でもそれなりに忙しくなる。
先日のこと、よく分からんカミキリもコガネも適当に毒ビンに詰めてたのをY君にホレお土産!といって渡したのだが、後日電話があり『ヨコヒゲ(ヨコヤマヒゲナガカミキリ)が入ってましたよ!』と連絡を受けた。
これは当たりだろうと渡すと普通種ですと言われ続け、入れたのを忘れていたくらい適当に採ったのがカミキリ屋が喜ぶ虫だったりする訳だ。
だがそれで喜んでもらえるなら集めといた甲斐があるというもの。
皆さんの屋台にもレアな虫が来てるかもしれないから知見を広げておくことは大事だと思う。
そのヨコヤマヒゲナガカミキリだが、今年は今まで見たことのなかった地域までライトトラップで採れており、それは殆ど採集がなかなか難しい♂である。
その♀はブナの巨木の根元を丹念にルッキングすればそこそこ得られるが♂はその木の上にいるのでなかなか採集が難しいのだそうだ。
カミキリ屋が一日頑張って1~2匹採れれば良い方だという虫がクワガタ屋の屋台にほぼ同数飛来している。
当たり年なんだろうね。
そう言えばここ1~2年姿を見掛けなかったライトトラップに来るセミも今年は上向きだ、エゾ、コエゾなど綺麗なセミが毎夜3~4匹は採れてる。
ヨコヒゲよりヒゲナガの方がかっこいいじゃん!とY君に言って顰蹙を買ったかも知れないがこれらのセミは文句なく美しいと同感する。
いずれにせよ採集難易度が高い虫は当たり年に採る!が鉄則だ。
【Tさんの大爆発!】
Tさんとは十和田湖で知り合った。
爆弾(ライト)を掛けていたら暗闇からのっそりと出てきて『今晩は~採れてますか~』と尋ねてきたのがその最初である。
当初名前を知らなかったので風貌が似ていることから伊集院君と呼んでいた(伊集院光に似ている)。
彼は容姿に似合わず(失礼・・・)手先が器用で家族サービス第一、採集はその次以降というまっとうな人間である。
また、採集は大好きだがさして物欲はなく、やっと採ったオオクワを他人に気安くプレゼントしたり、こんなにはいらないと採った♀をリリースしたりするところに好感が持てた。
一昨年の採集で期するものがあったようだが成績が上がらず三沢のN先生との飲み会で一緒になった際に多少採集についてレクチャーさせていただいた。
昨年はそういった熱心さが実り、過去最高の成績を上げたとのことでオラも内心喜んだ。
屋台を尋ねたら何匹か採っていてこんなに採ったことないと大きな口を開けて高笑いしてたらそこに飛び込んだ(何かの)虫を丸呑みし、その後も笑い続けた豪傑でもある。
もう大丈夫だろうと思っていたら今年に入ってオオクワの採集成績は8月8日までなんとゼロだと聞いた。
オラの身内でそんな不幸な男がいるなんて許せねェ!とも思ったが差し出がましいから黙ってた。
まあ心から参ったら尋ねてくるべと思ってたらその日が来た。
8月9日、オラは十和田湖から離れて遠征採集に出ていたのだが、帰路に八戸のN君に電話したらTさんが大爆発しました!と報告を受けた。
その数4♂3♀だったという・・・。
あることをきっかけに怒濤のラッシュで一気に飛んで来たらしい。
この日◯◯県からお越しのOさんは熊に遭遇し、雨と雷に打たれて現場から離脱したらしいがこの天国と地獄の差たるやマリリンモンローとその骸骨ほどの差があるね。
昨日までゼロの人に一晩で抜かれました~とN君は笑っていたが内心祝福してたようである。
次は君の番だってば、ど~んと構えて行こうじゃないか。
伊集院・・・じゃなかった、Tさんおめでとうございます。
【誰も居ない山】
♪誰もいない海~♪と歌ったのは南沙織であるが昨夜の十和田湖はオラ一人だった・・・。
ぬお~独り占めじゃないかい?どこでやろうがやりたい放題!・・・な訳はなく月齢、濃いガス、低温、冷たいヤマセ(東の風)の風、を見越して今夜は駄目!と全員が判断したということであろう。
オラはこんな時に無意味に燃えてくる。
採れる採れないは関係無い、やりたい時にやれるならやるし、やるからには何がなんでも採る!。
採れれば嬉しく、採れなきゃ何で?と考えるそれがまた楽しからずや。
場所は全部空いてる、どこにしようか?。
条件は皆が今夜はアカンと判断した通りの状況。
何を味方に付けて何に対して挑戦を挑むのか・・・足りない頭を使って考えてたら頭から湯気が上がった♨・・・。
結論は今夜は♀なら短い距離のみなら飛べる→ターゲットは♀と決めた。
従ってガスを避けて距離が短く風を味方にできるところということで霧雨の中ポイント決定。
道具は何を使うか?距離が短いんだからこれで充分じゃんという他にガソリン代の節約の意味が大きく響きカップラーメンに湯を注ぎ、出来上がるまでにセット完了するという簡単灯火セットをあっという間に組んだ。
ライトを点けるが音沙汰無し・・・蛾すら寄って来ない・・・昨夜は普通種300超えという大爆発だったのに一夜にして豹変する、これが青森の実態。
開始30分で来たのはノコ・ミヤマ♀各1頭のみ。
悪条件の中簡単灯火セット使用ということでは前に虫歯青年とやった時と同じだが前回の敵は風のみで今回は三拍子揃ってる・・・う~ん手強いぞ、コレは・・・。
またも変態技を繰り出すしかあるまい。
あの手この手で刺激を与えるとやっと少し普通種が集まりだした。
霧雨が時折小雨に変わる・・・ありゃりゃ、こりゃあ勝負を急がないとターゲットが沈んじゃう。
だが、こんな時でもどこかに今夜の◯ースポットはあるはずなんだ、それはどこだ?。
近くにやる気のある♀がいなけりゃオラの負け、居るのに動かせなくてもオラの負け。
秘技のぞき見で光りをねじ込む・・・ホレホレグリグリ出てきなさい♪。
やっと♂のノコ・ミヤマが飛んで来たが皆小さい、これは風の影響だが読み通りだ。
ライトの変態配置をノーマルポジションに戻し、2灯をそれぞれ別な意味を持たせて5分ほど照射してたら誘導用にしてたライトの光の中から何かが一直線に飛び出して来た。
8時22分そいつは三脚に遮光用に立てかけていたダンボールにポスッと当たって落ちた。
本命♀である、エシェシェシェシェ。
こいつは立木の枝の下、地上5メートルほどの狭い空間の中から飛び出してきたのをはっきりと見た。
こんなとこから飛んで来るということもあるんだな・・・勉強になった。
この夜は技術だけで採れるとはいかない運も左右する日だった・・・。
つまり皆さんの判断は正解だったといことだ。
それから30分後に互いに渡すものがあって現場で落ち合うことになってたY君が到着したがポツポツと普通種が来た後で完全に止まった。
彼のお土産にできるものは何もないくらい普通種は20に満たない貧果であった。
こんな日に呼び出してY君ごめんね、後でアイヌコブスジコガネ山分けして二人でエシェシェしようね。
前回記事で書き漏らしたが4~5日前に姿を見せ始めたオニクワだが6日は20頭位の飛来があり既にピークに入っております。
【8月6日】
根岸屋の親父さんにカブトムシを持って行った。
採れないと嘆いていたので喜んでくれるだろうとは思っていたが、ピャウピャウパウパウ!と大喜びで、仕事(虫採り)何時に終わるんだ?メシ喰って行け!と言ってくれた。
オラはホイド(乞食)じゃねェからカブトくらいでメシをごちそうになるわけにはいかぬ。
だが、一度ごちそうになったら毎夜カブトを握りしめて親父メシ~!と叫んでたりして・・・。
根岸屋の近くで今夜は屋台を出そうかと考えてたが、予報では逆風になりそうだったので確かめに来たんだが、天気予報は当たって欲しくない時にだけ正確に予測する、見事な逆風だった・・・。
♀なら飛んでこれる風速だったが♂が欲しかったので前夜と同じ場所に入った。
気温良し!風速風向き良し!湿度良し!前夜は普通種100頭位、オオクワは1♂1♀だったが、今宵は中々の条件が揃っておる、行けるんでないかい?。
んだば、行ってみるべ~ライトオン!。
出だしは普通、ヒジョ~に普通だった。
爆弾(ライト)をこねくり回しオラオラオラ!(ジョジョの不思議な冒険参照)と攻め込んでたら突如普通種が編隊を組んで絨毯爆撃で反撃してきた。
加えて同盟を締結したと思われる蛾その他の雑虫が連合軍の大部隊で戦線に参加!。
こちらも高射砲、パトリオット、で懸命に反撃するが・・・物量には敵わないのか鬼畜米英めが~!。
蛾の新兵器、鱗粉による科学兵器によりくしゃみしただけで口の中に訳の分からん奴が特攻隊で自爆攻撃してきやがる!(カトちゃんペッで吐き出す)。
更に同盟は増加の一途でコオロギやセミまで連合軍に加わり、蛾は黒い奴が偽装工作を始めたのでどれがクワガタ軍なのか訳が分からんことに・・・。
偵察部隊を出す余裕などなく自陣を死守する防戦一方。
やがてコオロギの陽動作戦、黒い蛾の偽装工作の中に怪しいテカリを発する伏兵を発見!スナイパーが狙撃する『そこだ!』。
オオクワ♀を撃墜した。
激しい攻防を繰り広げていたが、やがて敵の勢力に衰えが見え始めた。
今だ!反撃開始!撃墜機の残党狩りを開始した。
既に捕獲した捕虜を入れてる強制収容所の中は条約違反では?というくらいの地獄絵図となっている。
だが、高級将校用のVIPルーム(ルアーケース)にはまだ空きが・・・。
何度目かの落ち武者狩りで草の中から尻だけ出して隠れていたオオクワ♀を発見捕縛する。
敵の勢力は衰えたかに見えたが、位相を変えるといつまでもノコギリ・ミヤマ両二等兵は飛行してくる。
虫歯青年みたいな奴らだな・・・少しは早寝早起きのアカアシ三等兵を見習えってんだ!。
既に強制収容所に収容された敵兵の数は300を超えたか?という大相撲もうらやむ満員御礼。
そんなとき一際大きな爆音をたなびかせてB-29が突撃してきた。
手で撃墜したらカブ♀。
お前らのせいでオラ今期酷い目に・・・有無を言わさず強制収容所行き!。
やがて空に連合軍の最終兵器テポドン(月)が上がってきた!。
今夜のテポドンは半月なり。
上に登って白くなったらお手上げだが赤い半月のテポドンならオラの波動砲は絶対に勝てる!。
残しておいた月の陰になる斜面に波動砲を向け、いざ最後の勝負、揚豚!(勝つ)。
またもや夜遊び好きな虫歯青年・・・じゃなかったミヤマ・ノコがフラフラと飛んで来る。
やがて白旗を上げた将校機(オオクワ♀)が投降してきた。
大将機(オオクワ♂)は討ち取れなかったが満足・・・。
今期、ここでオラが屋台を出すとポンタ(タヌキ)が現れるようになった。
段々オラに慣れてきたみたいで最初は20メートルくらい離れた所からオラの屋台を眺めてるだけだったが、その内5メートルくらいまで近づいてムシャムシャと美味しそうに蛾を食べるようになった。
見る都度に毛並みが良くなり、太ってきた。
蛾は栄養満点だからだな。
そのポンタが最近姿を見せなくなっていて実は心配してた。
何かにやられたか?。
撤収作業に入る前に呼んでみた『ポンタ~!メシだど~』。
すると、撤収作業中にポンタは現れた。
完全にオラの声を認識してる・・・オラ家のチュウは何故これができないのだ?山出のタヌキが名前覚えたっちゅーのに・・・。
この夜、オラは出してた椅子に一度も座ってなかったことに気が付いて腰を下ろし、ポンタの食いっぷりをタバコしながら眺めた。
今や3メートル先で夢中になってオラが落とした蛾をきれいに片付けてくれてる。
『うめェが?(美味しいか?)』
『たんと喰えや』
『Kさん(鉄砲撃ち)の前さだけは出てくんなや、汁にされっど~』。
帰宅する為に車に乗りこんだオラを見送るべくポンタは立ち上がって前足でサヨウナラを・・・するわけねえべや、オラを覚えただけのタヌキだかんな。
【見つけたぞ!エルドラド!・・・そこはお止め場だった・・・】
かねてから目を付けていた新ポイントに偵察突入してみた。
そこは事前調査の段階でオオクワ採集の全ての要素を満たしていると思われた。
原生林の樹相、標高推定600メートル前後、180度以上光を通せる環境と何もかもが揃っていると思われた。
現場近くで車を降り、徒歩で調査開始。
この辺りは車で通過するだけでライトポイントが無いと思い込んでいたので木をちゃんと見たことがなかったのだが、見たらすぐに気が付いた。
あれっ?やたらと樹洞の開いた木が多い!。
時間が無かったのでそこに手間は掛けなかったが100メートルほど歩く間に樹洞の開いた木が何本も・・・。
樹液が出ていた痕跡は見つけられなかったが時間さえ掛ければ絶対捜せる。
そして爆弾場へと突入・・・息を呑んだ!。
す、凄ェ~!何だここは?。
地形だけが想像してたのとちょっと違ったけどあとはほぼパーフェクト!。
1キロの2灯立てでやれば一体どうなるんだ?。
タイミングと条件の良いときにここでやれば一晩に20飛来あってもおかしくない。
だが、違う現実も目撃、そこはお止め場だった・・・。
理由を書けば賢いバカ者が気が付いて侵入するかも知れないから書けません・・・。
天国を見た瞬間に地獄に落ちたような気もしたが、ここはオオクワのパラダイスでいいのでは?と気持ちが切り替わった。
ここを荒らさなければ供給原として後世に続くであろうから・・・。
高台に上がってその周辺を眺めてみた・・・見渡す限り手付かずの大原生林!。
いいものを見た気がした。
さて、別な場所を捜そうか!。
【カブトムシはどこ行った?】
久々にカブトムシの大量注文を受け、発生状況等よく確認もせず迂闊に受けてしまった・・・。
ところが・・・①いつもの採集ポイント一帯が配管撤去の大規模工事の為木が切られて立ち入り禁止の封鎖。
②どのご神木も樹液が乾いており、アオカナブンすらが居ない。
あせったオラは急遽バナトラを仕掛けるべく半分腐ったバナナ3房を百円で売るスーパー◯◯◯◯に行ったが、こんな時に限ってまともなバナナしか売ってない!。
ところがそのバナナがまともだったせいか???そのバナトラに寄ってこない。
ライトトラップをすると♀だけは2~3匹飛んで来るから個体数が少ないとも思えないのだが・・・。
そこで虫歯青年秘密のご神木黄金の柳に急行するも、これも乾いてた上にその側にある水銀灯も消えているという・・・。
三重苦のヘレン・ケラーか?こりゃあ一体何の呪いだ?。
個体数はさほど少なくないのに奴らは一体どこに行った?。
樹液が出てないから果樹園やメロン・スイカ畑を荒らす暴徒と化している?。
本当に困った子ちゃんだなカブトムシは・・・。
諸君!樹液が出てないってことは・・・これから何が起きるか見えてきた。
全神経を尖らせろ!ってことだ。
そういう可能性が高いはずだ。
いざ!勝負!・・・の前にカブトムシ・・・どうしよう・・・。
【アオカミキリモドキのこと】
この道に入った時にH師匠から小さいカミキリは毒持ってる奴がいるからあまり触らん方がいいぞと教えを受けていた。
これらの種は全部で約40種くらい居てその内の半分がカンタリジンという毒を持っているようだ。
青森にはこの毒を持つ種が何種類いるかは知らないが代表種はアオカミキリモドキという奴。
ヤケドムシと呼ぶ地方もあるようだが言い得て妙!というもの。
コイツを潰すと肌に火傷のような水泡ができて最初はこれに触れると痛く、後に痒くなるという二段攻撃を受けることになる。
爆弾(ライトトラップ)をすると必ずと言っていいくらい飛来してくるからある意味ではスズメバチよりやっかいだ。
Y君は雑虫屋だから(本来はオサムシ屋だけど何でも採る)スズメバチが飛んで来ても毒ビンに放り込むんだがさすがにアオカミキリモドキを毒ビンに入れてるのは見たことがない(全ての昆虫の天敵はY君である)。
今はちゃんと認識してるから手でコイツを潰すことも無いけど、それでも年に何回かはやられる。
大抵は首筋か尻の下だな・・・。
一番やっちゃいけないのはこいつを潰した手で目をこすることだろうな。
こいつに気が付かないで椅子に座って水戸黄門に的中しても大変そう(得も言われぬ快感に目覚めることは恐らく無かろう・・・)。
ほぼあり得ないが耳の中に入ったら・・・多分その日のトラップはゲームセットになるでしょうな(オラは止めないよ、爆弾魔だかんね)。
まあ、やられたらその治療方法は火傷とほぼ同じだそうだから水で洗って冷やせるなら冷やして火傷の軟膏を塗って、酷かったら皮膚科に行けば(オラは行かないよ、爆弾魔だかんね)いいんでないかい?。
【タガメのこと】
ちょっと前にとある場所での遠征採集から帰ってきた大師匠がライトでタガメを採ってきた。
タガメ採れたんだけど鈴木さん要る?と言われたので興味無いから結構っスと返答してた。
その後M社の日本オオカミ氏に採ったと報告したら、それ大珍品だから絶対他人に譲ったりしちゃだめですよと言われたんだとか・・・。
もしアレを頂いてたら、ごめんね返してくれる?と言われるだろうが済みません!唐揚げにして喰っちゃいました!なんて言ったら殴られるか?。
栃木辺りにはまだまだ多数棲息してるようだが北に行くほど採集が困難になるみたい。
少ないとは思ってたが、オラも大師匠もそれほどだとは思ってなかった。
そう言えば青森では一度もお目に掛かったことがないな・・・。
しかしですな、オラが小学校の6年間を過ごした長万部では何度か採ったことがありますぜ。
あれは当時の長万部高校の敷地の外れに流れていた用水路で、トゲウオだかイトヨだかの小魚を網で掬って遊んでいると時々採れたもんだが、それが後に大珍品になるとは思いも寄らぬこと・・・。
刺されると手が腫れるってんで(当時は血を吸われると思ってた)持ち帰った記憶がないなあ~。
タガメもトゲウオもダイコクコガネもゲンゴロウもこんなに少なくなるとは・・。
この話しを聞いた時に少し淋しい気持ちになった。
ではタガメを採りに行くかって?興味有りまっしぇ~ん!。
どっちと言われれば糞虫だけどダイコクの方がそそられますね。
変態ですから!。
追記:50年程前の話ですかね?鉄砲撃ちのK氏によれば青森市内の池、沼、用水路、田んぼ、至る所に普通に棲息してたそうであります。
【採集のコツ・懐中電灯と使い方】
前回の採集のコツで来てるのに見つけられない方から質問を受けたのでもう少しだけ突っ込んだ記事を書いてみます(秘伝は書かねェど)。
オラが思うに慣れてないがために見つけられない方も多いかとは思いますが、その他に道具が適してなかったり使い方が宜しくなかったりで成績が上がってないのもその理由になってるのでは?。
暗い前時代のクリプトン球の懐中電灯等を使ってないですか?ということと、懐中電灯を普通のグリップで握って捜してないですか?ということです。
オラは今なら慣れたのでクリプトン球の懐中電灯でも捜せますが最初はかなり見逃してましたし、最初は明るいものを使用した方が成績は上がりやすいと思います。
オラは自分の使用道具は公開しない方ですが、懐中電灯くらいなら良かんべということで書いちゃいます。
別に大した物は使ってません。
オラが今使っているのはジェントスのスーパーファイヤX3 SF-553X3という機種です。
明るさが確か200ルーメンくらいで連続点灯15時間くらいの性能です。
先端を捻ると広角にも狭角にもできるタイプになります。
懐中電灯はその人の能力、採集スタイル、使用目的、何を求めるかでそれぞれ決まってくると思うのです。
例えば海外採集で有名なI塚氏は一旦山に上がったら3~4日は降りてこないので明るさよりも連続点灯時間の長いものをチョイスしてますし、大師匠はやや大きめで連続点灯時間がやはり長いタイプで明るさは100~150ルーメンくらいかな?というものを愛用されておられます。
Y君などはクワガタ屋じゃないから蛾などをばたつかせたくないらしく、そんなんで良く見つけられるねというくらい暗い物を使ってますな。
オラが今の機種を使う理由はまず光源がLEDなので蛾がさほど纏わり付かないこと、少し離れた草むらに落ちたクワガタにも少しだけでも光が当たるとその反射を充分に視認確認できること、近距離で草の深くに潜ったクワガタに照射すると浮き上がらせることができること、小型で軽量なので徒歩で攻めるポイントに行く際に便利なことなどがあげられます。
連続点灯が15時間とはなってますが途中から明るさが落ちてくるけど満充電したら2回は採集に使えること、そして防水性があり落としても壊れないタフさも愛用の理由です。
もう一つ付け足せば、本来は視力が弱いオラが大場所ででかいライトを炊く場合にライトの前に落ちた虫を照射する際に200ルーメンという明るさはオラにとって視認し易いということです。
今はもっと強力に明るい製品が出てますが、逆にこれ以上明るいとLEDとは言えその大光量で照射されたクワガタが飛んで逃げてしまうという現象が起きるのでオラは今の所これで満足してます。
今のオラに合ってると言えるしオラがこれに慣れたのかも知れません。
次に使い方というかグリップですが、オラは捜索に出るとしょっちゅう握りを変えます。
普通の握りと摘むような握りで角度や高低を頻繁に変えて照射するのです。
これによってクワガタの体に当たらなかった光が当たったり反射してその位置を教えてくれる訳です。
また、気温が高めの日はある程度の明るさの光を当てられるとクワガタは反応して動きます。
その草の動きを見逃さないことです。
蛾が揺らした草の揺れとクワガタが揺らした草の揺れとの違いは経験を積めば分かります。
気温を書きましたが、低い日はクワガタは草の中に潜ってしまい、高いとよじ登って来ます。
風とは無関係な不自然な揺れをしてる草がないか?常にチェックするのもコツのひとつでしょう。
だから、椅子に座ってても目だけは常にギョロギョロ動いてるものだし、飛来が途絶えたからといって携帯を弄るなんてのはオラからすれば退場!ものです。
他の虫が動かない時に油断を突くかのように飛来するのがオオクワですから・・・。
他にもいっぱいあるけど書いてたらキリがないので初級レベルとしてはこんなものでどうでしょう?。
楽しい採集の一助になれば幸いです。
【撤収の新兵器ブロワー】
ライトトラップの撤収時に纏わり付いた蛾や小さな翅蟻なんぞを車の中に持ち込まないように払うやり方は人それぞれである。
オラは最初の頃は箒で徹底的にシバキ倒していたが、やがてキンチョールプラス撤収用小型ランタンに吸い付かせ再度キンチョール噴射に変わった。
八戸のY君などはアースジェット一発噴射の10分後に車のライトに周辺の蛾を全部吸い付け、撤収後にスピードを上げて車に付いた蛾を叩き落とすという男らしい荒技を持っている。
最近ではブロワーで吹き飛ばすというおしゃれなやり方をする人が増えてきてよさげだな~と見ていた。
青森では日中のみ営業の店舗の側や駐車帯でライトを掛ける場合掃除して帰るのがお約束の場所がある。
オラは今まで古式ゆかしく箒とちりとりでお掃除して帰ってたけどブロワーの方が合理的では?と考えるようになってた。
仲間が使っているのを見たら、ブロワーで吹き飛ばされた蛾は相当なダメージを与えられているようで再び纏わり付く余力が失せているように感じた。
ある日ホームセンターにチュウの餌を買いに行ったらブロワーの販売コーナーに新発売!従来品より小型で風力2倍!と書かれたリョービのブロワーを見つけ思わず買い物かごに入れてしまった。
新発売と言う文字と風力2倍という文字に惚れてしまったのだ・・・。
どうもオラは昔からこの新発売という文字に弱いのである。
先日そのブロワーを使ってみてぶったまげた。
ライトを設置する洗車台に吹きかけたら洗車台を危うく吹き飛ばしそうになったくらい強力だったのだ。
こりゃあ凄ェ~!。
吹き飛ばされた蛾は内山高志の悶絶ボディーブローを喰らったが如くピクピクと蠢いていた。
更に驚くことに地面の砂や小石も全て吹き飛ばされてテカテカになってた。
あれ~こりゃあ白布を張らなくてもアイヌコブスジコガネ捜せるのでは?というくらいにだ!。
買い物が大好きなオラの心をわしづかみした逸品であったな。
ついでだから殺虫剤についても書くと、キンチョールは蛾に振りかけても効いてくるまで10分くらい掛かる。
も一つ書くとキンチョールをひと吹きしたくらいではオオクワは死なない。
脚が膠着したりはするけど三日後くらいには元通り元気になってる。
先日、男の宝の山であるホームセンター内をウロウロしてたら殺虫剤コーナーに新発売!フマキラー史上最強!とうたわれたプレミアムなる商品を見つけて買い物かごに放り込んでしまった。
新発売の上に史上最強!と書かれたら買わずにいられない・・・最強!という言葉にも非常に弱いのだ・・・。
これを何のために買ったか?というとチュウのトイレはその糞尿に油断するとハエが大発生するのだ。
成虫はキンチョールで殺せるがウンチの中の蛆は殺せない。
しかし、この商品は殺虫成分が24時間くらい残留すると書かれており、試したかったのだ。
結果は蛆全滅である、さすがは史上最強!。
ところで、昨年大師匠が青森で採ったオオクワをルアーケースに入れといたら翌日全滅させてしまったと落ち込んでいた。
青森に入る前の場所で毒蛾が酷かったので上記のような強力殺虫剤を使ったらしい。
一応ケースは水洗いしてたんだけど成分が残留してたんだろうな・・・としみじみと語っていたんだが、実はこの話には後日談があった。
オラもなんぼ強力タイプでも水洗いしてたのにオオクワを殺せるだけの残留成分が残るのか?と疑問だったんだが、実は宿の親父が大師匠一行が快眠できるようにと到着前にその部屋でバルサンを炊いたのだった。
残留成分プラスバルサンの絨毯爆撃にさすがのオオクワも撃墜された訳だ。
バルサン恐るべし!。
オラもフマキラー史上最強!のプレミアムを持って山に上がってみた。
まずは蛾にひと吹き・・・キンチョールでは死に至らしめるに10分以上は掛かるところ1分ほどで動かなくなった。
次にライトの上にひと吹き噴射してみた。
すると飛翔していたコガネムシがボタボタと落ちてきて間もなくアカアシの♂が何てことするんだ~!と叫びながら落ちてきた(ような気がする)。
このコガネムシとアカアシは標本用に即毒ビンへと投入。
この強力タイプの殺虫剤は撤退用に使用するには高すぎるので不向きだが、スズメバチ類が飛来した際の護身用に車に一本備えると良いかと思う。
【弱点】
ライトトラップにおいてその為の技術は一通り磨いてきた。
道具、その選定と使い方や置き場所、風や月や霧との戦い方、弾かない方法と弾いてしまった時の回収方法、落とし場所の作り方、新規ポイント開拓のやり方とその最初の攻め方等々・・・どれもが奥が深くて辛かったり楽しかったりで止められません!。
だが、目下の所一番苦手にしており、自分の弱点となっているのが天候の読みだ。
天気予報やアメダス等を見てその日の行動を決めているのだが、その当たらないことと言ったら笑っちゃうくらいだ。
前日まで東の風1~2メートルと予測しておきながら当日は西の風6~7メートル吹いてた時もあった。
明日は東の風2メートルだびょん!(津軽弁:~であろう)と言い代えれ!。
明日は東の風2メートル・・・かも知れないとか言ってろ!・・・と言いたくなる。
天気予報で一番困るのが雲の動きだ。
雨雲しか表示してくれないんだな。
薄い雲~雨を降らせるまでは至らない程度に厚い雲は表示されないんだ。
仕方ないから今のところはアメダスの日照時間と風向きを参考にしてるけど何か他にいいものないスかね?。
【採集のコツ・視力】
いよいよ本年度の採集も中盤の最盛期へと突入という今日この頃。
条件や月の出に悶々としてらっしゃる方も多いかと・・・。
合同でライトトラップ採集なぞすると視力がいいですねと良く言われるんだけど、オラの視力は両目共に0.7以下だど。
おまけに老眼で乱視もちょっと入ってて、採集中にしょっちゅう携帯のメールを送られると字や文字盤がよく見えないんでイライラするくらいだ(最近携帯を老人仕様の文字と文字盤がでかいガラケーに代えてやっと解決)。
A◯などのけしからん物を見る時だけ視力が不思議と上がるくらいのもんだて。
ライトトラップは大師匠に言わせると採集の総合芸術だとおっしゃるがまさにその通りだと思う。
光を自在に操るだけがライトトラップの採集の成果を決めるのではなく、ポイントや条件の読み、視力も聴力もその他全ての技術の積み重ねですよね。
その中で視力は良いに超したことはないけど、オラは目が悪くても弾いた獲物を殆ど見逃さない。
草の中に落ちた奴もほぼ完璧に回収する。
因みにオラが昨年草むらから回収したオオクワは4♂8♀だった・・・と思う。
なるべくここに落ちろ!というセットの組み方をしているはずなんだがそれでも2割強を最低弾いた訳だ(大きな♂ほど弾き易い)。
こういった弾いたものを捜して回収するには視力もさることながら経験と練習の量が物を言うと思う。
この場合は視力そのものもさることながら形状記憶力や捜索中の懐中電灯の光に反射した虫の光に反応する色彩感覚とかが大事なはず。
虫が完璧に草の中に潜って隠れたらさすがに見つけるのは難しくなるけど(これはこれで後で別な回収方法がある)体のどこかにオラの懐中電灯の光がちょっとでも当たってくれたらオラは見つけられる。
たまに他人の屋台をみることがあるけど獲物を見つけられない人、来てるのに気が付かない人の共通項は練習(経験)が足りないことと集中力が無い人が多いなと思わされる。
採集に来てるのに携帯ばかり弄ってたり椅子に座りっぱなしの人は見逃す可能性が高いはずです。
実績のある場所でコンディションの良い日にやったけど本命が来なかったという人が多いけど、実際にはかなりの確率でオオクワはそこに来てます。
見逃したり捜せなかったりしてるケースが非常に多いと思われます。
道具の選択や扱いを間違ってると遠い所に弾いてしまうので姿も見なかったということになってるんだな。
実例で言うと、〇〇市の〇〇氏が〇〇という場所でライトを掛けるとほぼ毎回〇〇という場所にオオクワが落ちてます。
あなたが弾いたオオクワは今年4名の方が1♂4♀喜んで回収していきました。
オラが確認してない個体はもっといるでしょう。
その原因は場所に対して道具がでかすぎるのと光軸の向きにあると思われます。
道具と光軸に再考を促し、風の向きと強弱を考えてやればもっといい成果が出せることでしょう。
事例② 〇〇県からお越しの〇〇様、初日~二日目まで採れなかったのは低温などの気象条件とセットアップを間違ったからと思われます。
三日目に採れなかったのは最低3♀来てたのに1♀をあなたが踏み潰していたのと場所に合わない道具と光の当て方で弾いたからです。
あなたのおかげで共倒れを喰らった〇〇県の〇〇様がオラの意見を取り入れてあなたが弾いた2♀を喜んで回収させていただきました。
誰も居ない山の中だったらどうやろうが個人の自由ですけど狭い範囲に採集者が集まっている場合はせめてライトを上に向けるのはやめていただきたいものです。
最終日にあなたが普通種を含めてまるで採れなかったのは悪魔が来たりて笛を吹いたからだと思われます。
最後にあなたの首が爛れたのは天罰ではなく単にアオカミキリモドキを潰した自業自得と思われます(こいつにはご注意を・・・)。
視力の話しから脱線しましたな・・・。
話を戻せば大師匠も視力聴力等も普通じゃないけど、我がH師匠ときたら異常ですぜ。
雑談しながら発電機がそばで唸っているのにオニクワの落ちた音を聞き分け、60キロで走る車の中でバカ話をしながら蔦の絡まる木の幹にいるアカアシを見つけ、道路を歩くミヤマの♀を見つけるんですからな・・・。
オラは今30キロ走行なら結構見つけられるようになったけど、あと30キロの差を詰める・・・のは無理だ!。
だが、H師匠曰くそれは修練の賜・・・だそうだ・・・。
【やっちまった・・・オオクワのロースト焼き地獄風】
先日の大失敗談・・・。
青森の採集の大敵は風・低温・とあるが、最も悩まされるのが濃い霧(ガス)やミストである。
青森はこの霧の頻度が多いので天候の読みやポイント選択が重要になる訳で、この業界の御大にして青森と北海道は難しいと言わしめる所以である。
今期はスタートからこの霧に当たる日があまりなかった代わりに低温が続いて成果は昨年よりぐっと落ちていたのだが、先日その濃い霧についに対峙した。
濃い霧が出たけど今更ポイントを変更出来ない場合に光の当て方や通し方の対処法もあるが道具を変える手もある。
この道具の変更で闘う場合その意味するところは◯◯を抑えて◯◯で誘導することを目的としている。
だが、これらだけではまだ満足できなかったので実はある秘密兵器を入手していた。
本来の使い方は別なものなのだが、流用できると踏んでいたのである。
秘密兵器をライトに装着していざ濃い霧と相まみえん!風も逆風で状況は最悪に近い。
この状況から本命を抜くことにエクスタシーを感じるところが変態たる由縁である。
新兵器の効果を目で確かめながら操作する。
何も付けてないと虫が高く舞い上げられるのがガスった時の特徴だが、かなり抑えられており効果を確認できたが落ちは今ひとつで、逆風の為虫が押し戻されていた。
これはいつもより捜索範囲を広げねばとその捜査網を倍にしたところライトからかなり離れた場所にオオクワの♀が落ちていた。
エシェシェシェ。
濃い霧、逆風、気温17.2℃・・・10回やれば8回は敗北するかの展開に勝利したと喜んでいた(この時までは・・・)。
もう一匹くればこのやり方の効果に間違いはない、もう一丁来い!と気合いが入る。
間もなくしてカ~ン!というライトにクワガタがぶつかったあの音がした。
来た!っとライトの周りを照らすが見つからない。
アレ?。
落ちた後また飛んで逃げた?まさか?今のは小型♂か大型♀級の音だったぞ?。
暫くしてまたカ~ン!とまたあの音が・・・。
また周りを捜したが今度も見当たらない。
アレレ?捜索範囲を広げたが陰も形も見当たらない。
レレレのレ?。
程なくしてクワガタの飛来は途絶え、店じまいの刻限が近づいていた。
ふとその時にライトの光量が落ちているのに気が付いた。
秘密兵器とライトの間に熱死した蛾が詰まっていたのである。
夥しい蛾の死骸を箒で掻き出したらこんがりと焼けたアカアシ♂とオオクワ♀の遺体が出てきた!。
こ、この焼き加減はレアでもミディアムでもなくまさしくウェルダン!。
オオクワ♀は地面に落ちた瞬間足がバラバラになった・・・。
オーマイガっ!。
オオクワの目がホワイトアイになってました・・・。
一緒に心中したアカアシと共に付近に埋葬し、タバコを線香代わりにして帰ってきました。
この道具効果あるけどこのままじゃ使えん!と分かりました。
チ~ン!。
【西へ東へ・暴風採集】
高い壁の聖地に再度挑む。
前々日までの予報では今期最高条件を示していた。
爆発する・・・このまま変わらなければ大爆発する!。
相棒は歯が痛々しい青年だが、彼もこの地には並々ならぬ憧れを抱いており、何度遭難しかけてもチャレンジをやめないオラと同じ大馬鹿者だ。
眠れぬ前夜を御神酒で清め鎮め・・・呑みすぎた・・・ら、神の怒りに触れたか翌日は派手な暴風が吹き荒れてた。
アッチョンブリケ!。
終わった・・・オラの夏は終わった・・・。
虫歯青年に中止のメールを送るが諦めの悪さではオラの上を行くこのバカ者は『自分一人ででもどこかでライトを焚く!』と返信してきた。
このままではまた変な所に行って遭難しかねない。
ボロ橋を渡って今まで無事に渡れてもいつかはド坪に落ちるものである。
仕方ない、身柄を確保するか・・・。
即座に県の道路情報と天気状況を確認したら、風向きと現場の条件から何とかできるかも?というポイントを三カ所ピックアップできた。
あそこに行くか?と青年に再度メールしたらやる気満々の彼はオラの車に乗り込んできた(捕獲成功)。
車を走らせること1時間半・・・現場が近づいてきた所で電光掲示の道路情報を見上げたら目的地は全面通行止め!と光っていた。
ああ・・・無情(ビクトル・ユーゴー)。
だが、バカ者×2=諦めない・・・だから急遽舵を東に切る。
こんな場合に備えてポイントは優先順位順に3つピックアップしてたんでィ。
だが、問題は距離と時間・・・間に合うか?。
最短ルートを探せ!と青年に命じた。
歩く地図男の異名を持つ青年は人間カーナビに変身した。
この人間カーナビはちょっと五月蠅いのが難点だが中々正確だ。
そこを曲がると何々町ですとか町名まで細々と説明してくれる。
ライトの球を切らさないように慎重かつ最速でオラの流星号を走らせるが時は刻々と過ぎ、二番候補地も間に合わないと推測できた。
結局3倍の時間と距離を掛けてホームへと戻ることに・・・。
いつもとは反対側からホームである山に駆け上り始める。
予想通り風裏になっており山の麓は静音になっていたが、問題は標高が上がってから・・・
案の定六合目まで上がったら風が唸り出し、おまけに濃いガスも漂い始めた。
途中何カ所かやったことはないけどライトを炊いてみたかった候補地に降りたって感触を見たが逆風だったり風が強すぎて断念せざるを得なかった。
あそこだ、もうあそこしかねェ・・・。
もうゴールデンタイムを30分は過ぎてる・・・急いで今度は山を降りだし目的地に向かう。
いつもの3倍のガソリンを無意味に焚いてやっとたどり着いたそこは木が揺れていた・・・が、一番ましな状況で、ここで頑張るしか道はない。
ここからは時間と戦術の勝負、オラの道具を広げてセットアップする間も惜しい。
青年持参の彼の簡単灯火セットを急いでセットするように促した。
彼の簡単灯火セットはその名の通りカップラーメンが出来上がる程度の速さで組み上がった。
彼のセットアップは風を考えてなかったので置き場所を調整し、反応をまず見てみた。
こんな時間にこんな状況で来ますかね?と青年がいぶかしがる。
やるしかねェべと告げたが僅かな勝算はあった。
それは邪魔してるのは風だけで他は今期最高条件を満たしてる日だったことと、時間も過ぎてるが今期のデータではまだ勝負できる時間帯だったからだ。
始めて5分ほどで1~2匹クワガタが飛来したが後が続かない。
ぼやぼやしてられない・・・速攻勝負に出ることにした。
風が強いのでクワガタは木にしがみついてるし、遠くからは呼び込めない。
だから戦術としては近くのやる気のある奴をむりやり木から引っぱがして全部採る!しかなかろうと判断。
青年のライトセットは火力こそ弱いが軽量という大きな強みがある。
大爆弾では出来ないことをやれるんである。
ここから軽量灯火セットの実践講習会となった。
試しにちょっと弄ってみたらパラパラとクワガタが飛来した。
よし!行ける!。
ここからは多分他の人が見たらあんた何やってんの?という変態技を次々繰り出していくがやる都度パラパラと集まってくる。
青年にはこれは非常手段であって理由も知らずに好条件の時に同じ真似をすると逆効果になると念を押した。
そして勝負の残り時間あと20分切ったか?というところで♂が同時に2匹飛んで来るのが見えた。
一方は明らかにミヤマの飛び方だったがもう一方が怪しい飛び方・・・オオクワだな・・・。
おらっ!2匹落ちたぞ!と青年に声を掛けたら『えっどこ?どこ?どこ?』と言うので怪しい方を照らして踏まないように誘導した。
次の瞬間幽霊を見た少女のような青年の絶叫が山々に木霊した。
ドルクス嫌いの男を絶叫させる・・・オオクワ採集の魔力である。
ここからは青年のブログをど~ぞご覧下さい。
帰路の車中、最悪条件の中から本命を抜いた心地よさに二人の変態は酔いしれた。
帰りの車中に助手席に乗せればむち打ちになるか?というほど蛇行運転しても起きないくらいに必ず爆睡する青年が軽い興奮状態で起きていた。
オオクワってやっぱ凄ェなあ・・・。
【難関の高い壁】
本日は調査及び遠征採集となっていた。
営業時間及びゴールデンな日曜日などどこ吹く風・・・でそそくさと店を閉め、太陽に導かれるが如く陽の差す方向に車を走らせた。
最初に向かうは一昨年樹液採集にてオオクワを得たとされる某山系を調べに行く。
現場着とともに丹念に調査ポイントを確認していく作業を重ねる。
樹相はどうか、餌はあるか、◯◯は居るか、〇〇はどうだ?ふむふむ・・・ほ~なるほど・・・確信はないが居ておかしくないと結論。
もっと時間を掛けて調べたいところだが既に陽は傾きかけてるので遠征採集先へと舵を切った。
本日は同方面に虫歯青年が来ているので夜は一緒にやることにしてた。
彼は道路封鎖された先に入る侵入経路を調べるべく隠密行動をする手はずになっていたが、封鎖の壁は厚く敢えなく玉砕したらしい。
余った時間で別な調査をしてたが腹が減って一旦里に降りてきたとのこと。
合流場所を確認して山から海岸線に下りてきたら海が見えてきた。
オラの大好きな光景が広がる。
傾いた太陽が海に落ちていく・・・。
一遍の詩が頭をよぎる。
また一つ見つけたぞ
何を?
永遠を・・・
それは太陽に溶ける海だ・・・
ランボーの詩を乱暴な営業方針の親父が口ずさむのである。
やがて車はとある漁師町のスーパーにたどり着く。
情緒豊かな漁師町で細々とながら長く町の民の暮らしを支え続けてきた個人商店を一気に閉店へと導いたと噂されるスーパーの駐車場で虫歯青年と合流。
虫歯青年所有車両の趣味の悪い赤いホイールが一ヶ月以上の念入り過ぎる車検を経てごく普通のホイールに換わった他は、何故一ヶ月もかかったかを示す何物も無く相変わらず凸凹だった。
現場を目指しながら互いの調査結果を情報交換しつつ、あっという間に到着。
現場の空を確認したら先ほどまで広がっていた雲がない!。
悪い予感的中で夕刻とともに気温が下がる。
オラのデジタル温度計と虫歯青年のアナログ温度計を並べてデジタルの方が反応が遅いのに腹が立ったが、いずれもその数値は日没とともに絶望の16℃になっていた。
案の定戦果はミヤマ♀2、ノコ♂1、ミヤマダイコク♂1以上!だった。
山を降りて携帯の電波圏内にたどり着く頃は14℃、さっそくホームグラウンドに入ったはずのN氏に連絡してみるとホームも同じ状況でミヤマ1♀で終了とのこと。
戻りながら虫歯青年におにぎりやパンを入れた袋を差し出す。
『腹減ったべ、食べろ』『いいんですか?』『えがべ(いいよの意)!』。
帰路二人で街灯を周り、ノコを拾いながらLEDの街灯に嘆いた。
青年の車を停めたスーパーの駐車場に着き、別れる。
彼は日中にオラが行った場所を自分も検してみると言い残して去っていった。
さ~ておじさんは帰ろうか?と青年に差し出した袋に残っているはずのハムマヨネーズおにぎりの感触が無い!。
『にゃろ~!全部喰っちまいやがった!』。
右の鼻の穴から汁が・・・。
翌日未明青年からメールが届き、『遭難しかけた』と書かれていた。
彼はいずれアイヌコブスジコガネの餌及び産卵場所として自らの体を献体する運命にあるのだろう・・・。
やはり難関の壁は高い・・・疲れた。
【オオクワ一次発生確認】
6月15日に青森県第一号のオオクワ♂採集の声を聞いたがこれは越冬個体だった。
その後青森では珍しく纏まった数がこの週に採れたのだが♂♀共に新しい活動開始したばかりの個体が得られた。
♂の採集数比率が多い?と言うのは昨年と同じ傾向か?。
20日までで仲間の採集数を集計しただけで♂の数は片手を超えた。
オラ自身はまだアカアシの姿も見てないというのにオオクワを拝むというのもあまり記憶がない。
また、日によっては妙な時間に飛んでいる。
勤め人だったらちょっとやってらんない様な時間に飛んだりしてる・・・やっぱ条件なんだろうな・・・。
オオクワは18℃切っても飛びたがってる奴は短い距離なら飛ぶ!根性が違うねやっぱり・・・。
今現在はミヤマがポツポツ飛んで来る中にノコとコクワが少々混ざる状況ですが一次発生のピークはどこにくるんでしょうか、まだ読めません・・・。
県外は意外にも気象条件が合ってないらしく成績は芳しくないようですがやはり採る人は採ってます。
そんな中ちょっと嫌なニュースも・・・一つは昨年同様マイマイガ等の毒蛾が今年も発生が予測されそうです、あちこちで夥しい幼虫の数が観測されてます。
今ひとつは某激戦区にてズラリとライトトラッパーが並んで集中砲火!しようとしたところ警察から厳重注意を受け、半ば強制終了!の趣だったそうです。
大陸の某国の人だったら『ピャウピャウ!パウパウ!』と文句を付けて続行するのかも知れませんがそこは真面目で大人しい日本人!全員静かに引き取ったと聞きました。
青森も近い将来にそんな事が起こりえるのだろうか?。
だとしたらそんなになる前にあの世に旅立ちたいもんだ。
そんで、時々草場の陰から這い出てきて後世のトラッパー達の肩を後ろからポンポンと叩き『オオクワ採れでらが~?(オオクワ採れてますか)』と尋ねて恐れられたい・・・(ウフフ)。
【発電機の憂鬱】
昨年まではオラのメイン使用発電機はホンダの16iだった。
これで普通のHIDランプは1,000ワットまで点灯できて尚若干の余裕があったのだが昨年から使用し始めた特殊な1,000ワットのランプにはどうやら合わないと分かった。
点灯はできるのだがどうも相当負荷が掛かっているらしくエンジンオイルもやたら減るし、燃費もかなり落ちる。
上越の大魔神に聞いたらそのまま使ってると早々に壊れまっせという返答だった。
大魔神はオラより更に強力な同種の1,500ワットを使っているのだが発電機はホンダのEU26で、通常の使い方だと点灯もできないらしい(裏技使用とのこと)。
EU26もそのまま使用してるといずれ壊れるはずだが、では何故大魔神はEU26を使い続けるのかというと、どうもこれは資本金の差らしい(壊れたら新しいの買えばいいじゃんという・・・)。
その他ホンダEB26でHIDグリーン1,000ワットも点灯できないという話しも聞いた。
始動時及び安定時の消費電力等では何ら問題ないのに何でやねん?。
ホンダ発電機所有者がこぞってメーカーに修理及び問い合わせを入れたがあえなく『原因不明』の一言で轟沈したらしい。
んだば、ワシらは何を使えばよいのか?つ~とヤマハだそうな。
ヤマハ製品なら理由は不明だがこれらの事態は起こらないと言うのだな、相性ってもんですかね。
オラの16iはピストンリングが過剰運転でイカレてる可能性があったのでメンテに出したら業者から見積もりが届いて目が飛び出た!。
その額ガビ~ン!の8万円也!。
福沢諭吉4人ほど足せば新品買えるでねェか!。
業者曰く、オラの発電機はピストンリングまではまだイッてなさそうだけどもしも壊れてたら全部分解せねばならず、8時間コースになるから部品代と合わせるとこのくらい掛かってしまうとの説明だった。
発電機って故障=終了の代物だったのね・・・。
暫くヒエとアワで食いつなぐか・・・。
鼻水が・・・と、止まらねェぞ・・・。
爆弾魔はその日泣きながらヤマハEF2500iの注文書を入れたのだった。
【出ました青森県今年度オオクワ第一号?!】
6/18
画像は送られてきてたものの載せてなかったんですが歯が痛々しいM君に店を急襲され挿入されてしまいました。
挿入するのは好きだけんど、されるのはなあ~と下ネタかましつつ堂々公開。
陰影の関係で顎が極太っぽく見えるのがご愛敬。
WDはやはりええのォ~。

昨夜6月15日今年度の青森県第一号か?というオオクワ♂が採集されました。
採ったのは恐怖の15連発リボルバー男(何が15連発かは想像にお任せします・・・オラは・・・考えたくもねェだ・・・)のK君だす。
オラの記事、水銀灯よさようなら・・・に触発され、機材一式を揃えたばかりで初点灯にて♂を叩き出すと言う・・・う~ん持っておるな・・・。
まさかこのまま15連チャンを決めるのではあるまいの?。
昨夜のメンバーはK君の他にはその親友である寡黙な虫屋のF君と歯が痛々しいM君の三名。
初陣を飾るというのでアルコールの儀式を始めつつ電話をしてみると初々しくもあられもない方向を照射してたみたいでチョチョイと修正・・・天気は曇り、ややガス気味、気温17℃以下か?という状況だったらしい。
九時半くらいまでは頑張りたまえと電話を切り盃を重ねながら足りなくなったツマミに鹿の肉でも焼いて喰うかと解凍してたらまた電話が鳴った。
まさか?もしかして?ひょっとして?携帯を取ったら採れました!の第一声。
完品な越冬個体の中歯♂とのことでした。
これでまた頭が冷えて完治するまで5年は掛かると言われるクワガタ採集病の患者がまた一人感染した訳だ、目出度いのォ~(頭の中がね)同病相憐れむ・・・。