飼育と採集の知恵袋 ~2011年度~
カブクワ飼育と採集について私自身が覚えた事、見つけた方法などの中から役に立つ(事があるかも知れない)ものを紹介してみます。
尚、ここに書かれた方法等はあくまでも<事例>でありますので、
その効果や安全性を保障するものではありません。実践されるに当たっては、 ご自分の自己責任にてお願い致します。

《7月9日西海岸大遠征》
商売用のミヤマ採集と白神山地のオオクワポイント新規開拓を兼ねての遠征である。
ある大恩ある方からエゾ型のミヤマの大型の採集依頼を受けていた。
『青森のミヤマのエゾ型の大きいのを採ってくんない?』。
オラ『それって大きさなんぼのこと言ってます?』。
『そうね、73~75くらいかな』。
オラ『!・・・それ・・・無理っス・・・でも頑張ってみるッス!』。
最終的に67~68㎜で勘弁してもらうことになるのだろうが、それすら青森でそのサイズを採ることの難しさは県内在住者の方なら分かるよね?
ね?。
てなことで朝9時に自宅を出発し、一路いわき山を目指す。
でかいミヤマならいわき山と聞いているが、今まで行ったことが無かったのでまずはポイント開拓の下見だ。
ミヤマの匂いはプンプンするが爆弾場が意外に少ないな・・・。
ヒメの痕跡もチェックしながらなので結構時間を喰った。
次は白神山地のオオクワポイント開拓である。
ここは爆弾場はなんぼでもある!しかし広大過ぎてやっかいだ。
『ここ調べ終えるまでにガソリン代なんぼ使うんだべな・・・』。
更にここは日本モンキッキだらけだった・・・。
遠くから見てる分にはまだいいが、近くで見ると気持ち悪いんである。
『爆弾(ライト)に悪戯とかしねェだろうか?・・・』と。
ここもヒメの痕跡を捜しながらだったので、かなり歩いたが意外に痕跡は少なかった。時間が無くて小さな林道まではチェック出来なかったので、それらのどこかには居るだろうが・・。
夕暮れまでポイント開拓し、いよいよミヤマ場に到着したので準備する。
出だしは芳しくなかったがさすがミヤマ場、程なくして一斉爆撃が始まった!。
発電機の脇にプリカのタワーが築き上げられていく。
最中飛んでいる時に又落ちないで後ろの大木の葉に止まった奴がいたので、8メートル竿の出番だ!。
だが、止まった高さが8メートル竿を目一杯伸ばして更に竿尻を両手で持ってギリギリ届く高さだったから堪らない・・・。
『チョンワッ!チョンワッ!(花の応援団:青田赤道風)』っと竿で枝を叩くがしがみついてて落ちてこない(この荒技はベンチプレス50キロ10回×3セットくらい出来ないとやれないと思う)。
合計100頭超というところで、要らない個体をボンボンリリースして次なるオオクワポイント(じゃないかと思っている新規の場所で再度ライトオンするが午後12時を過ぎていたのでやはりミヤマ数頭で終わった。
さて、ここまで来たら奴にご挨拶しなけりゃならぬ・・・。
便所の明かりが点いたり消えたりの駐車場に赴き、車の中からミヤマを詰め込んだリュックを振りかざしながら『ざま~見ろ!ミヤマいっぱい採ったもんね~!♪』と大声でからかってやった。
午前2時半帰宅、ひととおりの儀式を滞りなく済ませ就寝したのだが、歩き疲れたせいか奴の祟りなのか午前6時半に激しいこむら返りを起こし、のたうち回った・・・。
《7月10日県南遠征》
十和田湖方面にオオクワを採りに行きたいところだが、風が吹くかも知れない・・・グッと我慢をして風に強いミヤマ場の県南ポイントに行くことにした。
取引先に納めるミヤマは今日中に確保したいところ・・・いつもオオクワ優先にして♂ミヤマの確保に難儀してたから・・・。
前日同様に出だしが悪かったがミヤマ、ノコ、アカアシ、コクワで全部で70頭程?その他先日ここでダイコクコガネを採ったのだがミヤマダイコクが4頭飛来した。
要らない個体をポイ捨てしても取引先に納める分もこれで大体確保した、帰路お楽しみの街灯つまみ拾いをしながら帰宅。
戦利品の仕分けをしていたら午前3時を過ぎていた、大慌てでアルコールの儀式に挑みそれからチュウの部屋へ・・・。
疲労からうかつにも又居眠りをしてしまったら、顔に何か鼻息のような感触を感じ、目覚めたら目の前にチュウが物欲しそうな顔をして座っていた。
どうもまたオラの髪の毛を食すチャンスを伺っていたらしい・・・危ねェ、危ねェ・・・。
翌朝連日の採集で体がだるいものの、軽くなっている気がして体重計に乗ってみたら先週より3キロ減っていた。
ろくに飯も食わずダイエットを口にしながらお菓子だけは食べるバカ娘達よ、クワガタ採りを覚えなさい!。
【オオクワ第2号とミヤマシャワー!】H.24.7.9
昨夜はさしたるオーラは出てなかったものの曇りだったので十和田湖に向かいました。
条件はさして良いわけでもないと思いながら山を上がったら車のヘッドライトに飛んでくる雑虫の数が今期最多だったので、おや?っと考えが変わりました。
今夜入ろうと思っているポイントに向かう前に、大師匠からの注文品を受け取りに十和田湖畔でライトを炊いている予定のN氏の所へ向かいます。
現場に到着したらN氏とその奥様、そしてお仲間の3人で既に始めていましたが、ぼつぼつミヤマが飛び始めた頃でした。
提供者のN氏から依頼品を受け取り、暫し採集談義をしていたら時間が経過・・・慌ててN氏にお礼を言いつつ自分の現場に向かいます。
時計を見たらもう8時40分!走りながら、少しでも早く始めた方がいいという考えから本日入る予定だった場所の一つ手前のポイントに入ることにしましたが、これが結果としていい判断だったようです。
1基目のライトを点けて5秒もしないで何か落ちました・・・ミヤマ♀です。
モンスターボックスにこれを納め、2基目のライトを点灯したその瞬間1基目の前に何か落ちてます。
オオクワ♂中歯型、1次発生のピカピカ新成虫でした!。
口では『飛んでくるところを見れなかったべや』と言いつつ心の中ではピャウピャウ!パウパウ!でした。
これで片目が開いた・・・これで今年は恥をかかんで済む・・・余裕を持ってシーズンに突入できる・・・心の保険、精神安定剤である。
この夜、オラの所では始めたのが遅かったせいもあるのかその他の成果はたいした物が無かったがN氏の方ではミヤマシャワーで凄いことになっていたらしい。
その他ミヤマの♂が飛来したと思ったら高く舞い上がり、後ろの栃の木に突っ込んで行った。揺れた葉っぱを見定め、車から8メートル竿を取り出し見事この日一番の大型ミヤマを叩き落とすという技ありの1本を決めた後何の飛来もなくなったので終了した。
当初入る予定だったポイントをチェックし終えて戻る途中でN氏と再会、再び当夜の成果や情報交換をする。
先にN氏と合流した際には今夜は五所川原のY氏も来てるはずだから、この状況なら3人の内誰かには来るだろう・・・と言っていたのだがその通りだった。
N氏夫妻と別れた後、何か状況が変わってないかの確認の為恒例の焼山巡回視察を終えてから帰途についた。
ここからはお楽しみは恒例の儀式である。
コンビニで滅多に飲まないビールを購入、これをあっという間に飲み干してから愛酒『大一番』を大ジョッキに入れて飲みながら、この日の成果を1匹1匹眺め回す・・・至福の一時・・・。
たっぷりと飲んだらチュウとのお遊びであるが、疲れのせいかうたた寝をしてしまったら、何か頭の上がモゾモゾしている感覚で目覚めたらチュウがオラの髪の毛を食べていた!。
油断も隙もねェ!。
【出ましたオオクワ第1号!】
5日に十和田湖にて本年度第1号と思われるオオクワが採集されました。
採集者は昨年最多採集の五所川原市のY氏です、さすがです。
ミヤマは段々数が増えてきた他標高の高い場所でも見え始めまして、型もサイズアップし、♀も出始めました。
コクワは行けば毎回拾える感じですが、ノコの数がちょっと少ないかな?と思えます。例年だと7月20日前後からドバッ!と出てくるアカアシの姿が今週から見えてます。
昨夜はオラも採集に行きましたが帰りに青森市内のコンビニで新成虫、ピカピカのアカアシ♂を拾いました(この〇ーソ〇は侮れんで)。
いよいよ突入ですな、興奮しておしっこ漏らしそう・・・。
【プー(熊)さんとガソリンⅡ】
昨夜Y君に電話したので、あの話し本当だったね、でも熊は夜寝ているから大丈夫でしょと言ったらY君から『ヒグマは夜行性ですよ』ときた。
アララそうだった、思い出した。
オラ北海道に6年住んでいたのに忘れておった。
夜中に人家の戸が破られて一家が全滅させられたり登山でテントを張って寝ていた学生グループが襲われて全滅したりの悲惨な話しを思い出した。昼もうろつき、夜もうろつくとは困った奴じゃのう・・・。
それでも発電機の騒音よりガソリンの甘い誘惑に負けて敢えて近づいてくるとはやはり思えないんだけど・・・。
まあ、ヒグマは確かにヤバイけど、採集家〇塚氏をみなはれ、イスラム過激派ゲリラに比べればヒグマなど猫みたいなもんだろ。
それでも襲ってきたらこれは自然の摂理に基づいた対等の勝負である!。
むやみな殺生はいけないが襲われたなら勝負せないかん。
体にガソリンまぶしたところで、チャッカマンでカチカチ山にの丸焼きにするしかないべさ!。
【採集前線2】H.24.7.4
7月1日に行った場所に昨夜入ってみた。
60UPの中型ミヤマが複数飛んで来た。
確実にサイズアップしてきているし、数も日毎に増加しているので、あと一週間~10日でミヤマとノコは最盛期入りというところだろうか。
お客様情報で、アカアシ♂発生確認とのこと。
材に入っていた連中はほぼ例年通りに出てきており、土中棲息者組が遅れているのですね。
予想通り今年は一斉に出てくる印象の発生になるのでしょうね。
このところ、毎日コクワ採集の情報が入るのでオオクワも間違い無く活動しているでしょう。
7月10日までには誰か手にしているでしょうが、節電宣言以降あちこちの灯火が消されているので熾烈な争いが予想されるところ・・・。
トラブルが無ければいいんですが・・・張り付き採集はあきまへんで!先に入った人はせいぜい10分で譲りましょうね、後から来た人は先の人が離れるまでは待機しましょうね、割り込み採集はケンカの元、ケンカするなら相手を見てから・・・はケンカの基本!そしてケンカしたならそのままにせず必ず手打ちまで持っていくのが大人のケンカですぜ(筋の人の世界でもそうなってますな)。
昨シーズンオラの指導通り15ラウンドをフルに戦い抜いて敗れ去ったT氏、今期こそってんで既に4ラウンド消化し、ボディーブローを喰らっている様子ですが、頑張って欲しいものです。
諦めない奴が最強!。
それまでは、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び・・・。
【速報・採集前線】H.24.7.3
先週はウチの採集好きなお客さんはほぼ全滅状態だったらしい。
ある人は連夜出かけて、ジャブからフックの連打を喰らい、テンカウントのゴングの鐘の音を聞いたとのこと・・・。
7月1日状況は良くなかったがオラも出かけてみた。
出発時気温22.5℃、北の風がかなり強かったので出撃を諦めた人も多かったのでは?。
山を登ると強風になり、ガスが掛かって前が見えなくなる。走りながら入るポイントを決めなければならない。
あそこしかない!・・・あそこならこの風を遮断する地形のはずで、しかも標高が低いからガスもあまりかからないはず・・・と。
現地に着いたら読み通り風は殆ど感じず、ガスも時折出てくるくらいで気温も下がってなかった。
これなら勝負できる!とライトオン!。
上空の雲はやはり早く、正面の山の稜線の木はかなり揺れている・・・風は納まってないことを示していたので稜線の上から引っ張るのは諦め、山の中腹~谷底の上を集中爆撃することにした。
今日はある実験をすることにしていた。
昨年大枚はたいて購入した1キロ爆弾(ライトトラップ)はババモスラ(オラの母)の介護等でろくに採集に行けず未使用だったので今夜がデビュー戦だったのだ。
これに今期購入した新兵器の軽量爆弾2基の合計3基でやってみるのだが、実験とはその3基の並べ方である。
期待としては1キロで引っ張り、軽量爆弾で近くに落とせれば合格!となる。
今回選定したポイントも伐採地であるが山の復元途中であり、草木が再生しつつあるため離れた所に落ちられたら捜すのが難儀だからだ。
何か飛んで来た・・・コミヤマ君だ(ウルトラちっちぇ~!)。
その後もポツポツ飛来は有ったが全てコミヤマ君♂のみで、計5頭だったが全部軽量爆弾の半径3メートル以内に落ちてくれたので最終成果は乏しいものの別な成果はあった。
帰る途中、ウサギ1匹、マミ1匹、キツネ1匹、を轢き殺しそうになった・・・道路の上で遊ぶでない! 可哀相にテンの幼獣が1匹轢き殺されていた・・・。
帰宅後アルコールの儀式に厳かに臨み、その後チュウ(オラのペット)と遊んでいる内にケンカになり、チュウの両手パンチと噛みつき攻撃にスッペで応酬してから寝た。
7月2日八甲田山系は出が遅れており、県南地方と比較対象のため新郷村に行った。
南部はこの豪雪の影響は少ないはずだから、八甲田山系よりは個体の発生数も多いはず、加えて国産普通種を買い求めるお客さんも増えてきたのである程度揃えておかなければならない。
昨夜の採集品は皆小さかったのでどうせならと一番小さいのを1頭だけ持ち帰ったのみだったので今夜は・・・と期待する。
今夜のセットは1キロ爆弾×1基、400ワット爆弾×2基、軽量爆弾×2基!とオールスターズである。
これだけ多いと、どうセットするのがベストなのかよく分からないが、これも勉強、色々試してみることにした。
1キロのランプの色は白、400は2基とも緑、軽量は2基とも青であり、自分なりにどれに一番落ちるか、どこに落ちるか予想をたててみたが、ことごとく外れた。
採集を始めて30分経過しても蛾しか来なかったので落胆しかけていたが、8時40分頃に最初の飛来があった、コミヤマ君♂である。
その後途切れ途切れにコミヤマ君♂の飛来があった後しばらく何もこなかったが、9時40分を過ぎてからその日の成果分が一気に来た。
結果はミヤマ♂11頭、ノコギリ1♂1♀、そして初採集のダイコクコガネ♂1頭である。ダイコクはミヤマダイコクしか採ったことがなかったのでちょっと嬉しかった。
さて、気になる落ち方であるが落ちた場所は全てライトの前で、どのライトにどれだけ落ちたかと言うと、1キロ前に4頭、400前に8頭、軽量の前に1頭という結果になった。
これは400が一番採れるという単純な話しではない。
1キロに引き寄せられ、400前で落ちたと考えるのが自然だろう。
となるとこの数の爆弾を並べたときに軽量をどの位置に置くかというのが次の課題だが、もうフォーメーションは出来ているので次回試す。
数こそ物足りないが、やはり県南の方が発生数も多いことも確認できた。
帰宅してまた厳かにアルコールの儀式に挑んだが途中でビンが空になり、発狂寸前になる!。戸棚の奥に昨年漬け込んだコクワ酒の4ℓビンを見つけたので狂喜し、儀式継続・・・神に祈りを捧げる充分な量のアルコールを頂戴した。
寝る前にまたチュウの部屋に行き、最初は仲良く遊んでいたのだが昨夜のケンカを思い出したのか両者だんだん目付きが悪くなり再び戦闘開始!・・・の寸前で、チュウ制御棒(全長40センチの角材)でチュウをケージに戻して蓋をした。
チュウはまだ遊びたかったのに閉じ込められた!ってんでケージの中で大暴れしたが無視して眠りについた・・・。
【猫にマタタビ、プーさん(熊)にガソリンの真実】H.24.6.29
昨夜の十和田湖方面は随分と採集者で賑わっていたそうで・・・オラは自宅でアルコールの儀式に挑んでおりました、だって昨夜は何も飛ばなかったでしょ?。
でもね、飛ぼうが飛ぶまいがオラは行くんだ!と言う人は結局手にしますよ間違い無く・・・。
さて、本日の議題、八戸市在住の採集家Y氏は北海道にも虫の採集に行っているのだが、彼は『熊が怖いから北海道ではうかつにライトトラップ出来ませんよ』と言った。
熊はガソリンが大好きで臭いに惹かれてやってくると言うのだ。
そんなバナナ!ってんで早速調べてみたら、これがどうも本当らしかった。
熊が好きなのはガソリンだけでなく灯油もペンキも揮発性溶剤なら何でも好きで、匂いを嗅いで体にこすりつけたそうだ。
猫にマタタビを与えたような状態になったそうだが、獣が薬物でラリパッパ?許せねェ!。
プーさんは基本的には昼行性で夜は寝ているはずだし(何か無い限り・・・)発電機のダダダダ!っという騒音にそう近寄って来るとは思えんのだが・・・。
オラは青森県内屈指のプーさん密生地帯でばかり爆弾(ライトトラップ)を掛けまくっているがこれまで一度も奴が来たことはない。
だが?もしもオラの爆弾に奴が現れてオラの採集の邪魔をしやがったら?・・・。
健康で文化的な不良少年を目指していたオラとしては絶対に許さない!。体にガソリンまぶしたところで火をを付けて焼き肉にしてやる!。
今度からチャッカマンを持っていこう♪。
【何か変だど~?】H.24.6.28
今年も何か異変が起きているようであ~る。
この時期川にとっくに遡上していなければならない魚の姿が全く見えない河川が結構あるらしいのだ。
この魚が駄目な年はクワガタも駄目だそうで、不吉な前兆なのか?せっかく月齢もいい年なのに?・・・。
店に虫歯青年がタイペストシールを買いにきたのだが、一昨日コクワ♀をホームグラウンドで樹液採集したとのことだった。
何んだと?先にコクワかよ?。
あらら、今宵はどうすんべ?ゆうべマミの大群を覗いてきたばかりでヒジョーに眠いんだが・・・と思案にくれていた所に師匠登場!『山に行きなさ~い♪』と甘く危険な香りでつぶやいた。
事は決まった、体育会系鉄の掟『上の者の指示は絶対』の法則により登山と相成った。
店を20分早く閉めてポイントに向かうが、上向きにした車のライトに集まる蛾などの雑虫が昨日より多い。
現場に到着して3分で灯火セット準備完了!軽量灯火セットは仕事が早いぜセニョール!。
半分まで肥えてきた月がお邪魔だったがライトオ~ン!。
アレレ?蛾も来ないぞ?・・・・・。
お月様が『甘~い♪』と耳元で囁いた気がした・・・。
何の~!と持てるライトテクニックを駆使してたら、ん?何か来たゾ!。
コクワ♂じゃ~ん♪・・・・ん?コクワ?。
ミヤマは?ノコは?どこ行った?順番が違うど~!。
その後は何の追加もできず、又気温が下がり始めたので午後9時半に街灯廻りに切り替えることにした、3分で撤収!ここでもう一度復唱、軽量灯火セットは撤収も早いぜセニョリータ!。
街灯を見て廻るが前夜より何かしらの甲虫の姿はあったものの本命見当たらず。
あっちへフラフラ、こっちへフラフラしてたらあるポイントで、でかい蜘蛛が2匹・・・と思ったら右の蜘蛛に牙がある・・・と思ったらコミヤマ君(小ミヤマ♂)でした。
シーズンは中~大型ミヤマから始まるんじゃないの?何で今の時期お前のような極小が出てくる訳?。
ここで推測・・・今年の八甲田山系はまだあちこちに残雪が残っている。
土中棲息者のミヤマ・ノコは土中温度が上がらないのでまだ出てこれず、樹中棲息者のコクワが先に出てきて順番が狂ってるのではないだろうか?。
だがね、諸君!コクワが出てるってことはアレですよ、奴も出てるってことですよ。
帰宅してコミヤマ君とコクワ君をプリカに納めて眺めながら恒例の胃袋にアルコールを流し込む儀式を慣行していたら頭に一句浮かんだ。
目に青葉、山ホトトギス、初ミヤマ・・・。
諸君!今年の採集初期は場所の選定と雲が重要ですぜ!ここを誤るとマミや歩く高級襟巻き達(テン・キツネ)見物で終わりますよ。
【今宵の十和田湖はマミだらけ】H.24.6.27
多分間違い無く青森が日本で一番カブクワの発生が遅い・・・。
北海道は?と思われるだろうが、ミヤマそろそろ出ないかな?と思っている頃彼方ではとっくにフィーバーしている。
カブトは昼と夜の寒暖が激しくなると蛹化のスイッチが入るようで青森市であれば雲谷という所が一番早く、他のポイントより例年5日ほど早く出てくる。
桜の開花も似たような性質があるようで、山桜の開花が早い場所がカブトの発生が早い場所ということになるんだろう。
ならばクワガタも同様なのか?十和田湖と青森市内、これが当てはまるなら十和田湖の方が早くなるはず。
そこで、昨日まずは日中に青森市梨の木という場所のご神木に行ってみた。
スジクワガタの♂が2頭居たので採集したがノコもミヤマも居なかった。
次に夕刻から十和田湖に向かい、車の入れない林道にリュックに軽量ライトセットを詰め込んでトコトコ歩いて行った。
ライトをONしたがまたもや蛾・蛾・蛾・蛾~ん!でオオミズアオが顔に化粧してくれる。
昨年から狙っていた新ポイントだが、やたら獣が多いらしくあちこちから妙な鳴き声やガサモソという藪をかき分けるような音が始終こだまして落ち着かない。そのうちに気温がどんどん下がり、薄着ではサブイボが出るくらいになったのでライトを諦めて街灯廻りに切り替えることにした。
十和田湖の殆どのポイントを廻ってみたが甲虫はおろか死体ひとつも無い。
ミヤマ発見の情報は入っていたがまだまだのようなので今回の答えは出なかった。
その代わり?どこに行ってもウヨウヨ居たのがマミだ(真美ちゃんじゃないよ~ん、穴熊だお~ん)。まるでゲルマン人の大移動か?というくらい道路の端をうろついていた。
何の成果も無しに午前1時半帰宅し、日課であるアルコールを胃袋に流し込む作業を黙々とこなしていたら夜が明けてきた。
朝日に照らされた自宅の庭を見ていたら無性に『草むしり』がしたくなり、狂ったように草をむしりまくったら午前6時半だった・・・その後ライトセットの手入れをしてから寝たので今日は非常に眠いんである。
以上だお~ん。
【対馬のオオクワ】
以前から大師匠に対馬産オオクワを譲っていただく約束をしていたのだが、昨日ついにそのオオクワが届いた。
対馬のオオクワはなかなか大型化しないと聞いていたが、一目で分かる特徴がある。
これは佐渡島産も同様で、『島物』の特徴であるのかもしれない。
ただ、その特徴が佐渡島産は累代しても残るのに対し対馬産は累代するとやや薄れていく傾向があるみたいだ。
大師匠にはお願いして、大きさよりもその『特徴が残っている』ものの中から形の良いものを選別して欲しいと頼んだら手持ちの中の極上品を譲って下さいました。
偽物も流通している産地ですが、間違いの無い大師匠ラベルで大満足でした。
大きくなく、太くなくですがここのオオクワには『ワシじゃ!』という自己主張がある!。
♀も華奢なんだが、青森の華奢な♀と比べても明らかな形状の違いがあり、パッと見た目だけでも雰囲気が違う。
青森に眠るオオクワ達の中からこんなオオクワを見つけ出し、残してから旅立って逝きたいものだ・・・。
【ミヤマ発生確認】
23日(土)お客様情報で、十和田湖方面にてミヤマ♂発生確認とのこと。 う~ん、大体の予想通りでありますね。
ってことは来週末くらいにはノコ♂も出てきますな。
忙しくなるぞ~。
【今期採集第一ラウンド】H.24.6.21
一昨日、台風が来ると言うのに空気がヌラ~っとしていたので新兵器のライトを持って山に行ってしまいました。
街灯廻りの下見は既に何回か行ってましたが、爆弾(ライト)を炊くのは初です。明るい内に新産地の下調べをした後でライトオン!。
夜の9時過ぎには荒れてくる予報なので爆弾は9時半まで、その後街灯廻りで終了と作戦を決めていた。
新兵器の威力は・・・来るよ!来る!来る!夥しい数の蛾が!。
が、蛾ばかりで甲虫は1匹も飛んでこない・・・。
数日前大師匠から電話があり、南会津でオオクワの第一号が採れたと聞いたし、埼玉ではノコが既に佳境に入ったとのことだったが八甲田山系は未だ残雪が残っておりだいぶ遅れている感じだ。
何よりいかんのが、ヤマセが取れないことで気温が上がらない。
霧雨が小雨に変わり9時半が近くなったのでライトを撤収して街灯廻りに切り替えた。 が、しかしどこにも何も居ない・・・。
何カ所目かで、やっとコガネムシを見つけた。
ミヤマダイコクコガネも目撃されているので来週にはミヤマとノコの♂が出てくるだろう。
子ノ口に行ってみたら一番オオクワが落ちる自販機が無くなっていた!。
これが無くなったら今度は多分ここに落ちるだろうな・・・と予想を付けたが、多産地だった子ノ口も今後採集数は落ちるであろう。
焼山に向かう途中で雨風が激しくなり、風で折れた周囲の枝が車の屋根に飛んでぶつかってきて危ないったらなかった。
しかしこんな荒れた日でも焼山名物の蛾採り爺さんはカッパを着ていつも通り左手にビニール袋を握りしめ、せっせと蛾を集めていた。う~ん、この爺さんは一本筋が入っている!。
第一ラウンドはいきなりのボディーブローを食らったが、スタミナ充分、これからだぜィ。
【青森県オオクワ飼育ギネス訂正】
前記事で当店のお客様が78㎜UPの♂を羽化させ、記録更新!と書きましたが私の聞き間違いで、これは愛知産の個体でしたのでお詫びして訂正致します。
この方の焼山産オオクワは76.9㎜だったそうです。
青森県産としては過去77㎜台はいくつか出ているような話も聞いておりますが大分古い話であり、現在は確認できないので今回の76.9㎜をたたき台にして更なる更新を図りたいものです。
良い種親が集まりつつある昨今、青森県産オオクワの夜明けはこれからでありましょう。
【青森県産マグソクワガタの発生時期】
特大のクワガタを採って喜ぶ人もおれば極小のクワガタを採って感慨に浸る人もいる。
青森県のクワガタ全種を採集して標本コレクションしたい!と考えて実行したら、まず間違い無くあなたの前に立ちはだかるのがマグソクワガタだ。
発生時期に発生場所に行きさえすれば奴らは呆れるほどの大群で(あたり一面マグソだらけ)居るんだが、第1の壁は発生場所である。
これは砂地の河原がある日当たりの良い場所と陰になる場所が混在しており、発生木になる材が砂地に埋まっているような場所がポイントになるようだ。
渓流釣りを趣味にしている人ならこんな場所はいくつか知っているだろう。
第2の壁は発生時期で、これは当地の場合5月25日~6月10日前後までのようである。
僅か2週間ほどなので欲しいならこの期間に通うしかない。
第3の壁、小さいが♂を採るのはごく簡単で幼稚園児でも採れるんだが、問題は♀である。数が少ない上にやっと採ったと思ったらゴミムシダマシだったりする(ヒジョーに良く似ているが触角が違う)。
♂は膝くらいの低い位置を飛んでいたり地面の上を徘徊しているが♀は地面の上でじっとしていたりし、昼過ぎくらいに♂と交尾したものが河原の上を飛び始める。
しかし♀は飛ぶのが早い上に高い所を飛んだり不規則に飛んだりするから採りずらいんである。
♀の数が一番増えるのが6月5日前後のようなので、発生場所を見つけたらこの頃行ってみるといい。
何しろ小さいので最初は虻が飛んでるようにしか見えないが意外に採集してみると採るのが面白い虫であります。
青森県のマグソで面白いのが♀の体色変化が割に多いということで、通常色の黒の他飴色と言うか赤茶けたような♀が10匹採れば1匹混ざるという塩梅だ。
大型の色変わり♀となれば採集意欲もかき立てられること請け合いであります。
【ルマウィノコギリクワガタ飼育について】
フィリピン等の海外採集で著名な〇塚氏が帰国する都度電話で話をするのだが、お互いに話し出すと止まらないのでいつも長電話になる・・・大変に忙しい人なのにいつもすみません!(この人の忙しいというのは本当で、一体いつ寝てるんだろう?というくらい真夜中だろうが明け方だろうが日中だろうがいつも起きている!)。
氏にフィリピンやネシア系の産地や個体について質問すると即答で返事が返るので長らく疑問だったことがすぐに判明する。
オークションによく出てくる〇〇〇〇ーという山は本当にあるのか?と聞いたら、
『その山は標高700メートルほどの山で実存しますが、かなり上の方までゴム園ですし、ここには採り子が居ませんで、どうも道路工事の人夫が工事の明かりに飛んで来た虫を持ち帰って集積所に持ってきてるものと思われるから、正確には〇〇〇〇ー山近郊産と言うのが正しいと思います』とか、
ヒラタで過去WDの個体が片手以下?くらいしか入ってないはずなのに昨年CBF1だという個体が〇〇ー〇〇オオヒラタとして市場に出ており、???だったので聞いてみたら
『あ~それは、〇〇ー〇〇という村は実在しますが、その辺には山が全くないんです、同じ内歯上がりで〇〇〇〇〇産と特徴がほぼ一致しますから、恐らくそこのものを産地偽装したものでしょう』といった塩梅だ。
前置きが長くなったがルマウィだ。
このノコはマイナーながら根強いファンが居り、飼育している人の大半はこれの大歯型を飼育で出したくて夢を追い続けているものと推察するが、まだ誰も為し得ていない・・・。だが、短歯でもまるでドルクスか?と思わせるような独特の歯型が楽しめるのでなかなか味のあるノコだと思う。
この大歯型♂を氏がライトで採集したそうだが、驚いたのはその標高だ。 ボルネオならモンタネルスが棲息するか?という高所で飛翔してきたという事実である。
このノコは低所にも棲息するようだが、どうも大歯型は高所から得られるのではないかという可能性が高くなった。
短歯型ながらこのノコの大型個体を出した飼育者は最低温度を16~18℃くらいで管理しているようで、ここまでやっても大歯型にならないので低温飼育以外の要素で決まるのか?と考えておられるようだ。
確かにそれもあるのかも知れないが、これまで〇塚氏から聞いた現地の標高とその気温から推測すると、この♂を採集した場所は日中の陽の当たる場所で20~25℃くらい?森の中で18~22℃くらいか?夜は15℃を切っている日はざらだろうと思われるのです。
ですから、寒暖の差をつけるのも有りかも知れませんが、最低温度は13~15℃くらいを試さないと低温飼育以外の何か、と結論できないかも知れません。
確かなのはこの虫の成虫は15℃程度でも飛べる!と言うことで、氏から聞いたらとにかく良く飛ぶ虫だということで、驚きました。
オラが飼育した時はそんな印象は無かったのですがWDと飼育品の違いなのでしょうかね?。 現地で採集している人に現地情報を聞けるのは大きい。
氏には機会があればエラフスホソアカを材割りで出してみてその状況を教えて欲しいと頼んでいる。
これら情報提供のお礼にこちらはライトトラップの製品や技術情報を提供させてもらっている昨今であります。
【オオクワ成虫の餌】
大師匠のブログにペアリング中♀に♂が捕食された記事と画像が載っていた。
オラんとこでは♀が♂に首チョンパされたことは多々あるけど(特に台湾オオは酷い!何故かアチラは人も虫も血の気が多い気が・・・)♂の足を噛み切られても捕食まで至ったことはない。
♀に♂の足を噛み切られた時はいつも一週間以上ペアリングを放置した時だ。
この辺を語るに当たり、昨年気が付いたことがある。
♀の成虫に与える餌としてパーフェクトフードと言える物・・・KBファームのプロゼリー、バナナ、甲虫等の成虫や蛹又は幼虫といったところだ。
オラはカブト蛹も与えたことはあるが、何か気が引けるので家庭菜園から出たコガネムシ類(害虫)の幼虫や材割りで得たカミキリムシ類の幼虫などを与えているんだが、どうもこれを与えると凶暴性が増すように思えるのだ・・・。
これらを捕食することによって栄養満点になり興奮するのか、それとも野生の血が目覚めるのか(天然のオオクワ♀は自然界下においては他の虫の成虫や幼虫をかなりの割合で捕食していると思われる)これを食した後はまず動きから違ってくる。
で、昨年はカミキリの幼虫をオオクワ♀1頭当たりに3匹ほど与えてからペアリングしたんだが、♂を入れていたケースの中に♀を入れたら♂に向かって行って攻撃を仕掛けた♀がいたのである!。
更に他のペアでもその時は何もなさそうだったのに2~3日したら足を噛み切られた♂が2頭ほど出てしまった。
で、先週にこの追試験をしてみようと74㎜の♂にコガネムシ幼虫を与えた45㎜の♀を同居させたところ♀の存在に気が付いた♂が♀に寄って行ったら、♀が♂に突進していって足に噛みついたんで、慌てて♀にエタノールの霧吹きをシュッ!と吹きかけて離させた。
やはりこれを与えると攻撃性が増す可能性は高くなると思われた。
よってこれらの餌を与えるならば、ペアリング後、産卵セットに入れる前に与えるのがベストかと思います。
余談ですが、どこかで天然♀の足が切れているものの内何割かはヨトウガの幼虫(肉食性)に噛み切られているのではないか?という記事を目にしましたが、私見ながらそれはほぼあり得ないと思います。
【腰の次は痙攣だあ~!】H24.5.9
月~火曜日オオクワの生体調査で、山へ。
報告できる成果は・・・・な~んにも無い!。
人工癌を作るためひたすらウサギの耳にコールタールを毎日塗り続けた山際先生のように、ひたすら歩き、穴を見つけたらファイバースコープを差し込んで覗いてみるだけの行軍。
ルリクワでも採るか?という誘惑を振り切り(オラは一旦脇道に逸れると暴走する癖がある)、穴や裂け目などを覗き込むのである。
しかし、東北のブナ帯におけるオオクワの越冬数というものは大師匠が考える数値よりも低いかも知れないと思わせる状態である。
火曜の午後になり、夕飯のおかずに・・・とついに脇道に逸れ、タラの芽採りに夢中になりビニール袋ふたつ採って帰ったら真夜中に両足が痙攣した・・・。
ルリクワを採りたい人は急ぎなはれ、あと一週間ほどで全部出てしまうと思われます。
【ライトトラップ新システム導入】
オオクワ生態調査を始めたばかりと言うのに、家廻りの残雪(約1.5メートル)を片付けるために『ウガァ~!』とスコップでほじくり返していたら三日で2.5キロ痩せた代わりに腰が『ペキッ!』っとな・・・。
本日ギブアップして10年振りに整骨院に行きました・・・。
数メートルの雪を利用してのオオクワ生態調査期間が終わればすぐに今度は灯火採集と樹液採集へとシーズンインです!。
手付かずの林道すら無い原生林の中をライトで採集するには軽量かつ光束の狭いものが必要!とかねてから指を咥えて見ていた灯火セットを注文しちゃいました・・・。
このセット安くはないので(と言うことは高い!と言うことだ!)今晩から山菜が出てくるまでの間は朝昼晩の食事のおかずは『納豆のみ』でありんす・・・。
『欲しがりません!勝つまでは!』。
オラの背中(*津軽ではヘナカと発音する)に張り付いた地縛霊すらも寄せ付けない史上最強の貧乏神が高笑いしておるて・・・。
【青森のオオクワ生態調査開始!】
謎だらけの青森のオオクワ調査をする!・・・と書いておきながらご近所のご不幸事、親戚の不幸事、別な親戚のお家騒動など事件が連発して行けなかったのだ。
山の状態も良し、出かけることにした。
先日準備の足りない虫歯青年が八甲田山に出かけた際5~7メートルの雪の回廊に行く手を阻まれて、壁をよじ登るだけで時間を浪費したとのことだったが、オラはそんな抜かりは無い!。
スコップでホイホイと足場を作って約5メートルの壁を登る。
さてここで雄大な青森の春山の風景を皆さんに・・・・デジカメは、デジカメは?・・・忘れた・・・。 抜かりはあった・・・。
『ポイントA』
ここは地図上ではまだ青森市、立ち枯れの根部近くからコクワの幼虫が出ていたので、手の届かない上から伸びていた枯れ枝とその又上部の枯れた部分が怪しいと踏んでいたのだ。
さて、現場に到着すると件の立ち枯れが立っている場所の積雪は約3メートル、横に伸びている枝が足下にあったが、その枝は折れて雪の下になっていた。
折れた断面や上部を調べるが♀の産卵痕も脱出痕も無かった・・・。
落ちた枝が一番状態が良さそうだったが雪の下になっているから溶けてからでないとチェックできない、移動することにした。
『ポイントB』
ここは立ち枯れが非常に多いところだ。
オオクワの発見例が無いがそれはライトを掛ける場所がない為で居ないはずはない!っという場所である。
雪が深い・・・およそ5~6メートルはあろうか・・・。
昨年手に入れたスノーシューが物を言う! それまで使っていたホームセンター1,980円では歩くのに難儀していただろう。
これが生えていれば絶対にオオクワは入らない!というある種のキノコが生えている立ち枯れはスルーして、産卵痕と脱出痕の付いた立ち枯れを探すと共に、ウロや裂け目には片っ端からファイバースコープを突っ込んで中を覗いてみたがたいした成果はなかった。
『ポイントC』
ここにも目を付けていた立ち枯れがある。
以前に熊の親子の足跡を見た場所だが、車から降りたら何かのウンチがモリモリしていた。
見たら、キミ(*トウモロコシ)を食べていたようで、一瞬ドキッ!としたが、そばにティッシュも落ちていたので安心した(ティッシュで尻を拭く熊公はいないということで・・・)。
ところが、ここで気が付いたんだが、このウンチをした場所は道路から丸見えになる雪の上だった・・・。
ウンチをしている所を目撃されるかも知れない快感を味わいたい人=変態・・・の図式が見えてくる。
ここは温泉が湧き出している所があり、地熱もあるせいか雪は浅い。 温泉が湧き出しているところをのぞき込んだら積雪は約2メートルだった。 ここの立ち枯れ等にはウロの空いた木が非常に多いのだが、深くて中に水が浸入せず、中にマット状になった朽ち木の堆積物が詰まっているようなウロはまず無かった。試しに深めのウロを削ってみたが中は凍っていた。
目を付けていた立ち枯れは、何本かある枝の中にカワラで朽ちていた枝があったので一応少しだけ削ってみたが、朽ち方が悪くやはり何も入ってないようだった。
このカワラは裏が針状になったカワラではなく、この材は全くの外れと断定した。
『ポイントD』
ここは今十和田湖系ではオオクワの棲息密度が最も濃いと思われる場所で、車を停めた地点から半径300メートル以内に発生木が絶対にある!と思っていた場所である。
徒歩でその半径300メートル内をくまなく探したが、いい状態の立ち枯れは無く、終わった材と手の届かない高所にある部分枯れがあるだけだった。
どうやら道路を隔てた急斜面の上が爆心地かと思われたが、今は危なすぎて登れる状態ではなく、雪解け後要再調査の場所となった。
『ポイントE』
今回調査で最も標高の高い場所で約700メートルある。
崖の斜面に怪しい立ち枯れを見つけたが、バンジージャンプもできそうな場所だったので諦めた。
その他のポイントを含めて二日間で約15㎞ほど踏破しただろうか・・・のぞき込んだ穴の数約3~4百個?。
まだまだこれからよ、穴の数が1万個に達したら何か見えるかも知れない。
【謎の産地】
ネットオークションを鑑賞していたら、〇〇と×××という二つの産地名がついた出品を産地名マニア(又の名を歩くクワガタ産地図鑑)と呼ばれている青年が発見し、尋ねてきた。
丁度、『採集家T-TOP氏』が帰国しており、氏の採集したカリマンタンゼブラの検証の為にこちらからも南カリマンタン産のラベルで手に入れていたゼブラ生体と西カリマンタン産でだいぶ以前に手に入れていたマニアの標本画像などを送ったりして連日やりとりをしていたので早速聞いてみた。
『あ~アレは〇〇と×××という所は結構離れてるんですけど、どちらにも現地の採り子が居て、集積地でそれがごちゃ混ぜになってどっちのか分からなくなるんですよ、だからそれは〇〇産か×××産のどちらかだよって言う意味ですね、多分間違い無くヘヘヘ!』・・・と即回答が返ってきた。
ついでなんで、バ〇〇ワーと言う山を知っているか聞いてみた。
この山は現地地図を目を皿のようにして見たけど見当たらないし、ググっても出てこない・・・。
仲間内で多分地図にも載らないような小さな山なんだろうと想像していたのだが、長らく存在するのかどうか謎の山だった。
で、氏に聞いてみたら『その山はありますけど標高700メートルくらいの低い山で殆どゴムの木が植林されたゴム園の山ですよ』とのこと。
更に『あそこは採り子が居ないんで、なんで虫が入ってくるかと言うと、道路工事なんかで明かりを点けるとモーレンカブトなんかがうじゃうじゃ飛んでくるらしくて、そこの人夫が小遣い稼ぎにに持って帰って集積地に運んできているのかも知れません』とのこと。
さすがは採集家である、疑問があっという間に解けた。
【お客様からの羽化報告】
本日当店のお客様で青森市在住のT氏から嬉しい羽化報告を頂いた。
まずアスタコイデスノコ(pallidipennis亜種)で69㎜UP(マット飼育)!ギネスまであと1㎜でんがな。
次いで青森県産オオクワの県内産ギネスも突破!焼山産のこれまでの知られている記録が師匠が採集したあの伝説のWDオオクワ『鬼神』からの子で78㎜かつかつでありましたが、T氏の今回羽化個体は78.9㎜とのことで、まだ幼虫している大型もいるとのことです。
さて、こうなると気になるのが同じく当店のお客様で県南地方在住のJ朗氏のその後です。
T氏もJ朗氏もクワガタ飼育歴はどちらもここ2~3年の方ですが、T氏はかつて熱帯魚の世界で県内指折りのトップブリーダーだった経験が生きているのでしょうか、そしてJ朗氏はレベルの高い方と交流を持ち、奥様の鋭い攻撃を躱しながら虫専用の飼育部屋を作り上げて温度管理等々余念のない飼育をされておられます。
徐々にではありますが、青森の昆虫飼育事情も面白いことになってきてますね。
お客様からこのような嬉しい羽化報告が聞けるのはショップをやっている醍醐味でもあります。 面白い個体、驚く個体が出ましたら何卒当店にも一報を・・・。
【虫の輸送・ファーブル実験室・・・最終追試】
今回の実験シリーズは意外にも反響があったようで・・・。
日本各地から色々な意見や情報等頂きました、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
さて、北海道のお客様からカイロを2個重ねて、新聞紙でくるんだり、カイロが入っていた袋にふたつ詰め込めばセーブが掛かるので持続時間が増す上に燃焼温度(保持温度)が増すようだとの意見を賜りました。
オラも以前にカイロふたつを重ねて新聞紙でグルグル巻きにしたのを受け取ったことがあったのだが、忘れてました。
カイロを取り出したらその袋の残る二つの角を三角に切り落とし、再度その袋に詰めるというのは古くから観賞魚業界でやっているというのは前に書きましたが、そこにふたつ詰めるのは聞いたことがなかったので早速に昨夜試験しました結果を報告致します。
後、前回記事の箱NO4~5のカイロの設定説明に転記ミスがありましたので訂正しております。
使用カイロは全てマイコール製、貼る12時間タイプ、箱は全てダイソー60サイズ、穴の空け方も径も全部同じで、蓋に一つ、底に一つ、横下に一つです。
カイロの重ね方ですが、貼るタイプなのでシール面を内側にして重ねて貼り付けました。計測時間は数が少なかったので3分で行いました。
箱NO6
カイロを新聞紙1枚で巻き、両端は通気用に塞がないで入れたもの。
新聞紙を3~4枚にすると熱が伝わりにくくなるのとセーブが強く掛かると予想したのでこうしてみた。
➀午後21時 外気温3.2度時 15.9度。
②午後23時 外気温2.9度時 14.4度。
③午前9時 外気温1.3度時 11.2度。
箱NO7
カイロを袋から取り出した面だけで残る角は切り落とさずそのままひとつの袋に2個重ねて入れたもの。
以下計測時と外気温はNO6と同じ。
➀6.9度 (話にならなかったので、ここで袋から出して裸のままで底に置き直し、5分後に再測定したら8.6度まで上がった。以後このままで計測。
②15.6度。
③11.7度。
箱NO8
カイロを取り出した面と残る角ふたつを三角にカットしてひとつの袋に重ねたカイロを入れたもの。
➀7.5度。
②6.1度。
③4.8度。
どうでしょうか?NO8は論外ですよね?。
NO6~7も最大出力時に外気温プラス12度くらいしか上げてませんから、外気温がー5度くらいなら間違い無く箱内部は10度を切りますし、ー15度だったら・・・分かりますよね。
しか~し、先のお客様情報によれば、冬の北海道でこの感じの仕様でずっとやってて問題は起きてないと言うじゃありませんか。
どうもその秘密は、北海道では冬の輸送は殆どが郵パックを使う所にありそうです。
つまり事務所内保管が功を奏しているとしか思えません。
想像するに、この仕様での輸送の実態はこうなっているのでは?と考えました(冬の北海道内での輸送)。
輸送中に冷えて仮死状態→事務所内に運び込まれて蘇生復活→再度出発するも、ここからは短時間なので平気~軽い仮死状態で無事到着!(皆さんどう思います?)。
・・・と、ここで新たな疑問、郵便局の荷物保管スペースの管理温度はいったい何度なんじゃ?とムッシュ・メラ・メラ・メラと燃えてきましたので、早速青森〇山郵便局を急襲して目だけがキュートな担当のお姉ちゃんを質問攻めにしてきました(迷彩服を着た怪しいヒゲオヤジがしつこく質問するので途中でガタイのいい男性職員に取って代わられましたが・・・)。
で、その答えですが全ての荷物は建物内保管する規則になっておりますが、保管場所の温度が何度であるかは分かりません。
各事務所内の保管場所の温度は何度にするという決まりがありませんので、全部バラバラです。
殆どの事務所では夜間は暖房を切っているはずです。
う~むなるほど!そうかそうか。
どうも郵パック安全神話の源はその建物の構造にある!とオラは見た!。
ぶ厚いコンクリートの建物が保管場所の温度低下を柔らげているに違いない。
民営化以降、朝8時くらいには出勤、暖房ON!夜は7時~8時くらいまでは人がいる。
これなら事務所内の物も暖まっているし、何より暖まったコンクリートはなかなか冷めにくいから明け方くらいで10度くらいあっても不思議じゃない。
当たらずとも遠からずこんなところだと思いますが・・・。
◆総纏め◆
・極寒地への厳冬期の輸送は郵パックが最も安心(しかし極寒地であるから輸送中、猛吹雪で渋滞延着なども考えられるから梱包は手を抜かない!)。 ・次に安心なのは宅急便のクールで冷蔵便を使うと常にプラス4度に保たれるので安心(但し経費が割高になる)。
・冬季輸送のポイントはカイロの使い方と通気の2点で決まる!。
あ~疲れた、やっと終わった・・・。
今のオラの心境を歌で表現して終わりたい。 皆さん『雪~の降~る街を~♪』のメロディーで次のフレーズを口ずさんでみて下さいまし。
『パ~ンツのゴム切れた~♪』 =END=
【虫の輸送・ファーブル実験室・・・追試】
今回は冬の輸送と言うよりも早春の輸送だ。
温暖地と寒冷地の温度差が激しくなった場合にどういう梱包でかわすか?とカイロの安定燃焼を促すには?と最後に前回書いた業者T氏の梱包の検証である。
今回は荷物に疑似輸送で『旅をさせて』みることにした。
どういうことかと言うと発送から途中と着地に至る各地の大まかな気温を調べ、輸送ルートに従った気温に設定した場所に荷物を置き移動しながら検温していくというものであり、なるべく実際の輸送に近ずけてみようというものだ。
それにしてもT氏は発送日に15度前後あったので温度が上がり過ぎるんじゃないかと心配になってカイロの数を予定より減らしたとのことだったが、一体T氏はその日の何時に発送したのだろう?聞き漏らした。
日中の最高温度が15度くらいなら夕方発送すればまずもって10度前後には落ちているから何の心配もないはずなんだが・・・多忙な方だから昼過ぎには出してしまったのかも知れない。
◆実験条件他◆
NO1の箱~NO3の箱はT氏在住地から青森までの輸送を想定した(翌日14時~16時着)。
NO4~NO5の箱は大阪から青森までの輸送を想定(翌々日午前中~着)。
移動させる先の室温等はヤマトドライバーから聞いた条件から、T氏在住地(まあ東京に近い関東)からの場合翌日の朝に青森市のヤマト流通センターに到着保管し、昼前後に営業店に到着、14時~配達開始とのことで、大阪からの場合は夜21時前後大阪のセンターを出て約12時間後の荷物は東京近辺に有り、翌々日の早朝には青森のセンター、朝8~9時には営業店着というところから算出した。
今回使用のカイロは2種類で、桐灰製24時間タイプ13×9.5センチ最高温度65度、平均温度51度で、もうひとつはペット輸送用のアクアパックという商品名のペット輸送用(元々は観賞魚輸送用に開発の商品)48時間タイプ13×9.5センチ最高温度65度、平均温度50度を試してみた。
想定した各地の気温は前回記事に書いたので参考にしてください。
◆実験開始◆3月17日午前11時スタート。
箱NO1
T氏が送ってきた発泡箱やや大きめの60サイズ箱をそのまま使用。
カイロは桐灰を1個(T氏も全く同じカイロを使用していた)を袋状にした新聞紙の中に入れて箱の横にガムテープで貼り付けという全く同じに再現。
空気穴は約3ミリ径の穴を蓋に2個、箱の横上に4個空いていた。
➀午後12時 外気温15.8度時に19.1度。
②午後19時半(T氏は昼頃に荷物を出したと思われたのでこの時間では荷物はまだ発送地にあると考えた)外気温14.0時に17.4度(この計測後夜になり気温も下がり、午後21時には発送地を離れたと想定して実際の箱もより低温の部屋に移動させた)。
③午後23時(福島県辺りを移動中と想定)外気温6.0度時に10.3度。
④3月18日 午前5時外気温5.6度時9.7度(ここまでずっと外気温プラス4度前後しか上げられず、カイロにセーブを掛けている上に酸欠を起こしていることの証明に一旦蓋を開けて、中に蓋であおいで風を送り、5分後に再度2分間計測したら10.6度に上がったので、間違い無く酸欠気味と言える)。この後東北の夜を更に北上と想定して箱は車庫に移動。
⑤午前7時 外気温2.9度時に6.9度(箱は青森のセンターにあるはず)。
⑥午前11時 外気温3.9度時に7.2度(箱はボチボチ営業店に着いている)。
外気温平均8.0度で平均保持温度は11.7度だった。
この箱は最終測定⑥回目にはカイロ寿命の24時間が経過したがセーブと酸欠のためまだまだダラダラと発熱している状態。
全ての計測時において外気温プラス4度前後しか加温できなかったので、送られて来た当日の北東北が外気温マイナスであったことを考慮すると実際の箱の中は少なくとも5度以下、恐らくは3度内外だったと断定する。
前回この箱で外気温15度時なら熱死するような温度までは上がらない!と予測して書いたがその通りだったと思う。
箱NO2
上記の箱に基本的には同じ、箱はダイソーの60サイズでNO1より少し小さい。
使用カイロはNO1に同じく桐灰の24時間タイプを1個で、底に貼り付けてカイロの酸素供給用にカイロ裏に6ミリ径の穴をふたつ空けた。
カイロの安定燃焼の為に箱内部の底面より少し小さく切ったダンボールに足として3センチ角のスポンジを四隅に両面テープで取り付けてカイロの上に置いた。
他の空気穴は横面の上に6ミリ径をひとつ、反対側の横面下(つまりこれもカイロへの酸素供給用)にひとつ空けた。
今回NO1~2の箱の中に緩衝材等は一切入れなかったが入れても安定燃焼するための工夫であり、以降NO3~5の箱も同様に配置している。
➀午後12時 外気温15.8度時22.6度。
②午後19時半 外気温14.0時19.0度(ここで箱移動)。
③午後23時 外気温6.0度時12.2度(ここから何故か酸欠気味の気配が漂っている)。
④3月18日 午前5時 外気温5.6度時10.5度(ここでNO1同様に一旦蓋をあけて空気を送り込んで再計測したら11.9度に上がったのでやはり酸欠気味だ)ここで箱再度移動。
⑤午前7時 外気温2.9度時7.1度。
⑥午前11時 外気温3.9度時7.1度。
平均保持温度は13.0度となった。
この箱はNO1との比較用でNO1よりはマシだが、やはり駄目だ。
カイロは途中までそこそこ燃焼してくれたが何故途中から酸欠気味になったのか?。
カイロ1個ということで熱量が足りず、吸気と排気の対流が起きにくくなったのが原因では?と考えたがどうだろうか・・・。
NO3
カイロは桐灰24タイプ×2個、アクアパック1個の計3個使用。
蓋の裏に桐灰1個、底に桐灰とアクアを1個ずつ貼り付け。
空気穴は蓋裏カイロに1個、底の桐灰に穴2個、アクアに1個の穴。
他に空気穴として蓋に穴1個、箱横下と反対側の横上に各1個ずつ空け、底カイロの上にはダンボールを切ったものをNO2同様置いた。
➀午後12時 外気温15.8度時25.5度。
②午後19時半 外気温14.0度時27.0度(ここで箱移動)。
③午後23時 外気温6.0度時21.2度。
④3月18日 午前5時 外気温5.6度時19.9度(ここで箱再度移動)。
⑤午前7時 外気温2.9度時16.2度。
⑥午前11時 外気温3.9度時13.5度。
この箱はまあ大体いいな!っという感じ。
真冬だったらこのまま送ればいいし、今の時期なら最初の10~12時間が上がり気味なので底のカイロ1個にセーブ掛けてもいいかな?というところですね。
この箱は関東初青森行きの想定ですけど、真冬でも長時間タイプのカイロで揃えれば大阪発で北海道の道南まではまず大丈夫でしょう(低温に弱い種ならどうか知らないが比較的強い種なら札幌まで行けるんじゃないだろうか?)。
次の箱NO4~5は面白いで!。
少なくともオラもやったことないし、受け取ったことも無いんだけど温暖地の気温が上がっちゃって、しかし送り先の東北方面は夜零下前後の気温!という想定でオラが脳味噌足ランチュラの頭を絞って考えたものだ。
箱の中にPETボトルを凍らせたものと、カイロを入れて発送時には温度を抑えて、寒冷地に入った辺りでPETボトルの氷が溶けて温度が上がり出す!というものだ。
想定は大阪発で青森着です。
NO4
使用カイロはアクア48時間タイプ×1と桐灰24時間タイプ×1を底面に貼り付け。
カイロへの空気穴は全部1個ずつ、他に蓋に1個、箱横上に1個と反対側の横上に1個で径は全部6ミリ。
使用したPETボトルは270ミリリットルで中身は真水(を48時間-17度で凍らせたもの)。
中の氷がどれくらい溶けたか確認するため新聞紙で外周を覆ったが全部は覆わず、蓋を持ってスッポリと抜き出せるようにしたので溶けるのはやや早いと思われる。
➀午後12時 外気温21度時17.1度。
②午後19時半 外気温19度時 16.8度(この時点で目測氷は60%ほど溶けたと見えた)。 ここで箱移動。
③午後23時外気温9.0度時12.8度(この時点で氷は約10%ほど残っていた、つまり外気温高めで見積もっても今回条件なら約12時間は保つということだ)荷物はこの時東京近辺にあると思われる。
④3月18日 午前5時 外気温8度時17.6度(う~ん!いい感じ!)箱再度移動、箱は東北に入っている。
⑤午前7時 外気温2.9度時 16.7度、箱はセンターに有り。
⑥午前11時 外気温 3.9度 17.8度 箱は営業所に有る。
え~?何スかコレ?。
使う必要あるかどうかは別にしてほぼドンピシャ!じゃないスか?。
手間を省く関係で大阪の宅急便屋に午前11時に持ち込んだ設定なんだけど、夕方持ち込みすれば気温は下がっているから氷はもっと保つ・・・ということは少し下がり過ぎるかも知れないから容量200ミリリットルで全部新聞紙で覆えば完璧?。
更に長時間タイプカイロ2個使うと平均保持温度氷でセーブして尚且つ16.4度ですよ!。
これなら長時間タイプのカイロ3個なら氷無しで厳冬期に大阪から札幌までOKしょッ!。
箱NO5
NO4の箱と全く同じでPETボトルの中身を海水と同程度濃度の塩水にしただけ。
ここからは面倒だから箱内部温度だけ書くね(箱の移動はNO4と同じです)。
➀13.8度。
②16.5度(氷約半分溶けた)。
③15.2度(氷は全部溶けていた)。
④18.9度。
⑤18.8度。
⑥18.7度。
最初に冷やす能力はやはり真水より海水ですね。
完全に溶けるのがちょっと早いかもしれない(下からのカイロの熱を多く受けたかも?)。
大阪発時25度あってもこれなら3月中旬だったら旭川まで行けるんでねェかや?。
平均保持温度16.9度。
今晩試す箱がまだあるんでそれで最後になります。
【虫の輸送・ファーブル実験室⑩・・・追試決定!】
保育園児にして神童と呼ばれ、小学生にして早くも平民と化し、高校生からは追試人生まっしぐらなオラである・・・。
大事なことを忘れていたのだ。
前回までの実験は北国に住む者の視点でしか捉えてない部分が多かったと気が付いた。
つい先日の事、業者さんから虫を送ってもらった。
打ち合わせた際はカイロを2個入れるということだったが、届いたら1個しか入っておらず当然ながら仮死状態で届いたのだ。
寒さに極端に弱い種じゃないし翌日14時~16時着で届く距離なのでまあ大丈夫とは思っていたが、仮死状態で届いた旨を先方に伝えたら『エ~ッ!』と驚いていた。
その方は発送時に気温が15度近くあったので逆に温度が上がりすぎて死んじゃうんじゃないか?と懸念してわざとカイロを1個減らしたらしい。
因みにこの時の箱内容はこうだ、60サイズの発泡箱に径5㎜以下の空気穴を横に一つ、蓋に一つ、桐灰製の12×9センチの多分厚さから言って20時間タイプのカイロをひとつ、カイロは四折りの袋状にした新聞紙に包んで箱の横にガムテープで貼り付けという仕様だった。
前回までのこの記事を熟読している方はこの箱に何が起きたか想像できるでしょう。
この箱の問題点、それは第一に酸素の供給量の不足とカイロの数が不足している上にそのカイロにセーブを掛けてしまっている点です。
更に言えば虫を入れているPP容器の中のマットが少なく、そのマットはタップリと加湿している点です。これだと熱くなり過ぎても寒くなり過ぎても虫に負担が掛かると思われます。
この箱が酸素不足だった証拠として例の通り箱を開けた瞬間に手を入れたら冷やっとしており、カイロに触ってみたら冷たく感じました、つまりカイロはセーブが効いていて、オラの体温以下であり、恐らくそれは多分30度以下の発熱であったと思われます。
更にそのカイロを箱から外して(新聞紙の袋には入ったまま)外に出してから約5分後に再び触ってみたら急激に発熱し出して、推定40度前後に達していました。
これらのことから考察するに第一の原因は箱の空気穴の空け方、第二にカイロにセーブを掛けたこととその配置と言えると思います。
私は密かに自信を持っていますが、この箱の場合は例え発送時の外気温が18度を超えていても中の虫が高温で蒸れて死ぬことはまず無い!と思います。
ただ、これからの3月中旬~4月初旬までは温暖地からの発送時の外気温が20度くらいまで上がることはままあるでしょう。
そうなると先の方のような心配も当然出てくる訳で、送る虫によっては難しくなりますね・・・。ひとつだけ言えるのはこの箱の仕様だと概ね外気温プラス何度になるかというのを把握することは大事だと思います。
今回の場合であれば第3回目実験の箱NO1の箱であればせいぜい外気温プラス8~10度にしかなりませんから、適正だと思うんです。
よって追試としてはこの方の箱が実際は内部温度がどうだったか?と、それを適正な仕様にすればどうなるか?それから、中に入れる緩衝材の量と詰め方でこれらの内部温度がかなり変わることからこれを安定させる工夫、そして南と北での外気温の差が激しい春の輸送で、大阪から青森まで送れるか(発送時で外気温20度超、東北に入って平均の外気温が10度を下回るか?という条件)・・・これをクリアできれば大阪から札幌まで安全に送ることも見えてくると思われる。
ここで、発送時に箱内部の温度を抑えて数時間後から徐々に温度を上げて行く梱包が可能か?を検証してみる。
◆実験の前提条件◆
3月17日~24日の天気予報を調べました。
実験はこの平均気温を想定して行ってみます。
札幌市 最高温度平均4.0度(最高気温10度)最低気温平均-3.0度(最低気温-7.0度)→最低平均は-4.0度と見ておいたほうがいいでしょう。
青森市 最高温度平均5.7度(最高気温9.0度)最低気温平均0.3度(最低気温-4.0度)→最低平均は-2.0度と見ておいたほうがいいでしょう。
〇×市 (先の方の関東住所地) 最高気温平均11.8度、最低気温平均3.2度。
東京都 大阪から青森に発送した場合10~12時間後荷物はどこにあるかを想像した場合に多分この辺にあるだろうと勝手に予測、中間地点ではどんな外気温か?を考慮に入れる為に把握しておく必要があるかと・・・。
最高気温平均13.0度(最高気温17度)最低気温平均6.6度。 大阪市 最高気温平均13.5度(最高気温18.0度)最低気温平均6.0度(最低気温4.0度)。
【虫の輸送・ファーブル実験室⑨最終回】
最強の梱包とは?を目指してみたが結論から言えばまだまだ工夫の余地はありそうだ。が、ここまででもカイロ代とか金を相当使ってしまったし、ある程度の傾向はつかめたので冬編は今回を最後にします。
夏の梱包については又別に実験してみたいこともあるので、その時期に実施して発表いたします。
今回自分の実験結果を基に梱包はこうでなければならないと言うつもりは毛頭ありませんが、こんな梱包をしたら、こんな条件下では箱の中はこうなってますぜ、と言う部分で皆さんの参考になれば幸いです。
今回から使用したカイロを変更しています。
カイロ大と記入したものは13×9.5センチのもので、貼らない20時間タイプに変更、カイロ小と記入したものはミニ貼る10時間タイプを使いました。
発泡箱は全て同じダイソーの60サイズを使用しました。
今回寒気が来る予報でそこを狙ったのですが見事に予報は外れ暖気がきてました・・・。
箱に空けた穴は比較対象の為になるべく正確に空けたかったので、電動ドリルに錐を付けて空けました。
穴小と記したものはドリルビットの径が6㎜のものを、穴大と記したものは10㎜の径のものを使用しています。
箱の底には新聞紙を4枚折りにしたものを敷いており、カイロを底に配置した場合は全てカイロは新聞紙の下に置きました。
計測日時は3/4日午後21時スタート、以下3/5午前0時、午前6時、午後12時、午後18時、午後21時、3/6午前9時の計6回計測しました。 以降計測温度の次に記入した( )内の数字はその際の外気温を示しています。
箱NO.1
カイロ大3個使用、2個を底に貼り付け、1個を蓋裏に貼り付け、カイロへの酸素供給用にカイロの裏にそれぞれ穴小を1個ずつ空けた。
空気穴は二つの穴小を箱の横に片方は底近くの部分に、もう一つは蓋近くに空けた(少しでも空気を対流させる為)。
➀6.5度(-1.2)
②8.7度(-0.9)
③10.6度(0.9)
④10.1度(1.3)
⑤11.5度(1.5)
⑥10.9度(2.5)
平均保持温度9.7度。
今回計測中で最も成果が低かった箱となったが、数字を見て分かる通り、カイロに対する酸素供給量が不足しているからだと思われます。全て20時間タイプのカイロ使用にも関わらず20時間後である3/6午前5時をとっくに過ぎた⑥計測時でもまだダラダラと燃焼していることから明らかであると思います。
箱NO.2
カイロ大3個使用、基本的にNO1の箱と全く同じ、底に配置した2個のカイロへの酸素供給穴をそれぞれ2個空けただけである(蓋裏のカイロは1個だけ)。これだけの違いでどう変わるか?って~と。
➀14.6度(-1.2)
②15.1度(-0.9)
③12.7度(0.9)
④12.8度(1.3)
⑤11.7度(1.5)
⑥9.0度(2.5)
平均保持温度12.6度。
これも酸素はやや不足気味ながらNO1に比べると明らかに保持温度が上がる。
しかしNO1の方が余力があるので最後の6回目ではNO1に逆転されてしまうという結果になった。
このNO2の箱は外気温ー2度~5度前後の所での輸送には使えそうだが、この程度の保持温度ならカイロを2個にして酸素供給量を増やした方が経済的だろう。
箱NO3
これも箱NO1の箱に基本的に同じだが、底のカイロ2個の内酸素供給用の穴小を片方だけ1個に減らし、空気穴を蓋に穴小1個だけ空けたもの(*横穴無し)。
箱内部の空気の対流は必ず増すだろうが暖められた空気が外に逃げる部分を6㎜径の穴でどうだ?と検証した箱。
➀19.2度(-1.2)
②19.3度(-0.9)
③17.2度(0.9)
④14.4度(1.3)
⑤10.5度(1.5)
⑥7.2度(2.5)
平均保持温度14.6度。
カイロがほぼその性能通り20時間くらいで完全燃焼したと思える数字になっており、なかなかいい感じではありますが、最後5~6回目計測時の温度が気に入らない・・・。
箱NO4
カイロは小2個大2個の計4個使用、配置は小2個を箱の横に1個ずつ貼り付け酸素供給用の穴は各穴小1個ずつ、大2個は底に配置、酸素供給用の穴はどちらも2個ずつ、空気穴は蓋に穴小を1個、箱の横下部に穴小1個を空けた。
➀17.9度(-1.2)
②15.7度(-0.9)
③13.8度(0.9)
④11.2度(1.3)
⑤9.0度(1.5)
⑥5.8度(2.5)
平均保持温度12.2度。
これはやはり小さいカイロを使用したせいでしょうが最後に尻切れトンボになっていきます。
カイロ小の方が10時間タイプですからこれが切れる翌日午前7時以降には底2個のカイロ大では支えきれない!というところでしょうか。
このNO4の変形として箱NO5~6も用意しましたがカイロ小使用では空気穴やカイロへの酸素供給穴をどうやっても大差ありませんでしたのでNO5~6は割愛します。
因みに箱NO6だけ空気穴を穴大にして箱の横に二つ上部と下部に一個ずつ空けたのですが、やはり最初に高く燃焼して最後はNO4よりも更に尻切れトンボになるだけでした。
箱NO7
箱NO1と全く同じで空気穴だけ、蓋に1個と箱の横上部と下部に1個ずつ穴小を2個空けたものです。
➀20.6度(-1.2)
②19.9度(-0.9)
③18.0度(0.9)
④15.6度(1.3)
⑤12.5度(1.5)
⑥7.7度(2.5)
平均保持温度15.7度。
大体いい感じです!これならー5度くらいの所には距離に合わせてカイロの保温時間タイプを選べば大丈夫じゃないかと思えます。
ここで逆に心配になるのは発送地が外気温20度を超えていて送り先が-5度くらいの場合に最初に箱内部温度が高温にならないか?ということです。
この場合は箱底のカイロ1個を新聞紙1枚くらいで包んで燃焼を抑えてやれば長時間トロトロ燃焼に変えてやれば大丈夫なんじゃないかと思います。
因みに20時間タイプのカイロしか手に入らないのに約30時間輸送に時間が掛かる場合はカイロを4個にして、内2個をセーブしてやれば行けるかも知れません。
箱NO8
今回の地獄の実験!。
箱の仕様はNO4と基本的に同じで、蓋の空気穴無しでプリカを1個中に入れ、箱内部とプリカ内部の温度を測ったものですが、このプリカには新聞紙1枚でくるんだカイロ小を1個巻いてますので、カイロの数は小3個大2個です。
この箱をー17度に調整した冷凍庫の中に入れて通用するかどうか試してみました名付けて『旭川仕様!』。
が、ここで誤算が・・・実験開始したら箱内部の方が温度が高く計測された為後で蓋を開けたら温度計の針が丁度プリカに貼ったカイロに触れておりました・・・。
よってプリカ内部温度のみ発表します。
実験開始
➀3/4午後21時40分開始時(冷凍庫に入れる直前)25.5度
②午後22時15.5度、3/5午前零時13.2度
③午前1時12.6度
④午前6時5.0度(もうアカン!)因みにカイロ小は箱の横に貼り付けたのが午前8時までは40度以上発熱し、プリカに貼り付けたのはセーブしてるから午後12時くらいまでは発熱しているはずなんだが・・・。
⑤午前10時4.9度(ここでカイロ小は力尽きているが底のカイロ大2個はまだ生きている)。
⑥午後13時0.4度
⑦午後18時-7.3度!(オオクワでも凍ってまうがな)この⑦の時間までカイロ大2個は生きているはずなんだがコレだもんね~。
結論、カイロ増やしたりで送れないこともないかも知れないがやめておいた方がいい!。こんなんで送れば虫を活け締めして冷凍標本で送ります~♪・・・となりかねない。
だから安全にこのような日本じゃないような所に送るのなら箱NO7の仕様で冷蔵便で送るのが確実だと思います。
◆実験のまとめ◆
これまでをまとめると寒冷地に送る場合は60サイズでカイロは最低2個、できれば3個が理想か?。
カイロに対する酸素供給用の穴は空けた方が良い(この場合貼るタイプの貼る面に空気穴が当たるように配置するとあまり意味が無くなり事故の基になるように思います)。
空気穴が重要で内部の空気に対流と言うか循環というかを起こすようにしなければカイロの性能が落ちます。
空気穴は6㎜径程度が適していて、これを箱に2~3個空ける、そして下から吸気して上から排気するようにする。
ここで重要なのが緩衝材として入れる丸めた新聞紙等は入れすぎると酸素の不足と対流を阻害することになりかねないということです。
以上ファーブル実験室より報告でした・・・お疲れ様です!。
時間はともかくお金が掛かったんで鼻水出ました・・・。
【第3回目実験予告】
梱包について一家言持っている方のブログを見つけて、拝見勉強させて頂いた。
やはり拘りを持っている方は知識も豊富で、根底には自分の飼育した虫を落札してくれたからには意地でも無事完璧に届ける!という信念が感じられた。
今回オラは自分でも費用と時間を浪費してかなりバカなことをやっているなあ~とは思ったが実際にここまでやった人の記録は見たことないので検証記録としては意義のあるものと自分に言い聞かせ3回目を行ってみる。
週末にまた朝晩の気温が下がるのでそこで決行します。
今回目指すのは極寒地にも送れる最強の梱包であります。
空気穴の径やその位置と数にも拘ってみます。
【虫の輸送・ファーブル実験室その⑧】
◆実験2回目◆
一回目の箱ひとつの計測時間は3分だったが、寒くて腹を壊したのでより低温計測の2回目は箱一つの計測時間は2分とした。
よって実際よりも多少低い温度で検出していることになる。
二回目の実験を終えてから、ハタと気付いたのだが計測に用いたクッキング用温度計4種類5個が同じ性能か確認してなかったので自分の体温を計ってみたら誤差があった。
オラは子供の頃から今に至るまで平熱が高い(いつも37度近くある)所謂『子供の体温』なのだが次の程度の誤差があった。
➀泪型温度計 体温35.2度(一番高性能で反応も早い)→箱内部の計測に使用。
②丸型温度計 体温35.0度(反応は早い)→プリカ2種の内部測定に使用。
③四角温度計 体温34.0度(反応は少し遅い)→ブロー容器の内部測定に使用。
④台形温度計 体温34.0度(反応は結構遅い)→PET容器の内部測定に使用。
よって容器内部計測の値には2~3度プラスして、箱内部温度は全部➀で計測しているのでそれぞれの値に1.5度~2度程プラスして構わないかと思う。
二回目の実験場所は自宅車庫(もちろん無暖房)、2月21日午後1時スタート、開始時の車庫内部気温0.4度、2月22日午前8時終了時までに計4回計測、終了時の気温0.7度、平均気温はー1.9度(暖気が来ていた為暖かかった)。
比較検討する為に各地の気温予報を2月20~26日まで平均温度を調べていたのでこれも書いておく。
『大阪市』平均最高温度10.3度、平均最低温度4.4度 平均温度7.3度。
『仙台市』平均最高温度5.8度、平均最低温度1.4度、平均温度3.6度。
『宇都宮市』平均最高温度9.4度、平均最低温度0.7度、平均温度5.0度。
『福島市』平均最高温度6.4度、平均最低温度-1.0度、平均温度2,7度。
以上であるから一回目の実験は宇都宮市の外気温の中で実験していたのとほぼ同じと言える。
今回は前回使用した③、④、⑧をより低温状況下に置いたらどう変わるか?と新たに4つの異なる箱を用意して実験した。
箱NO.③
発泡箱単体、カイロ1個を底面配置以下前回に同じ、最高温度21日午後4時外気温-0.4度の際に3.4度、最低温度は22日午前3時、外気温-0.9度時に1.7度、累計積算温度12.5度、平均保持温度3.1度。
箱NO.④
発泡箱単体 カイロ2個を底面配置以下前回に同じ、最高温度は21日午後4時外気温-0.4度の際に5.0度、最低温度は22日午前3時、外気温-0.9度時に2.5度、累計積算温度15.8度、平均保持温度3.9度。
箱NO.⑧
二重梱包 カイロ2個を底面配置以下前回に同じ、最高温度は21日午後16時の外気温-0.4度の際の8.7度、最低温度は21日午前3時外気温-1.7度時に6.8度、累計積算温度31.4度、平均保持温度7.8度だった。
箱NO.⑩
発泡箱単体 カイロ2個を底面配置、カイロ1個を蓋裏に貼り付け合計3個使用、カイロの上に空気の流通量を抑えて最大出力を出させない為にプチプチシートを2枚折りにしたものを敷いて、更にその上に新聞紙を12枚折りにしたものを置いてみた。最高温度は終了時である22日の午前8時外気温0.7度の時で、最低温度は22日午前3時、外気温-1.7度時に2.4度(多分ここで蓋裏に貼り付けたカイロが力尽きたと思われる)、累計積算温度17.6度、平均保持温度4.4度
この⑩の箱は最高温度こそ足りないものの全般に渡って非常に安定しており、終了時以降もまだまだ頑張れそうだった。
箱NO.⑪
かつてオラに送ってよこされたことがある地獄の梱包(笑)。
発泡箱単体、カイロ2個底面配置、空気穴全く無し!(測定用の穴はその都度ガムテープで塞いだ)、最高温度はスタート時から1回目計測の21日午後4時に3.2度、最低温度は21日午前3時外気温-1.7度時に1.1度、累計積算温度10.7度、平均保持温度2.6度。
このデータが発泡スチロールはごく僅かながら空気を通している裏付けなのかも知れない。又③はこの⑪とさほど変わらないので昨日書いた注意コメントで空気の流通量を増して最大出力を出させたとしてもやはり厳冬期の輸送には熱量が足りないことが分かると思う。
箱NO.⑫
虫を入れる容器内部温度を計測のため73.5サイズの発泡箱単体で使用。
それぞれの容器を同一条件で加温するために四つの容器の底面にカイロ四つを置いた。

A・・・プリカ430cc
B・・・プリカ430cc(カップ二重&間にティッシュ詰め)
C・・・ブロー450cc
D・・・クリアPET550cc
カイロの上に新聞紙4枚折り、更にその上にプチプチシートを2枚折りにしたものを敷いてその上に容器を置いて、容器間の隙間には新聞紙を丸めたものを詰めた。

測定方法は各容器の真ん中にクッキング温度計の測定針が刺さるギリギリの穴を空けて、発泡箱の外側から差し込み、蓋を開けることなく同時に電源ONして計測した。
『A』 9.0度 5.0度 6.0度 9.0度 平均7.2度。
『B』 9.0度 7.0度 4.0度 9.0度 平均7.2度。
『C』 9.2度 5.7度 4.9度 6.6度 平均6.6度。
『D』 9.0度 5.7度 4.1度 7.3度 平均6.5度。
※プリカ2種を測定したクッキング温度計はコンマ以下の測定ができない機種だった。
各容器には乾燥マットを7分目まで詰めており、マットの中の温度を計測したことになる。
結論から言えば意外にもどれもたいして変わらない・・・。
プリカが上にきたのは熱が伝わり安く空気穴がマチ針で空けた小さいものだったから抜けが少なかっただけかもしれない。
飼育上では容器の厚さが物を言うのは常識だが、2日程度の輸送上の保温に関してはどれも大差が無いと言えるのでは?。
ただ、計測器自体に誤差があったのでそれが確かなら先に書いた誤差分を足すと僅かにPETとブローがプリカを上回ることにはなる。
箱NO.⑬
これは⑩箱の変形版、⑩で蓋の裏に貼り付けていた1個のカイロを横中段に貼り付けてみただけで後は⑩と全く同じなんだが、計測している箱の高さの真ん中辺りの温度が変わるか?と言う物。
最高温度は21日午後1時外気温0.4度時に12.1度、最低温度は21日午前3時外気温-1.7度時に7.5度、累計積算温度39.3度、平均保持温度9.8度。
⑩同様非常に安定していた。
箱NO.⑭
以前に送られて来たことがある地獄の箱を思い出して途中から追加したもの。
スタートは21日午後4時。
発泡箱単体、カイロ2個を底面配置、カイロの上に新聞紙6枚折りにしたものを置き、プリカ430CCに乾燥マットを7分目まで詰め、高さの半分の位置に計測用の穴を空け、プリカ自体の横に更に6枚折りした新聞紙にくるんだカイロ1個を貼り付けた!。
そして箱内部とプリカ内部の温度を調べた。
測定時には他の温度計が使用中だったので泪型の一番性能の良い温度計でまず蓋を開けずに箱内部を測定、次に蓋を開けて容器内を測定することを3回繰り返した。
『箱内部』 外気温-0.9時に22.2度!-1.7度時に9.2度、0.7度に9.8度、平均保持温度は13.9度。
『プリカ内部』外気温は前述通り、26.6度!11.5度、18.5度!平均保持温度18.9度!。
これでは温暖地を出発する際に高温が心配になってくるんだが、プリカに貼り付けたカイロをミニサイズにして更に出力を抑えてやれば極寒地に送る際使えるか?(加減が難しそう・・・)。
実験終了1時間後にそれぞれのカイロがどの程度出力を出し切ったのかの目安になるか?と突然閃いて梱包を解き、それぞれのカイロの表面温度を30秒間ずつ計ってみた。
③23.5度。
④19.0度。
⑧19.7度。
⑩22.9度(底のカイロを測定)。
⑪24.1度。
⑫意味が無いので未測定。
⑬22.7度(底のカイロを測定)。
⑭底カイロ22.9度プリカ34.8度。
『第二回目の寸評』
終わってから何かの誤差、測定の誤りがあったか?という数値もあった。
しかし比較できる対象をえらんで比べれば傾向として充分参考になる数値は得られたかと思う。
今回確かめられたのは前回よりもより低温な場所で測定した場合、例えば前回外気温5度時に平均15度を記録したからと言って今回外気温0度の時に平均は10度になるのかと言ったら絶対にならず、それより低くなるということだ。
今回のたかだか最低気温-1.7程度で同じ箱がこれだけ下がればー5度以下では、-10度ではどうなるのか?怖くもありますね。
ただ、こう書いたからと言って『だったら真冬の北国にはもう今後絶対に送らない!』 なんて言わないでね♪。
だって疼く虫好き同好の士じゃないですか!。
次回第三回目でビビルことのないように最強の梱包を目指してみますんで。
但し、寝不足と下痢を起こしたので少し時間下さいな。
【虫の輸送・ファーブル実験室その⑦】
3日間に渡り結構徹底的にいろんなパターンで梱包内の温度を定期的に測っていったら、意外なデータも出てきたので発表しますが、その前に店で使っている宅急便屋が通常担当者ではない人が(結構物知りな人)丁度きたので宅急便屋の車内荷室の温度とか聞いてみたら以下の回答を得たので合わせて報告する。
その人によると荷室内の温度は冬季の場合はほぼ外気温と同じと考えて間違い無いとのこと。従って真水を荷物にした場合真冬日に一定時間輸送していた場合は水が凍る可能性有り。
この場合なら逆に『冷蔵便』で送れば冷蔵車は常に4度に保つように設定しているので、例え配達時に扉を開けて一旦荷室温度が下がっても5~10分以内にはまた4度に戻るのでこの方が安心です。
『事務所内保管』についてですが、要望にはなるべく答えますが絶対ではないこと、そして当社の場合(〇マ〇運輸)では、流通センター以外では夜間は無人、無暖房ですから倉庫内保管よりはましでしょうが明け方には多分事務所内の室温は5度以下になっていると思います、又店舗によってはその造りがプレハブの所もありますから、その場合は人が居なくなって数時間後には殆ど外気温と変わらないと思います!とのことでした・・・。
◆実験1回目◆
2月20日午前9時スタート、実験場所自宅1階無暖房の部屋、開始時の室温2.9度。
2月21日午前9時終了、終了時の室内温度4.2度。
実験中の室内温度、最低温度は2.9度、最高温度7.2度、平均温度5.4度でした。
使用した箱は、全て発泡箱(百均ダイソーの60サイズ)で統一、二重梱包のダンボールは普通の厚さの100サイズを使用。
カイロはマイコール製 貼るタイプ サイズ13×9.5センチ 最高温度63度 平均温度53度持続時間12時間(40度以上を保持して持続する時間)を使用。
各箱に空けた穴はいつもは店で梱包する場合プラスドライバー直径6.3㎜を使用しているが、今回はわざと少し小さめな5.6㎜のドライバーを使用した。
計測方法は蓋を開けることなくクッキング用温度計を箱の高さの真ん中に刺して計測した。
カイロを入れた容器にはそれぞれ(カイロを底に配置した場合はカイロの上に)クシャクシャに丸めた新聞紙を1枚入れておいた。
箱NO.①
発泡箱単体、カイロ1個を蓋の裏に貼り付け、空気穴は蓋に2個空け。
最高温度は20日午後12時計測時、室温6.1度の際の11.1度、最低温度は21日終了時で室温4.2度の際の7.6度、6回計測の累計積算温度53.6度、平均保持温度8.9度。
1回目実験では最低の実績だった。
箱NO.②
発泡箱単体、カイロ2個を蓋の裏に貼り付け、空気穴は蓋に2個空け。
最高温度は20日午後12時計測時、室温6.1度の際の13.7度、最低温度は21日終了時で室温4.2度の際の11.5度、累計積算温度74.4度、平均保持温度12.4度。
箱NO.③
発泡箱単体、カイロ1個を底面に貼り付け、空気穴は箱の横に高さの真ん中に2個。
最高温度は20日午後12時計測時、室温6.1度の際の15.0度、最低温度は21日午前2時の際の11.1度、累計積算温度76.4度、平均保持温度12.7度。
箱NO.④
発泡箱単体、カイロ2個を底面に貼り付け、空気穴は箱の横に高さの真ん中に2個。
最高温度は20日午後12時計測時、室温6.1度の際の17.2度、最低温度は21日午前9時室温4.2度の際の13.1度、累計積算温度87.8度、平均保持温度14.6度。
箱NO.⑤
発泡箱とダンボールの二重梱包、発泡箱内にカイロ1個を蓋の裏に貼り付け、空気穴は蓋に2個(ダンボールにも同様に2個)。
最高温度は20日午後6時に14.0度、最低温度は21日午前9時に8.9度、累計積算温度67.3度、平均保持温度11.2度。
箱NO.⑥
ダンボール単体、カイロ4個を底に貼り付け、空気穴は箱の高さの真ん中に2個。
最高温度は20日午後12時に14.2度、最低温度は21日午前9時の8.4度。累計積算温度63.5度、平均保持温度は10.6度。
箱NO.⑦
発泡箱とダンボールの二重梱包、発泡箱内にカイロ2個を蓋の裏に貼り付け、空気穴は蓋に2個(ダンボールにも同様に2個)。
最高温度は20日午後12時に14.6度、最低温度は21日午前9時に10.9度累計積算温度77.4度 、平均保持温度12.9度。
箱NO.⑧
発泡箱とダンボールの二重梱包、発泡箱内にカイロ2個を底面に貼り付け、空気穴は箱の高さの真ん中に2個(ダンボールにも同様に2個)。
最高温度は20日午後12時に17.6度、最低温度は21日午前9時に13.4度、累計積算温度94.3度、平均保持温度15.7度で
1回目実験では最高の実績だった。
箱NO.⑨
発泡箱とダンボールの二重梱包、発泡箱内にカイロ1個を底面に貼り付け、空気穴は箱の高さの真ん中に2個(ダンボールにも同様に2個)。
最高温度は20日午後12時に14.0度、最低温度は21日午前9時に7.2度、累計積算温度62.4度、平均保持温度10.4度。
『1回目実験の寸評』
暖気が来ている上に無暖房とは言え実際の輸送中より遙かに暖かい室内でコレである・・・。
自分の予測以上に箱の中は暖まって無かったというデータが出た。
10度を下回るとオオクワのように冬眠状態で越冬出来るような種以外には危険と思われる箱が続出した。
ここで耐寒性が強い種以外には少なくとも60サイズ以上の箱にはカイロは最低2個必要であると思われた。
耐寒性が強い例えばオオクワだとしても虫を直接入れている容器内のマットをかなり加湿していて、冒頭の宅急便屋の車内状況に対し➀の梱包で送れば容器内が凍る恐れもあり、凍ればさすがのオオクワと言えど、死ぬと思われる。
又、カイロを貼る位置はやはり底が正解と思われ、空気穴も上に2個空けたものは全部実績が乏しかった。
但し、実験終了時に梱包を解いていたら、カイロは全部堅くはなっていたが、その有効性能保持時間を過ぎていたにも関わらずまだ暖かく、梱包を解いて5分くらいしたら再加熱しだした物もあったので、ちょっと空気穴の径と数が足りなかったと思われる。
つまり保持時間は延ばしたが、最高温度には達していないと思う。
余談だが、この様にカイロにちょっと細工することでカイロの保温時間を調整することが出来る。
要はカイロに対する酸素の供給量を抑えてやれば済むんである。
例を挙げると、カイロが入っている袋から全部取り出すのではなく四隅のいくつかを切り落とすだけでカイロは中から出さない、又はカイロを何層かの新聞紙で覆ってしまう、等で12時間タイプを18時間~24時間タイプに変えてしまうと言う物だ。
これは出力が落ちるので、熱量が足りなければその分カイロの数を増やせば良いということになる訳だ。
また、逆にすぐに最高出力を出させるには酸素をカイロに当ててやれば即最高温度に達する。だから寒冷地から温暖地に輸送する場合は最高出力させてから送り、温暖地から寒冷地に送る場合はその逆をとるのもひとつの手であろう。
今回意外であったもののひとつは二重梱包である。
確かに同じカイロの数、配置等であれば確実に成果は上がるのであるが、敢えてこの方法にしなければならない程の差は出なかった・・・。
今回用意したダンボールが適当な大きさの箱が売ってなくて60サイズの発泡箱に対してちょっと大きすぎたことが影響している可能性もありますが・・・。
むしろ、カイロの数や配置その他が重要であり、梱包自体は発泡箱のみで充分と自分は判断した。
さて、第二回目の実験結果は明日UPする予定だが(3回実施予定)先の空気の流通量は変えると1回目との比較が出来なくなるので敢えて同じ空け方をしてより低温の場所(自宅車庫)で一回目の成績の良かったものと新たに梱包方法を変えたものを追加してどうなるかを検証する。
加えて実際に虫を入れる容器の種類で中の温度が変わるか?の答えも出します。第三回目の実験ではなるべく手間と材料費を掛けずに極寒の地に輸送する最強の梱包とは何か?を追求してみるつ・も・り・・・。
【虫の輸送・真夏と真冬の梱包その⑥】
夏編に移ろうかと思ったら、まだ書き忘れていたことがあったので、話はまだまだ進まないのである・・・。
真冬の取引を数多く行ってきた人は死着又は仮死状態からの蘇生後に突然死したりの憂えき目に何度かは遭遇している!・・・はず。
にも関わらず、意外にオークションの取引評価欄には死着の文字が少ないように思うのは、仮死状態で到着後一旦蘇生して、死着保証期間を過ぎたところで★になるケースが含まれないからではないのか?と思うことがある。
梱包がもう少しこうだったら・・・と悔やんだり、狂ったようにF5キー(だったかな?)を連打したりポチっとな・・・は、やはりこの時期控えるべきだった・・・と反省したり・・・。
ところで真冬に取引をすると約半数以上は仮死状態で届く。
これが二日掛かる距離だとまず8割はそうなると思える。
今日の議題はこの仮死状態からの蘇りの儀式についてなんだが、「どうするか」と「やらない方がいい!」と思っていることで自分が実践していることを書いてみます。
簡単なので前置きだけ長くて本題はあっという間に終わるんだな、コレが・・・。
①届いて仮死状態を確認したら、まず手で触るな暖めるな!息を吹きかけたり余計なことをするなということです。
②その虫が飼育適温25度だとしていきなり25度の所、あるいは早く暖めてあげたくて25度以上の所で蘇生させない。
経験上からだが、まず16度~18度くらいのところで3~6時間くらい置き、状態を確認しながら数時間おきに2~3度ずつ温度を上げていくのが一番負担が少なく事故が減ると思います。
高地性のキクロであるエラフスなんかはもう2~3度低い温度からスタートしても良いくらいだと思うわけです。
それをいきなり28度くらいの所に置いたら『とどめ刺したのはあんただがな!』ということになりかねないんですね。
これは人間で言えば寒~いところで体の芯から冷えたところでいきなり43度くらいのお風呂にドボン!っと飛び込んでみればどうなるかと言うことであります。
あせらず、慌てずじっくりと、これが大事ですね。
次回は例の各種梱包による温度変化の実験をしてみようと思いますのでその結果が出たら書きます。
【虫の輸送・真夏と真冬の梱包その⑤】
今日はお菓子業界の陰謀『バレンタインデー』ですな、バレンタインデーもクリスマスも誕生日でさえ一切何も無い様になって十数年は経ちますぞ・・・てなことは置いといて今日から夏の輸送に移ろうかなと思ったら、書き忘れと訂正などがありましたので夏編は後日・・・。
まず、訂正から・・・。
最強のカイロは36時間と書きましたが、同じメーカーだと思うんですが48時間というのがありました。
48時間ですぜ!ありがたや、ありがたや!ってこれは時季によっては例えば青森から沖縄に発送するって~と場合によっては熱くなりすぎ!も考えられなくはないでしょね。
調整が必要かも?。
防寒上の観点から長距離輸送の場合に運送業社さんに『営業所内保管でお願いします!』というのがあります。
ゆうパックなら荷物は事務所内保管だから安全と、冬季輸送はゆうパックをチョイスされる方もおられます。
でも、完全に拝信してよいものでしょうか?。
書いておけば確実に事務所内保管してくれるのか?そもそもその事務所の室温は何度?殊に震災以降節電省エネが叫ばれている昨今では不安になる・・・。
この辺を踏まえてオラの店の宅急便担当ドライバーにインタビューしてみた。
オラ『コレコレなんだが、実際ど~よ?』。
担当のあんちゃん『え~正直確実じゃないっス、保証もできないっス、アドバイスとしては底以外の全面にでっかく目立つ文字で事務所内保管と書いた方がいいよってな具合でして、それでも震災後の再開時には下積み厳禁!と書かれてても構っちゃいらんねェ!って感じだったス、ウス!』とのことでした。
送る虫の耐寒性という問題もありますよね。
低地性のキクロと暑さ蒸れに弱いアンテなんかの組み合わせもこの場合はキクロに合わせるべきか?とか考えたり・・・。
ところで、以前手持ちのヒラタ各種で耐寒性の実験をしてみたことがあるので紹介しておきます。
室温を徐々に下げていって何度まで動いて餌を摂取するか?という実験です。 耐寒性の強い順に並べてみました。
輝く第一位!◆ダイオウヒラタ(東ジャワ産)◆
15度を切った時点で完全に動けなくなりましたが、16度まではモゴモゴ餌を食しておりました。
第二位◆アルキデスヒラタ◆
予想では一位か?と思いきや惜しくも敗れました、16度で動けなくなりました。
第三位◆パラワンオオヒラタ◆
体もデカイし、一番弱いか?と思ってましたが意外に根性見せました、17度くらいでマイッタしました。
第四位◆スマトラオオヒラタ(アチェ州産)◆
見た目以上の根性無し!19度くらいから活性が落ち18度くらいでダウンしました。
以上は2週間くらい継続して経過を観察した結果です。
もちろん個体そのもののコンディションというのもあるでしょうから誤差はあるでしょうが、それぞれ3個体ずつ同じ1400の硬質クリアボトルに入れての結果です。
輸送中の宅急便の荷室の中って実際は何度くらいなんだろう?って考えたことがあるでしょうか?ドライバーに聞いてみたけど『よくわかんない』との頼りない返事でした。
これは単なる想像ですが、②で書いたダンボールにカイロと休眠状態のカイロのいずれも中のマット等が凍っていたことは無いので2度~ー2度の範疇か?と考えます。
青森の場合だと一番寒い時期の夜中の外気温はー5度~-6度くらいです。
これが北海道の富良野や旭川だとするとどうなんだろう?外気温ー15度とかになる時の荷室の中がやはり無暖房だとしたらー10度とか?。
これらの地域は温暖な地方の人から見ればもう殆ど日本じゃないです。
嘘だと思ったら札幌の雪祭りに-10度以下の夜に見に行ってみて下さい。
ー10度以下となったら青森の人間でも顔を出して歩けないですから・・・。
これも余談ですがウチの親父が親戚の不幸事に出席の為真冬の旭川に行った際の夜の外気温がー20度以下だったそうで、薪ストーブを一晩中炊いてくれたのだそうですが寒くてふとんから顔を出していては寝られなかったそうです。-20度以下で凍った氷はガラスより堅くなる・・・水だったものが凶器に変身する訳でして、やはりもはや日本じゃありませんわな・・・。
幼虫について書くのも忘れてました。
マットに入っている分温度変化はなだらかでしょうし、菌糸に入れて送るのであれば菌床自体が多少発熱するので成虫よりは温度変化の直撃はなだらかであるでしょうが幼虫の場合はどうしても入れる容器が小さくなりがちです。
耐寒性の強い種ならまだしも、弱い種にはワンサイズ大きめの容器で送ることをお勧めします。 具体的には大きめの容器にマットをタップリ、プリカよりはPPなどをチョイスです。
プリカの場合は安心できる容器サイズは400CCくらいからと思います。
生きて届いたとしてもその後突然落ちたり、成長に障害を起こしたりという経験は北の人間がよく体験することです。
【虫の輸送・真夏と真冬の梱包その④】
今日は梱包です。
梱包資材としてよく使われるのはダンボールと発泡スチロールの箱のふたつですね。
先の②で述べたように真冬の北国にカイロを複数入れようがダンボールのみで送るのは『揚豚(喝)!』でありますぞ。
で、一番多く用いられるのが発泡の箱なんですが、発泡箱であればそれ以上気を付ける方が少ないと思います。
発泡箱もその肉が薄いのもあれば厚い物もあります。
真冬の北国への発送は極端に薄いものは避けて出来るだけ厚い物を使用していただきたいものです。
上記の素材で真冬の梱包で最強の梱包は何か?。
それはダンボールの中に発泡箱を入れる『二重梱包』で間違い無いと思います。
そのダンボールも発泡箱も肉厚なら言うこと無しですね。
次に大きめの箱の方が温度変化がなだらかになるからと言ってわざわざワンサイズ大きめの箱で送ってくれた方がいましたがカイロの数が足りなかった例もあります。
大きな空間を保温するにはより大きな熱量が必要だということです。
ウチの例で言えば問屋さんから商品の虫を送って貰う際は120サイズ~160サイズになるんですがカイロは安い低時間タイプの物(恐らく12時間~20時間タイプ)を三つしか入れてくれませんので11月末~3月中旬までの仕入れは諦めました。
次が最重要なカイロです。
送るサイズに対して何時間タイプの物を何個入れるのが適正なのか?。
カイロ自体の大きさの問題もあります。
しかし、これは自分も含めて今までの経験上から判断していると思います。
いろんなサイズ、いろんな梱包に何のカイロをどれだけどう入れると外気温何度の所で12時間後、24時間後、36時間後に梱包内の温度がどう変化していくかの検証をそこまでした人は見当たりません。
これは北の人間として近日自分が徹底的に実験してみようと思います。
さて、カイロの性能ですが現在最も長時間保つ最強のカイロは『アクアパック』という商品名のもので、これは36時間タイプです。
性能表示では最高温度65度、平均温度50度、40度以上保持36時間という性能でこれは実は人間用ではなくメーカーがペットなどの小動物輸送用として開発したものです。
到着まで2日掛かる際には是非これを使用していただきたい(多少価格お高めですが・・・)。しかし、この商品実はもうメーカーで生産を中止しており再生産の予定は今のところ無いようなんですね。
今なら問屋さんや販売店に在庫はあるようですので、手に入れるなら今です。これは『買い』ですぜ!
さて午後5時出し翌日18時到着までなら20時間タイプで充分でしょう。
これは平均温度保持が翌日午後2時に切れても40度以下の熱をその後1~2時間は出してくれると期待できるからです。
12時間タイプなら発送午後5時で翌日午前中着までかな?と思います。
ここで大事なのは送る先が今外気温何度くらいなのかです。
例えば青森から大阪に真冬の厳冬期に送るのと大阪から青森に送るのではまるで違います。青森から送る場合に大阪近辺でカイロ性能が切れ気味になってもまずセーフですが逆だとアウトになりかねないということです。
次がカイロの入れ方です。
どこにカイロを置くか?ということなんですが、南の方の大多数が蓋の裏に貼り付けてきます。 しかも蓋に空気穴を空ける人が結構います。
次に多いのが箱のサイドに貼り付けるケースで、この場合も空気穴を蓋に空けていることが多いです。
ちょっと待って下さい、暖かい空気は上に昇るんです!。
せっかくの熱量をだいぶロスしていると思いますし、これだとカイロ性能が切れ気味になった時に一気に冷えていくと思いませんか?。
ということで、オラの場合はカイロは底に張ります。
発泡箱の底からカイロの位置に鉛筆の径程度の空気穴をカイロ1個に対して穴1~2個空けます、これはカイロへの酸素供給用です。
生体への酸素供給用の穴はサイドの底近くに鉛筆の径以下の大きさの穴を1~2個空けるのがオラのやり方で、夏は逆に蓋に穴を空けます。
この方が理に叶っていると思うんですがどうでしょう?。
おっと危ねェ、大事なこと書くの忘れるところだった、カイロの上に虫を置く訳だからカイロが最高温度に達した時等に逆に熱でやられないように断熱することを忘れたらあきまへん!。
オラはプチプチの凸面を下にしてカイロの上に敷いて、更にその上に適当な厚さに折った新聞紙を敷きます、その上に生体を置いて容器の隙間を固定と保温目的に新聞紙を丸めた物やプチプチなどを詰めて完成でんがな!。
先日親しくして頂いている著名な採集家のところで輸送事故が起きたと本人から聞きました。固定客のお客さんに見本として生き虫を送ったのですがカイロの性能が変わっていて表示は変わってないのに出力が落ちていて、貴重な虫が全滅したそうです。
被害総額約20万円くらい?悲惨です!。
以前から使用していたメーカーの商品が名称とパッケージが変わっていたけど性能表示に変わりがなかったのでそのメーカーの物を使用したのだそうですが、実際には時間か平均保持温度のいずれかか、あるいは両方が落ちていると思われるとのことでした。
これはロットにムラがあったのでしょうか?人間用に生産している商品であるからあるいはわざと低温火傷防止の観点から性能を落としたとも考えられます。
そう言えば今当地の販売店から長時間タイプのカイロがかなり姿を消してます。青森の販売店で今手に入る長時間タイプのカイロは20時間タイプですが、これも探すのに苦労する時もあります。
いつでも常時すぐ手に入るのは12時間タイプです、これは何故でしょう?。 これは20時間も懐に入れる需要が少なくて売れないことや、先の低温火傷を懸念しているとも想像してます。
使い捨てカイロのメーカー保証期間は製造後平均3年程度らしいんですが、冷暗所に保管すれば実は30年くらいは保つと聞きました。
先の採集家の方にもアクアパックをお勧めしたところ『それいくらするんですか?』と聞かれました、そ~ス!チョリッと高いッス。
でも20万両ぶっ飛ぶよか全然いいっしょ?。
次回は夏編でおます。
【虫の輸送・真夏と真冬の梱包その③】
今日は虫を何の容器に入れて送るかと言うところから始めてみます。
まず向かない容器をその理由と共に並べてみました。
・フィルムケース
これを輸送用に使う人は殆ど居なくなりましたが、まだ入手可能なので『コレ小型種や♀を入れるのに最適じゃん♪』とチョイスする人がいるかも知れません。
しかし、これは断熱性等の他に問題があります。
それは『脱走』です。
これはケース本体はまあ大丈夫なんですが、問題の弱点は蓋です。
この蓋の素材が意外に柔らかくてしかも凹凸があるので特に♀にとって囓り易いんですね。
10匹も入れておくと24時間以内には必ず何匹かは見事に大穴を空けて脱走します。
楽しみにしていた荷物が届いたら中の虫が居なかった!と言うクレームに繋がる訳です。実際の発送ではこのケースの中に緩衝材として濡れたティッシュなど入れたりします。これを入れるのは輸送中の揺れなどで、顎先欠け、触覚切れ、フ節切れ、スレを防ぐ為ですが、これを入れることで蓋に容易に前脚や顎先が届き易くなりこれを『足掛かりに』そして蓋に空けた空気穴を『顎掛かりに』して『アルカトラスからの脱出』を図ります。
弱点があり、そこに前脚や顎が届く容器は向かないのであります(ここ重要テストに出ます!)。
ですから、これに入れて送れるのは本当に小さな虫、穴を穿つに適さない形状の顎の種、顎の力が本当に弱い種、そしてミヤマやヒメオオなどの寒冷地仕様の虫を夏にわざとクール便で動けないようにして送る、又は冬に目的地までわざとカイロ抜きで送っても活動しない温度帯で輸送されると想定できる場合に限ると思います。
・百均小型タッパー(薬入れみたいな奴)
上記と同様の理由です。
空気穴の径をごく小さくすることでフイルムケースよりは多少時間が稼げるようですが、いずれはやられます!。
以上のふたつは実際に自分が採集してきた際に使用してみて、フィルムケースは採集地から店に戻ってきたら既に何頭かの♀が蓋から頭を半分出して『コンバンワ♪』してましたし、タッパーは翌日まで放置してたら何頭かが店内を『お散歩♪』してましたから・・・。
これを使う場合は中に入れる種類と使うタッパーの深さが重要だと思います。
では、今輸送に一番用いられている容器は何かと言うとそれは間違い無く『プリンカップ』でしょう。
その理由は『安価』であることと『手に入れやすい』こと、そして『サイズと形状が豊富にある』ことであると思います。
しかし、これも弱点は有る。
まず先に述べた通り蓋に前脚や顎が届く場合、殊に空気穴を取っ掛かりにして穴を空けて脱走し易い点と、肉厚が薄い為に温度変化の影響を受けやすいという点です。
ここで送る虫のサイズより通常より大きなサイズの容器を選択する手もありますが、これだと梱包サイズも大きくなる場合が多いので送料の観点から送る側も受け取る側も抑えておきたいところになります。
これを同時に解決するには・・・オラは次のようにしています。
まず脱走防止ですが空気穴が大きすぎると穴を穿ち易くなりますから、これは『マチ針』の大きさで充分です。
虫達は『本当にお前ら呼吸してんの?』というくらいしか酸素を必要としてないですから。そして大抵のプリンカップは実は空気穴を空けずとも蓋の隙間から生存に充分な空気が流通しているのですが、中には密閉性の高い商品もありますので念のためにも空けておくのが無難ということになります。
穴の数は5~6個で充分ですね。
次に穴を穿つ位置と空け方です。
カップの縁ギリギリに空けると虫が穴を空けやすい状態になることがありますから縁から少し離します。
そして狭い範囲に沢山集中して空けると(蓋中央とかに)これも同じ理由になることがありますからやはり穴と穴の間隔は少し離した方が無難です。
次が保温性を高めると言うか断熱性を高める策なんですが、まずカップに入れるマットの量を増やします。
オラの場合ですとカップの八分目くらいまで入れてます。
しかし、これだと先の理由で蓋に容易に顎が届くことになりますので脱走の懸念が出てきますね?そこでカップを本体も蓋も二重にします。
しかもカップの間にテッシュを挟んじゃいます。
こうすることでまずカップの肉厚が倍、ティッシュで更に空気層を保護され、最後に増量されたマットで保護される・・・という理屈です。
更に言えばマットを増量することで期待出来ると思われるのは、後でも述べますがオラの場合はカイロを入れる位置が底である為、虫にとってカップの底から伝わる熱が熱ければ上に避難し、寒ければ底に潜るように『虫達に選択させることが出来る』ということなんです。
実例としてわざとプリカを利用し、他の工夫と併せて青森から真冬の厳冬期の札幌へ(1日で届く)シカクワを送ったことがありますが仮死状態にもならず元気に1枚目の蓋を囓っていたとお客さんから報告を受けております。
蓋も二枚重ねしているのでセロテープで×印にしっかりと4点止めして完成で~す。
容器の保温、断熱という観点からすれば空気穴を大きく取りすぎないことを前提にすれば肉の厚さと素材の性能が重要になると思われます。
従ってその順とすればプリカ→ブロー容器→PPボトル、硬質クリアボトル、タッパー類→ガラスビンの順に効果が増すとなるかと思われます。
虫を入れる容器の大きさが大きければ中に入れるマットの量も増やせるのでより安全性の観点からは効果を期待できると思いますが、やはり送料の点も無視できないのでこれらを組み合わせた上での選択が大事かと思います。
これは多少面倒に感じるかも知れませんが虫に対しては愛情、送り先に対しては信頼と義務であると思うわけです。
余談ですが業者ではなく個人であってもオークションなどでのやりとりで梱包料を徴求する場合はある程度までは落札者の方からの要望があれば答えるのが筋だと思いますし、それは明らかに『商取引』ですので、売るんだったらそれは『業』でその人はその場面では業者というのがオラの考え方です。
明らかに非常識な梱包の要求をしてくる人もいるようなのでその場合を除いてですがね・・・。梱包料は貰うが送り方はコレコレしかしませんよと歌っている人はまだマシで、そこを書いてなかったら問い合わせして、対応しないという返事で不安があったらそれは見送る・・・それも当然ですね。
次が虫を入れる容器のマット加湿です。
西の方はこのマットをタップリと湿らせて送ってくる方が多いのですが、オラは真夏と真冬の輸送では危険だと考えてます。
真夏は『蒸れの原因』、真冬はカイロの寿命が切れた時に『早く体温が奪われる原因』だと考えます。
確かに虫達にとって完全に乾燥した状態というのはフ節切れの要因となり芳しくないのは当たり前なんですが輸送という短期間の特殊条件下では逆効果と思うんです。
オラの理論ですがこの場合は指で触ってみて『僅かに湿度を感じる乾燥気味のマット』か『底のマットだけを湿らせてその上には乾燥したマットをドサッ』が一番安全だと思います。
この理由は冬季に受け取った取引の死着の経験上からの答えです。
マットの量や他の梱包方法との兼ね合いもありますが乾燥~乾燥気味の方が明らかに事故が少ない統計がオラの所では出ています。
次は容器の中にゼリーを入れるか入れないかです。
本当は入れなくても大丈夫です。
送る前にタップリと餌を与えていれば1~2日は何のその、受取人の都合や災害や交通事情で3~4日でも、よほどのアクシデントが無ければ大丈夫なんです。
しかし、これは入れましょう!。
何故ならばそれが送り手側の誠意でありますし、政府や東電に無い、『もしもの際の危機管理』でもありますから(怒られるかな?)。
更に言えば梱包その他が万全であっても時々虫には理解不能な『突然死』というのがありますから、入ってなかったからと言われない為にも入れるベシ!です。
真夏の場合で蒸れが心配ならマットを乾燥気味にしておくことと餌ゼリーは縦の半切りで少なめにすることでOKでしょう。
余談、ウチの取引先の問屋さんは当然カップ輸送派なんだが蓋の穴は千枚通しで大きな穴を空けてくる。
夏場は蒸れ対策なのかな?とか思ってたんですが、これが注文した以外の虫も送ってくれるんですね~ハイッそーですそれはショウジョウバエです(笑)。 で、冬は大丈夫だろうと思いきや、やはり穴が大きくて店に届いてから30分以内に容器等入れ替えてあげないとダウンしていたショウジョウバエも復活して店内を飛び回ることになるんです。
何が言いたいかと言うと穴をもっと小さくできないか?というのも無いわけじゃないが、この季節で問屋のストックルームはショウジョウバエが繁殖しているのか!という驚きです。当地青森の飼育部屋ではより低温に強いクチキバエの類いは防げませんが、加温温度管理している部屋でもショウジョウバエは皆無といのが普通です。
北と南ではこれほど違う!ならば感覚もズレが生じて当然か?と察する次第です。復活し始めたショウジョウバエが蓋にヨロヨロと止まっているのを店の外に出て息を吹きかけて飛ばしますって~と、飛ぶこともなく真下に落ちてすぐ凍ります(笑)。
次回は梱包材料とカイロの位置、梱包方法等です。
【虫の輸送・真夏と真冬の梱包その②】
手始めに今回は今が真冬なのでコレはあかん!と言う過去の冬の実例を紹介してみる。
◆使い捨てカイロを理解してないケース◆
・オラは荷物が届いたらまず箱に空けられた空気穴の数、大きさ、どこに空けてあるかを見、次に梱包を解いたらすぐにカイロの位置と数を確認してすぐカイロを触ってみることにしている。
その荷物が届いた際に百均の発泡スチロール箱に入ってきたのだが空気穴がどこにも空いてなかったので悪い予感はしていた。
密閉状態のその梱包を解いてみたら案の定カイロが柔らかく冷たかった・・・。
中の空気中の酸素を使い果たして『カイロが休眠状態』となりカイロは全く機能していなかったのである。
梱包を解いて数分したら外気に触れたカイロが再び加熱し出した始末である。 送り主はなるべく暖かさが持続するようにと考えたのだろうが酸素に反応して酸化することで発熱するカイロの仕組みを知らなかったのだろう。
この時の虫は1日で届く距離だったのが幸いして仮死状態で到着も、その後無事蘇生した。
この虫は酸欠と低温の二重苦に何とか耐えたのだが、これが『三重苦のヘレン・ケラー』だったら虫の頭にエンゼルマークがついていただろうて・・・。
ひょっとすると、発泡スチロールは実は僅かながら空気を通していると知っていた人だったのかも知れないが、カイロに化学反応を引き起こすには足りないと気が付かなかったのか?。
・次の送り主は業者さんだったんだが、発泡箱にデカイ空気穴が上にひとつ、横にふたつ空いていた・・・。
デカイ穴・・・なんとPETボトルの蓋に近い大きさの穴である。
『カイロ入れてる意味ねェべや!』
カイロは『冷めない蒸しタオル』程度の発熱量しかないと知るべし・・・。
・次なるはまたも業者さん(超有名店!)で、届いたら外側がダンボールだったので特別な指定はしてなかったが『二重梱包か!おおっ流石だな~!』と感心してたのもつかの間、梱包を解いてみたらダンボールの内側にカイロを貼り付けてあったのを見て悪い予感はしていた・・・。
まさか???発泡箱を開けたらそこにカイロは入って無かった・・・。
『カイロ入れる場所が違うべや!』
この虫はその後蘇生はしたが数日後『天国への階段(Byレッド・ツェッペリン)』を静かに昇って行った・・・これほどの店でこれは考えられん!発送担当者が当日酷い二日酔いだったか、社長とケンカしたかのどちらかであろうか。
・次は梱包料を取られていたので発泡スチロール箱で・・・と 指定していたにも関わらず、到着した外観はダンボールだった。
『えっ!二重梱包?』・・・・残念で~した!ダンボールのみ!。
驚いたのは60サイズのその中にカイロが三つも入っていたことだ。
何時間持つカイロを入れてくれたのか知らんが、カイロはとっくにその使命を果たし終えていた。 到着まで二日掛かる距離だったから発泡でと指定したのに・・・。
中の虫はこれも蘇生はしたものの数日後『末期のゼリー』をひと舐めふた舐めした後静かに旅立って行った。
どうせなら凍って届いてくれりゃ『嘘ツキ~!死着!死着よ~!バンバン!(キーボードを思いっきり叩く音)』と攻めれたのに・・・。
事例は他にもあるがこの辺にしといて次回は虫を何の容器にどう入れるかを考察してみたい。
【虫の輸送・真夏と真冬の梱包その➀】
これまでさんざん虫を送って送られてきた。
ここで厳かに一言申し上げる。
我々北国の人間は温暖な地方の状況が予測・理解出来る、しかし温暖な地方の人は北国の状況を予測・理解出来ない人が意外に居るという事実だ。
これは最高温度は北と南では実はそれほど変わらないのに(その期間が変わるだけ)最低温度はかなり違うことに端を発しているからと推測している。
実例で行こう。
大学時代の同期で石川県金沢市出身、東京で2年間浪人していた人が青森市幸畑という山手に居を構えた。
ここは真冬の一番寒い時に遊びに行ったらー14度まで冷えていたことがある地である。
1回生の10月頃、その男にオラは『ストーブ持ってきたか?』と尋ねた。
そいつはちゃんと持ってきてある!と言うので『見せてみィ』と言ったらその男が押し入れから出してきたのは『800ワットの電気ストーブ』だった・・・。
オラは言った『お前凍死するぞ・・・』。
そいつは金沢でも東京でもコレひとつで全然大丈夫だったんだよ!と力説するがまるで分かってない・・・。
やはり実例で説明しないと分からんらしい。
『あのねエ~夜に洗濯した後干したとするでしょ?火の気が無かったら1時間もしないでその洗濯物はカチンカチンに凍るよ?(当時の住宅はこれ本当だった)』。
だがその男は嘘だろうと言って信じない。
そこでこれはもっと脅かさないといかん!と考え(ここからは本当の嘘)お前ねエ~この幸畑は冬になると市営バスは通れないんだよ!と言ってやった。
そいつは『それは絶対に嘘だ!じゃあここの人は冬にどうやって移動するのさ!』と返してきたので『市営馬車に変わるのだよ』と答えてやった。
雪で道が無くなるから大きなソリの上に幌を掛けて馬に引かせるのだと答えたのだ。その馬には首に鐘が吊してあって歩くとカランカランという音がする・・・それが馬車が来たぞ!という合図でこれだと猛吹雪でも馬車が来たと分かる訳だ。
その男の目玉が白くなった・・・そして呟いた『今すぐ俺を家電店に連れてってくれ・・・』。後日又遊びに行ったら灯油をドラム缶で買っていたので、あれはお前にまともなストーブを買わせる為の嘘だと訂正しておいたが・・・。ことほどさように生まれ育った環境で北国を理解してないという事が分かっていただけたと思う。
今までの虫のやりとりでこれはイカん!と言うものを何回かに分けて実例で紹介してみようと思う。
【祝?ビークワ・チビギネス更新】
前回青森県初のギネス登録をチビギネスで果たした同一飼育者から同一種にて又々チビギネスの更新が果たされました。
実はその個体を店に持ってきてくれたので間近に見ることができたのですが、よく生きて羽化してきたもんだなと『ハァ~ッ』と溜息をついていたら、次の瞬間そのブリーダーの口から信じられない言葉が!(ガチンコファイトクラブ風・・・チト古いか?)。
『フフフ・・・小さい方ならまだまだ行けますゼ』。
これに対する率直な感想『開いた口が塞がらない・・・』。
キミは一体ドコに行こうとしてるんだね?。
だが、読者諸兄よ安心してくれたまえ、彼はちゃんと大きい方で一発隠し球を持っていた!。
殺すなよ!祈る無事羽化!。
この日同じ兄弟で小さいのと大きいのを各々羽化させた個体を持ち寄り比較検討したり、ある登録が同定ミスじゃないか?・・・と大図鑑を見ながら検証して意見を出し合ったりして過ごしたんだが、この時間が楽しいんだな~。
一人で飼育を楽しむのも有りですが、仲間で楽しむとその幅が広く深くなる要素大です!。
県内在住飼育者の皆さん是非自慢の個体をお持ち寄り下さい、共に楽しみを広げましょう!。
【羽化報告】
・ティモレンシス・ギラファ最後の♂が83.5㎜で羽化しました。
大歯型でなかなか格好いいんですが、ギネスまであと9.9㎜もあるんですね(遠いなァ~辛いなァ~)使用菌糸は月夜野きのこ園E-1400です。
・パラワンオオヒラタの最後の♂も羽化しました、104.1㎜でした(数年前まで大型の目安は103㎜だったのに今は105㎜は行かないと大型と評価されない・・・来年こそ・・・)使用菌糸はブリーダーズファーム大夢モダン2300でした(次はちゃんと3200に入れます)。
・青森県〇〇〇〇産オオクワ(新産地)WF1の♀が2頭追加で羽化しました。
サイズは48.5㎜と49.3㎜でしたので先に羽化した兄弟の♀平均は今のところ49.5㎜です。
次世代が非常に楽しみですが、間違いなく大型の血であると思います。
大師匠に伺ったところ、大師匠も蔦温泉産自己採集のWF1からで過去49.5㎜を出しているとのことでありまして、青森県産オオクワガタとしては焼山、蔦温泉が大型を輩出し易い産地であり、それに今回の〇〇〇〇産が割って入るか?というところだと思います。
【冬のオオクワ調査③】
青森のオオクワは冬季どこで冬眠しているのか?。
調べるに当たりいろんな事を想像していたところに丁度師匠が現れたので疑問点などを聞いてみた。
まず、越冬場所の可能性として我々は立ち枯れやウロの中、樹皮が深くめくれている所などを想像している訳だが他に利用出来る場所はないものか?ということで、まず脱出痕を辿って蛹室を利用することはあるか?との疑問に、
『さんざん材割りをしてきた経験上、既に脱出した後の空っぽの蛹室はたくさん見たが中に古い虫が入って越冬していたなんてオオクワはおろかコクワですら見たことが無い!よってその可能性は極めて低い』とのことだった。
なるほどコクワとオオクワの習性と行動はほぼ同じで、オオクワの10倍は棲息するであろうコクワがそういうところで越冬しないということはこれは無いということであろう。
だが、逆にコクワの越冬場所を見つけられれば似たような場所をオオクワも利用しているだろうからオオクワだけを念頭に置くのではなくコクワから近寄っていくという手も有りだな・・・と思った。
次に、石垣の隙間や石の下、立ち枯れ根部や何らかの建物などの構造物なんぞはどうだろう?。
しかしこれはもう既に『大師匠』が答えを出していた。
彼らが最適な越冬場所を見つけられずにウロウロしている内に気温の低下で動けなくなってしまい、やむを得ずこれらの場所で越冬を試みる例は意外にあるみたいだ。だが、これらの個体は湿度の多い場所では凍死し、湿度の低い場所では乾燥死してしまうのが殆どだ・・・とまあこんな内容だったと思う。
唯一ボロボロになった立ち枯れ根部の下のマット状になった所なら土中なら凍らないし湿度も適当な場所はあるだろうが・・・が、これは『春一番で越冬成虫を採っても♂♀に関わらず泥が付いた個体を見たことがない』と即座に師匠により否定された(ヒメオオは泥だらけだがね)。
ついでにオオクワは自分で樹皮を傷付けて樹液を出して吸うか?も意見を聞いてみた。
師匠曰く『どうなんだろうなァ~しかしだよ、今まで採集してきた中のピカピカの新成虫は♂も♀も餌を与えないと小便しないんだ、自分で樹液出せるなら小便しないとおかしいだろ?』とおっしゃった。
これはどういうことかと言うと師匠はオオクワを採集したら容器にマットとティッシュを詰めた中にオオクワを放り込み、暫くは餌を与えなかったんだそうだが、そのティッシュが濡れないということだ。
この部分については個人的には再考、熟考の余地があると思う。
師匠の爆弾(ライトトラップ)に飛んでくる際、飛び立つ前に小便して排泄し、身を軽くしてから飛んで来ている可能性も高い訳だから。
この部分は実験で検証できると思っている。
これは『本能に基づく行動』であるから飼育品も野外品も同じ行動をするはずだから・・・。
だが、飼育している中で餌ゼリー30グラムをフィルムだけを剥がして与えた場合よく目撃するのがゼリーの底を大顎で突き刺して抜けなくなっているシーンや、餌切れした際に転倒防止材を囓っているのもよく目撃しているからだ。 実験観察により大顎先端を使うのか、頭楯を使うのか、その両方か?確かめてみたい。
最後に師匠が呟いた『とにかく誰も見たことがないんだ・・・』。
冬山へ一緒に確かめに行きましょう!と誘ったら、『寒いから嫌だ、絶対に行かない!』とあっさり逃げられた・・・一人で行くしかあるまい・・・。
【冬のオオクワ調査②】
冬のオオクワ調査をすると書いた。
何故冬に?利点は次の通りだ。
①青森でオオクワが棲息する地点の降雪量が積雪で1メートル内外~4メートルほど有り、これは常に脚立の上にのっかっているのと変わらない。
オオクワは完全乾燥している所には成虫も幼虫も入らないが湿度の多いジメジメした所にも居ないので、雪の上辺りからがその棲息圏となるからだ。
②歩行に邪魔な藪が雪の下になる。
また、ルッキングするに当たり視界を遮る木々の葉が落ちているので離れた木の上まで良く見渡せる。
利点もあれば難点もある。
①寒い!(雪国の山の中だから天気が良くても零下前後、ちょっと寒けりゃー10度前後思いっきり寒けりゃー15度以下?)だ。
②ひたすら歩かなければならない(車を停められる場所が限られるかんね)。
③危ない(滑落、雪崩、雪洞への落下)雪洞の中は火山性ガスやテングノムギメシ(青森に自生しているかは不明)が出すガスが溜まっている可能性もある。
だからいきなり行くのではなく雪の無い時期の下見が欠かせない。
危険を犯して山に入る訳だから自分が春まで『樹氷』になりたくなければ装備は万全を期す。
遭難した場合も考えて装備のチェックをしている所だがまず『マヨネーズ』は必ず携行する!。
つい数年前までは頭の先から尻尾の先まで『海人(ウミンチュー)』だったのが今や完全に山男だ・・・。
いつの時代でも男の心を揺さぶるのは、初めて~に成功する、初めて~を発見する、初めて~に行った、その人の初めての男になる(ムヒョヒョ)、『初めて』は男の心をくすぐって捉えて離さないのである・・・。
【腿節黄紋消失型ミヤマのその後】
黒い足のミヤマのその後だ。
一緒にこのミヤマの謎を解き明かしてくれる人をオークションで募り、販売した残りの個体の内1♂1♀が羽化した。
早く結果を見たかったので敢えて低温管理せず、430CCのプリカで飼育していた個体だ(その他は860CCに入れておりまだ幼虫)。
結果は・・・・ おおっ!『どノーマルだっ!(どっちも)・・・』。
鮮やかな黄紋が何故か悲しい・・・。
だがこれだけで結果が出たと考えるのは早計だ。
今回は♀の持腹産卵だったから、数から言えばノーマル♂と交尾している可能性が高いからだ。
検体数も足りない。血の異なる100位の頭数を少なくとも3世代くらいは続けないと駄目でしょうね。
と、なると・・・やはり協力してくれる人が必要になりますね。
皆様どうぞ宜しくお願いします。
【オオクワ調査にスノーシュー購入】
東北、殊に青森の天然オオクワは普段どこでどんな生活をしているのか?。
これまで偶然同様の状態で採集した人はいるだろうが情報としては残ってない。これまでキャッチした情報は問い詰めると作り話であったり、どう考えても脱走または放虫したものを捕らえてしまったとしか思えないものばかりであり彼らの生態を紐解くヒントにすらならなかった。
青森のオオクワはまず『樹液採集』した例を聞かない。
餌木は『コナラ、ミズナラ、栗、他数種』が知られているが実際に樹液を吸っている所を見たという情報が無いのだ。
どの木の樹液を最も好むのか?発酵樹液を吸っているのか?どういう状態で出ている樹液を吸っているのか?何も分かってない。
更に青森には『台場クヌギ』 などと言う有り難い木など無い、自生の北限を遙かに超えているからだ。
青森で『ウロ』などの樹洞が空きやすい木はコナラの大木だが、そうそう数があるわけでなし、まして、雨が入らず中に樹液が出ていて鳥やその他の小動物が入れない形状のウロなんて相当少ないに決まっている。
彼らは普段の活動期にはどこを寝ぐらにしているのか?、活動期の寝ぐらと越冬時の寝ぐらは同じなのか?何も分かってないのだ。
師匠とこの手の話をした際に、寝ぐらに関しては条件の良いウロが少ない以上、木の股や樹皮のめくれた所も利用している可能性があるとのことだった。
又、天然個体は2年生きる数は少なく3年生きる個体は希なのではないか?という推察の話も聞いたが、頷ける話だ。
今年まで父母の面倒を看る為に相当の時間を取られてろくに調査に行けなかった。
そこで、ある若者に見つけたら青森初!いやっ東北初かも知れんぞ!と唆して行くように仕向けたら、山で車中泊までして『ボロボロになって』帰ってきた・・・。
彼と同じ方法では体力と視力で劣るオラでは更に確率も効率も悪かろう・・・。
オラは冬季の調査もやってみようと思う。
木に登れず、目も悪いが耐寒性の高い体を利用して3~4メートルの積雪を利用しよう。秋にめぼしい場所をリサーチしてきたが傾斜のきつい沢筋の斜面が多い。
これまで使用していたホームセンターの¥980カンジキでは下手をするとオラが『樹氷』になっちまうかも?と怖くなったので、昨日『ATCスポーツ』に行って本格派のスノーシューを買った。それも急斜面もOKというタイプのものだ。
またもや散財して鼻水出たが『道具というものは重要なんだ!』という師匠の言葉に従い、まずまずのものを買った。
後は実践あるのみ、既にいくつかの作戦も立てた。
海外採集から帰国した『T-TOP氏』から電話が来たので上記の話をしてみた。
氏は『原生林での樹液採集をメイン』としているだけに興味津々の様子。
『初と言うところがそそられますね~!』とスケールは違えど同じ採集屋の血が騒いだみたいだ。
氏からは『自分は海外ばかりで国内はあまりやってないので国内に通じるかどうかは分からないんですが・・・』と前置きした上で海外では同じ原生林でも多産地の個体より棲息数の少ない原生林の個体が何故か『大型化する』とのことで、意外にオオクワにも当てはまったら面白いですね!とのことだった。
又、そこのオオクワは私のオドントラピスやエラフスの事例のように意外に発酵樹液だけでなく自分で木に傷を付けて吸っているのも多いかも知れませんよ、との意見も頂いた。
この言葉を聞いた時にあっと思ったのが、8月のお盆以降に採集した個体の内で1次発生で出てきたと思われる個体の体に付着している『ダニの有無』 に考えが及んだ。
つまりそれが♂でダニが付着していたら、一旦樹液の染み出ている樹洞に入ったのだが、より『強い個体』に追われて飛んだ者。
ダニが付着してない個体は特定の寝ぐらを持てず自分で樹液を出して生活しながら寝ぐらを探している者、♀でダニが付いているものは樹洞に入って♂と交尾した者・・・と、そんな事も有り得るかも知れないと思った。
更に妄想は膨らんで、越冬場所には成虫が羽化した蛹室を脱出痕を辿って利用しているのも居るかも知れないとも考えた(出てきたんだから入れるだろ、という単純な発想だが・・・)。
山に入るのが楽しみだ。
【出た~!WF1オオクワ♀51.0㎜!】
青森のオオクワは80㎜UPはしないのか?何故これまで出てないのか?とずっと頭から湯けむりを揚げていた。
師匠が採った77UPのWD♂もそれに見合う♀が居なかったのでその♂の遺伝子を発揮しきれなかったと思っているし、採れてないだけで青森には80UPのオオクワWD♂は絶対に居る!と信じている。
その夢に一歩近ずく個体が出たので紹介致します。
種親♂は青森市〇〇〇〇で青森市在住C氏が偶然に採集したWD♂72.4㎜、♀はその近くでオラが爆弾(ライトトラップ)で採集した33㎜のWD♀である。
♂に遅れて♀を採集したのが9月であり、当初♀を追い掛け無しで産卵セットしたところ全く産まなかった。
そこでC氏の♂を借りてきて追い掛けしたところ十数頭の仔が得られた。
ここでちょっと最初から勝負したくなりKBのAGブロックに3種添加剤を5%程度添加して詰めた菌糸ビンに投入したのだが、この時点で2~3頭が★ちた。
その後も少し様子を見たのだが又1~2頭が★ち、他の幼虫もこの餌を食えない様子だったので慌ててノーマルのAGに入れ替えた。
その後の観察ではほぼ全頭が居食い状態だったので『これはもしや・・・』と期待していたのだが今年の夏には羽化してくるはずが、2頭の♂が63~65㎜で羽化し、がっかり(しかし親♂の太い血は継承)今度はセミ化の危険性が出てきた・・・。
管理温度に変化を付けたり新たなビンに入れ替えてショックを与えたりして今日やっと2頭の♀の羽化を確認した次第。
実は3週間程前に羽化を確認した♀が居り、これが目測52~53㎜はあろうかという個体だったのだが、蛹室の中で死んでおり取り出した瞬間にバラバラになって計測することすら出来なかった(限界を超えており、羽化まもなく死亡したのであろうか・・・)。
『ガビ~ン!』(頭の中暫し真っ白)。
今日そのショックを乗り越えて羽化確認した2頭の♀は1頭が51.0㎜、もう1頭が49.5㎜である(いずれも800CCで羽化)。
菌糸にも慣れてきたであろうから、次世代で78~79㎜の♂が出れば東北産初?の夢の80㎜台は射程距離か?。
F2~F4くらいまでが一つの山であろうから是非狙ってみたい。
(華僑風に)『ピャウピャウ!パウパウ!』と興奮して、まず師匠に報告を入れた。
『♀はもう充分に狙えるサイズだよな、大事に飼育せよ』とのこと。
ついでなので、東北で以前にWDからの累代で80UPした事例があるか聞いてみたら、少なくとも青森県産については誰も成功してないと思うし、富士山から北はまず無いんじゃないか?とのことだった。
続いて大師匠にも伺ってみたところ、山梨県は80UP出てるよ、そこから北は聞かないし今まで無いんじゃないの?とのことだった。
大師匠はこれまで各地のWDオオクワを採集してWF1までの個体をさんざん飼育してきた経験から、
『昔程飼育に力を入れてないのでごく普通の飼育で青森県産なら蔦温泉の♀がWF1で49.5㎜は出ているし、青森を含めた東北の3県は80UPする可能性が、アベレージからすると有ると思う』とのことだった。
又、北と南の個体を掛けると大型化するという話にオラはどうなんだろう?と半ば半信半疑だったのだが『それは散々やった人が居て、確かに大型化すると言うデータが出ている』ということだったが、それは大師匠を初めとする我ら『産地重視派』には論外の話であります。
しかし、この北と南の個体掛け合わせも何の個体を掛けても大型化する訳ではなく資質のあるもの同士でないと結果は伴わないでしょう。
新産地の開拓とそれから出るかも知れない新しい型か特徴、そして大きさなどオオクワが我々に与えてくれる夢と楽しみ・・・あと一歩でそのうちの一つに辿り着けるかも知れません。
(この親♀は今年も僅かながら産んでおり、これらの個体は当初からストレスを与えず飼育中ですのでこれも楽しみであります)。
型は♂から、大きさは♀から主に遺伝する・・・というセオリーからするとビックリだが、親♀も生育環境が悪かっただけで元々大型の血は持っていたのかも知れない。
33㎜の親♀からWF1で51㎜が出る・・・これぞどう化けるか分からない野外品からの累代飼育の醍醐味の一つでありますね。
【簡易冷温室の新冷却方法案・頓挫?】
いろいろ煮詰めていくうちに難問が持ち上がってきた。
大容量を冷えた空気で冷却することの困難、結露、制御等々・・・。
しかし、親しくして頂いている方から叱咤激励のアドバイスやアイディアも頂戴して有り難いことこの上なし!。
無理だ!と言われても自分で少しだけでも可能性を感じると燃えてくる、確かめずに居られない性格なので、来年玉砕覚悟で制作してみます。
【簡易冷温室の新冷却方法=案】
当店で扱っている簡易冷温室だが夏期は朝夕2回PETボトルを凍らせたものを交換すると言うのが無精な人には(オラか?)向いてないことが弱点のひとつだった。
それを別な方法でしかもなるべくお金を掛けずに冷却する方法はないものかと思案していたのだが、ある時別件で熱帯魚飼育のベテランであるお客様と会話をしていたら思わぬ『裏技』を伝授されたのだ。
その方は熱帯魚で高水温に弱い種を飼育するに当たり、水槽内の水の温度を下げるためにこの方法をこれも別な飼育ベテランさんから教わってやっていたとのこと。
水槽を冷却する手段としてはそれ専用のクーラーをメーカーさんで制作販売しているのだが、何しろ高額だ。
で、その方が採った冷却方法というのが下記の方法である。
=用意するもの=
・中古小型冷蔵庫。
・エアーポンプ用のチューブパイプ約100メートル(これはホームセンター等でも注文すれば取ってくれるそうで、これで千円ちょっとしかしないとのこと)。
・熱帯魚飼育用エアーポンプのやや大型大出力のもの(中古で可、何故大出力かは後術)。
=冷却方法=
冷蔵庫の中に幾十にも丸めたチューブパイプを入れて扉のパッキン部分を通して中に入れて反対側をまた出すだけ(それでもチューブは潰れず、エアーは通るし、通らないようだったらその部分だけ一回り太くて堅いチューブ等で補強すれば良いとのこと)。
あとは冷蔵庫から出したチューブの先端にエアーストーンを付けて水槽内に入れるだけ、と言う仕掛けだ。
たったこれだけで実際に冷えるの?とオラも思ったが、何しろパイプの長さが100メートルもあるのでそこを通っている内に充分なだけ冷えるらしい。
100メートルの長さのパイプの向こうにエアーを送るために大出力のポンプが必要だったという訳だ。
更に、この方はエアーの出口を分岐させて合計5~6つの60センチ水槽を真夏時に23度以下でキープ出来たと言うのだ。
それでは次にカブクワ飼育にどう応用するか?と言うと、既に賢い方はお気付きだろうが、オラはこう考えた。
非常に性能の悪いオラの頭の中の机上での計算だが、まず新しい大型の簡易冷温室を作る。 断熱性を高める為、通常使用素材であるブルーの奴じゃなく、ダウ工業製最高峰のGK-Ⅱ厚さ3センチを使用する。
先の方の話で60センチ水槽を5~6つ同時に冷やせたということであり、こちらは高性能断熱材で密封に近い状態であることから、そのサイズは50×75×130センチで容量500リットル弱程度の大きさなら充分に冷やせると見た。
次に中古の冷蔵庫の使用で多分用は足りると思うのだが、オラの所では釣りに殆ど行かなくなったので中がガラガラの大型冷凍庫があるからそれを利用しようと思う。
冷蔵庫とは温度差が倍も違うから更に冷やせるかチューブパイプの長さが短縮できるだろう。
さて、肝心なのがエアーポンプの機種選択だ。
先の人ならどの程度の噴出圧と量が必要か分かるだろうから今度聞いてみるとして、ネットで調べてみたC-8000という商品はエアーの量が2段切り替えになっており、SSPP-2Sという商品はダイヤル式で量を無段変速できるみたいだから、量と圧に問題が無ければこれがよさそうだ。
あとはこれらをセットするだけだが冷温庫の壁にチューブパイプを通せるだけの穴を空け、中に通す。
水に漬けるわけじゃないから冷やされたエアーを送り込むだけでいい。但しまんべんなく冷却されたエアーを送りたいから塩ビのパイプか何かに大きさの異なる穴を空けたものをU字型か升状に組んでそこから落としてやるのはどうだろう?。
温度の調節は冷蔵庫使用なら冷蔵庫内の温度調節、冷蔵庫内のチューブパイプの長さ、そしてエアーポンプの吐出量で調整できるはずだ。
サーモスタットと連動できる仕掛けじゃないからこのままだと一日の中で多少は温度が変化するかとは思うが冷凍PETボトルよりは温度変化は少なくなるのでは?と思う。
オラ、来年これを制作してみようと思うのだが、気の早いあなた、先にやってみる?。
500リットルの容量を真夏に15度くらいまでもしもこんな仕掛けで冷やせたら、これはでかいですぜ!。
【ヒメオオ採集奮戦記】
ヒメオオ採集も終盤に入ったと前回記事に書きました。
やばいっ!もう時間が無い!とあせりを感じたある日の朝、その日の予定を全て無視して、意を決して山に向かいました。
その日は午後から雨の予報・・・午前中勝負だ!。
実は前回入ったあるポイントでルッキングをしていたら、林道の谷側に生えていた正体不明の雑木のてっぺん近くの枝先に黒い異物が張り付いているのを見つけた。
『ヒメだ!デカイ!』。
その木は林道の縁から直線距離で10メートル?。
残念なことにオラは老眼が入ってきて近くも見えないが遠くもよく見えないんだ。視力は0.6あるかないかなんだが、そのオラがこの距離で見つけられるくらいだから大物には違いない。
オラの武器である竿は8メートルで、全然足りない。
林道の縁からは崖になっており、雑木の陰で下がどうなっているのかよく見えない。
昨年の崖柳の経験から(55㎜)『崖下のヒメは大物だ!(根拠は無いが)』の法則により、降りてみることにした。
林道の縁から笹なぞに掴まりながら恐る恐る降りるのだが、斜度が既に50度を超えている。
4~5メートル降りたところで下を見たら、そこから先は斜度70度を超えている?。
『落ちるかな?落ちるよな(オラが)・・・』。
ここから勝負するしかない!。
体を安定させるために目の位置に生えていた笹を口に銜えて竿を伸ばす。
それでもヒメまで竿尻を持って届くギリギリだった。
オラが落ちるとアカンので左手で笹に掴まり、右手1本で竿を操る・・・ことの難しさよ。
ベンチプレス80キロを挙げた(過去形)腕力を持ってしても辛い・・・。
気温が低かったせいかヒメは木にしがみついていてネットになかなか落ちてくれない。
3回ほどチャレンジしたが駄目で、ついにヒメはネットインすることなく崖下に落ちていった。
それから数日経ったので再度チャレンジに来たのだ。
落としたヒメはよほど脅かさない限り同じ奴が同じ木に登ることが多い。
それを信じて来たわけだが、林道に入ったと同時に雨が降ってきた・・・。
ここまで来て帰れるか!っとずぶ濡れになりながら前回ポイントまで来たら、案の定同じ奴と思われる個体が同じ所に付いていた!。
今度はちゃんと準備してきている。
まずはハーケンをハンマーで林道縁の堅い地面に打ち込み、15メートルほどのクレモナロープを繋いで、降りる。
前回達した地点から更に3~4メートル降りたところに2段になった岩が出ていた。
それ以上は斜度が70度くらい?でこれ以上は危険だ。
出来ればヒメが溢れてもキャッチできるよう木の根元まで降りたかったが、これ以上は行けない。
で、距離は縮まったか?というと下に降りた分だけ遠くなり、結局は8メートル竿をめいっぱい伸ばさないと届かないのだった・・・。
今度は両手を使って竿を操作できることだけが前回よりマシで、早速チャレンジしてみたが、やはりしがみついていて思うような展開にならない。
勝負!と網を振ったら奴はまた谷底に落ちて行った・・・。
土砂降りの雨の下、頭から湯気をあげたオラは立ち尽くすしかなかった・・・。
3度目のチャレンジをするかどうか今それで悩んでいる・・・。
【ヒメオオ採集も終盤戦】
先日お付き合いさせていただいている飼育用品メーカーの社長さんとその後輩の方が渓流釣りとクワガタ採集の目的で青森に遊びに来られたので案内がてら半日を一緒に遊びました。
釣りの方は先の増水でかなり厳しい状況でしたが、何とか型を見ることが出来ました。
クワガタの方はヒメオオとアカアシのルッキング採集でしたが社長さんがイタヤカエデの木で見事50UP?の大型♂他をアカアシの大型とともにゲットされたのでこちらもホッとした次第です。
他県で採集したことがないので他ではどうなのかよく分かりませんが、青森ではヒメオオの付くホストの木が柳から、イタヤカエデやナナカマド、カンバ等の木に移るとそろそろシーズンも終盤と、八戸市のY氏から習ったので3日前に焦って採集に行ってきました。
まだ両親の問題が片付いてないので午後からの3時間限定でしたが何とか10ペアほどは採集できましたので、近日販売いたします。
秘密の大物ポイントが今年はどうしたものか寄りが悪く(恐らく別な場所の柳以外の木に付いているのだろう)大型が出てないのが残念(栃木のヒメオオファンのお客様ごめんなさい!まだ諦めてはいないんですが、来年頑張ります!)。
【今期オオクワ採集数Ⅲ:最終報告?】H.23.9.17
来週からの天気なんぞを占うに、ライトと街灯を含む灯火採集によるオオクワ採集は山を越えた。
まだ条件次第で狙える日はあるだろうがここからはまず伸びない・・・。
ってところで本年度成果を纏めてみましょう。
気になる確定数字だが、43頭であるからして(この数字には前に書いた二桁採った方とその後を追っていた方のその後の追加分を聞いてないが、この二人はその後も確実に追加を得ているはずなので)オラの耳に入ってない分も考慮すると確実に50頭は超えたはずである。
樹液採集が不可能に近く、街灯が貧弱な上に震災の影響で主要街灯の多くが消されていたのにも関わらず、一昨年よりも昨年、昨年よりも今年、っと全体成績が上がっているのは何故か?。
勿論個体の生息数が増えているはずがない。
シーズン初めの頃師匠が『○○釣りの調子と魚体の成長が良くない、○○の成長が悪い年はオオクワも過去の成績が良くないものだ』と言っていたのにも関わらず、だ。
考えられる要因は以下の通りか?と考察する。
①採集愛好者の数が年々増加していること(3~4年前の3倍以上?)
②爆弾(ライトトラップ)を購入使用した人が増えたこと。
③採集者の経験値、実力が上がっている。
④皆さんよく頑張った。
以上のようなところでしょうか?。
今期は月齢も良くなく(来年はいいですよ)、新月周りは大雨や暴風に悩まされたのに、であります。
①は1BOXカーからぞろぞろと孫、その親夫婦、爺婆一家総出で、それぞれ全員が懐中電灯と虫カゴ、網を手に持って採集に来てたのを見た時は思わず『スゲェ~!』と唸りましたね。何が凄いって爺婆まで網とライト持ってただけじゃなくて、その時夜中の午前1時だったということだ(それを目撃したオラ?オラはほれっ商売だから・・・)。
②爆弾は決して万能ではないし、それなりの技術や読みがないと飛躍的に数が伸びるものではない。
今期50ワット2基で数を伸ばした人がいるが大光束のライトを持ってれば成果が上がるというものでもない(オラのことか?)。
こういう人は『よく判ってらっしゃる』。
今夜は飛ぶな~と覗きに行ったら、大体必ず来てたからね、その人。
③は昨年からとんでもない新星が現れた。
今期圧倒的な数字を叩き出している方である。
年齢的にはオラとさして変わらず、若者ではないが異常な執念というか、努力の人であり、にも関わらずオオクワ欲しいの『物欲が無い人』であるのが凄いところ・・・。
あと1~2年もすれば誰もこの人には敵わなくなるだろう・・・。
H師匠同様の鋭敏な独特の勘と感覚を持っておられる。
④今年から採集を始めた人で、店に来ている人の殆どが採った。
そんな中、オラが今期中に15ラウンド闘うのだぞ!励ましていた○中さんだけが採ってない。確かもう13~14ラウンドに入ったと思うのだが、昨夜も電話で『今夜も来てるんですが、自分がチェックした5分後に♂が飛んできて他の人に拾われました~!』と、頭から湯気が出ているような声で報告が入った。
○中氏は目は良いのだが、どうも間が悪いというか運が無いと言うか・・・でも努力は怠ってないしいずれ『その時』は必ずやってくる、諦めなさんな。
苦労してやっと採った時はそれが例え『チビまる子ちゃん』であっても『愛しのタエちゃん(ガンツ参照)』になるものさ。
オラは・・・今年何発ボディーブロー喰らったんだろう?2~3回ダウンしたが、ヨロヨロと立ち上がった。
来年度も新産地と幻のオオクワの探索は止めない!。
史上最強の『貧乏神』を背中に乗せたまま東へ西へと・・・。
【青森県オオクワWD♀ギネスは何ぼ?】
H師匠は現役を引退されているとは言え、未だに青森県で採れたオオクワ情報の6割~7割は把握しているほどの情報網を維持しておられる。
現役時代は8~9割を把握していたであろう(当時は狙って採集出来る人の殆どが師の仲間であったから・・・)。
師の耳に入ってない大物もあったかも知れないが可能性としては低いのだ。
で、今日師の訪問があったのでかつて採れた♀の最大を聞いてみた。
師の耳に入った過去最大は47㎜だったそうだ(♂は勿論師匠の採った77UPね♪)。
つまり、T君の採った♀は歴代2位な訳(スゲ~!)。
70UPの♂の過去採集数が5~6頭であることを考察すると今回の♀は♂で言うと75~76に匹敵するかと言うレベルと判明した。
ここで、厳かにT君に告ぐ。
やはり、この♀の子は絶対に採らなければならない!。
産卵セットを組む前にまず身を清め、正座、黙想10分の後組みたまへ・・・。
:最後に一言: でかいのはやっぱり『焼山』だぁ~!立ち枯れの太さが違う!。
【久々の大物WDオオクワ♀登場!】
どうなっているんでしょう?。
後半戦に入り、オオクワダービーがフィーバーしております。
しかも、今まで採ったことの無い人と初めて挑戦した人が複数採ったりしてます。 完全自力で採った人も勿論居るんですが、店でH師匠と会ってアドバイスを貰ってから出撃した人は全員採っていると言うのが凄い!と言うか、不思議?と言うか・・・。
そんな中以前の記事にも登場したサソリ、蛇、タランチュラ、熱帯魚の飼育愛好者であるT君がやってくれました。
H師匠から『○×に行ったら、△▽も見るのだぞ!』とアドバイスを貰った正にその側で何と♀の大物を見事ゲット!。
先程店に現物を持ってきてもらったので計測したら46㎜ジャストでありました。
WD♀の46㎜ったら♂の70㎜UPに匹敵するべさ。さすが○×産!大物はやはり○×産ってとこですか?。
T君は今夜も出撃するとのことでしたので、是非2匹目のドジョウ(今が旬のドジョウですな)をゲットすべし!、そしてこの46㎜からは何としても子を採らなければならん!帰ったら早急にセットを組むべし!採れなかったら正座だ!(完全体育会系の店)・・・と気合を掛けて送り出してあげました。
【オオクワ採集に纏わるトラブル回避の為に・・・】
確実に採集者が増えていってる昨今、昆虫ファンが増えるのは個人的にも商売的にも喜ばしいのですが、マナーが悪い人も確実に増えているのも実情で素直に喜べんのです。
知らないでやっちゃった人も居れば、熱くなり過ぎてやっちまった人、そもそも頭がおかしいんじゃないか?という人様々です。
別にそんな人には嫌われても結構なので事例を挙げてもう一回注意喚起しておきます。そうでないと近い将来虫捕りははじきだされちゃうんで・・・。
①焼山等で民家の窓にライトを当ててるバカ者が居る。
②同じく民家のプランターなんぞを下に隠れてないかどかして見てるバカ者もいる。
③敷地内に入り込んで捜してる不法侵入者も居る。
④ライトトラップをしている人の側に無断無言でやってきてせっせと落ちている虫を拾い始めた子供連れのバカ者が本当に居た!とのこと(師匠の時代にも全く同じことをしていた輩が居たと聞いてますが絶滅してなかったんスね!)。
①~③は知らないか熱くなっちゃった人だと思いたい・・・法に照らし、自分の家に同じようなことをされたら・・・と考えてみてみましょう。
それでも思わずやっちゃう人はこの趣味を続けるのをシーズンオフの冷静な時期に考えてみることをお勧めする(勇気ある撤退)。
④の人は多分頭の回路がそもそもショートしてるので多分何を言っても駄目なんだろうが、一応教えて諭してそれでも駄目なら強制退場しかない(殴ったらあきまへんで)。
恐るべきことに師匠の時代に同じことをした輩は実は教育者だったと言う事実がある。
そんな人間に教わった子供は悲劇だ。
それとも子供の前だけではもっともな事を言いながら虫を見ると変身する狼男なのかも?。
オラも民家の庭先にオオクワ見つけたら生つばゴックン!て飲みながら『ど~するヨ?』となることは想像できる、人間だもの・・・(相田みつを風)。
でもそれで虫捕りが出来なくなったら一生の趣味をフイにすることになるかも知れない。
物欲は怖い。やっちゃいかんことはやめときましょう、自分の為に・・・。
【今期オオクワ採集数Ⅱ】
そろそろ道具を片付けましょうか?と皆さんが思い始めた今日この頃・・・。
纏めてみましょう。確定数字で37頭だス。
だから申告なしの分を含めて40以上50未満ってところですな。
皆さんお疲れ様です。
えっオラはどうだったかって?そいつは聞かない約束で・・・。
【採集再開!昨夜のオーラ】
やっと両親の介護から開放され、楽な気分になれるかと思いきや、寂しさと雑用が押し寄せてきて採集どころかブリード作業もできなかった。
昨日の午後、又もオーラを感じたので師匠も今夜は行くような話しだったので電話してみた。
オラ:『今晩飛ぶと思うんですが?』。
師匠:『今晩は飛ぶべ~!』。
オラ:『今晩友達と行くような話しでしたが、行くんスか?』。
師匠:『いやっ、行かねェ~、だって今日は秋限定ビールの発売日だも~ん♪』。
閉店時間、漂うオーラに我慢出来なくなり、車を走らせたら途中で師匠から電話が来た。
『ビール飲みながらくつろいでたのに、友達から一緒に行ってくれるって言ったべさ!と強引に拉致されて今山に向かってる・・・』とのこと。
オラは蔦ラベルの新しいポイントに向かったが、ボサが掛かっていて入れずウロウロしている内に時間が過ぎたので余り好きじゃないポイントに入らざるを得なくなった。
案の定小型普通種しか来ないが、久々の採集に心が躍る。
途中で怪しいのが上空を通り越して行ったが確認できず、普通種の飛来も絶えたので、ポイントを変えることにした。
次のポイントは多分誰も知らないところで、昨年見つけておいたところだが、かつて大師匠がこの谷筋の材割りで幼虫を出してるのでいるので棲息はしているはずだ。
ところが、前のポイントで粘りすぎたかろくなものが来ない。
やがて師匠達が帰り際にやってきた。
オオクワ♀を1頭採ったとのこと。
『やはり飛んでましたね』、ピカピカの新しい虫だったそうな。
緑色のライトの光の下で同行した友人の顔が紅潮しているように見えた。
採れた瞬間、やはり叫んでしまったそうな(オラもそうだった分る・分る・・・)。
結局燃料も切れたので諦めたが、やはり採集はいい!。
オラはこっから仕切り直しだ・・・。
【今期オオクワ採集数】
前回発表の8頭採集を超える人がいた。
この方の採集に賭ける執念と努力はハンパじゃない!。
他人の10倍も努力している。
採れるのは当たり前か・・・。
で、今期の採集数を中途集計してみた。
確定数字で25頭(その7割を2名で採集している)内、♂は確定で2頭だ。
だから、全体で30頭超えたか?というくらいですね。
師匠方の時代の数字はもはや幻と化した・・・。
採れる人が居なくなって個体数が増えているならいいが、数が減っていてその原因が奥入瀬渓流の無策の伐採というのが悲しいところです。
【昨夜のオオクワ】H.23.8.25
飛んだね、間違いなくオオクワが・・・。
閉店時に、店の前の街灯に群がる夥しい数の羽虫や甲虫、そしてそれを捕食するコウモリの騒ぎ方。その他条件も揃っている。
そこで今年から採集マシーンと化したYT氏を派遣すべくTELしてみる。
『飲んじゃいました~!』なんと言うことだ、チャ~ンスなのに・・・。
今日師匠が来たので意見合わせの為に聞いてみようと『昨日の晩なんですが』と言ったとたんに『飛んだな、間違いなく』と即答だった。
それほどのオーラが漂っていた。
因みにオラの耳に入っている限り今年採集で多く採っている人は10日くらい前の時点で8頭だ。
そういう人は多分こんな日を殆ど逃してないだろうて。
オラは・・・暫し我慢だ・・・。
【○○○○○島産メタリフェル羽化】
採集家T-TOP氏から売って頂いた○○○○○島産メタリフェルの♂が羽化してきましたので画像をUPしてみます(いや~画像貼るの久しぶりです、理由は自分のデジカメがおしゃかになったままなので、若い友人に撮ってもらったと言う・・・)。
この○○○○○産のメタリフェルは有名産地であるペレン島の南に有り、船で約3時間ほどの距離にある電気も水道もない小さな島とのことです。
T-TOP氏が確か日本人で初上陸した島で、クワガタを持ち帰ったのも初だったと思います。
氏が採集した野外品は見事なブルー個体で、その側に居た♀も持ち帰り、追い掛けした直仔WF1のペア(♂グリーン)を譲ってもらった訳ですが、氏がブリードした際は♂に偏り、♀が2頭しか羽化しなかったそうです。
もう1頭の♀は別な方に譲ったもののブリード前に★になったそうなので、生きている○○○○○産メタリは今ここにしか居ないわけです。
今小さい順から羽化してきているのですが今のところはノーマル色しか出てません(T-TOP氏からちょっと現地の環境情報を頂き、ヒントになったのでこれは次世代で試してみます)。
亜種としてはフィナエになると思うのですが、ちょっと頭楯の形状他が違うのでは?という前述のホソアカ好きの指摘もありましてワクワクするところです。
下の画像の個体は大顎が曲がって、ちょっと本土ノコの『水牛』のようになってます。
同じ様に曲がった個体が3頭出てるのですが、これは多分蛹室が狭かった為の事故個体と思われます。
けど、それなりにT-TOP氏風に言えば『カッチョブー』だったのでこちらを載せました。



○○○○○島産メタリフェル F2 水牛タイプ(笑)。
最大内歯付近から外に張り出し、先端で内側を向いたところが『カッチョブー』。
両顎は同じ角度で曲がってま~す。
【8月14日の空気(オーラ)】
8月13日はただならぬオオクワの気配が漂った日であり、前の記事に書いた。
それでは・・・っと翌日はどうだったんでしょ?これがねェ~駄目なのヨ。
気温、湿度、はほぼ同じ、月も隠れていると言うのに・・・。
店の側の街灯を見たら羽虫の数が前日の三分の一以下だった。
肌に触れる空気の感触が『何か違うんだな~』。
普通種はそれなりには飛んでいるでしょうが、オオクワは?というと飛ばないことはないだろうが『絶対飛んでいる』という感触じゃないんだ、不思議なり・・・。
後日師匠が『家宝』を見せにきてくれたので13日の感触を聞いてみた。
『絶対オオクワが飛んでたべ』との返事だった、や・は・り・・・。
では、と翌14日はどう思いました?と聞いたら『まいね!(駄目だの意味)』。少しずつながら師の域に近づいていけてるのだろうか。
後は師匠の掛けてる『虫眼鏡』・・・あれさえあれば・・・と師匠のメガネを物欲しそうに見つめるのでした。
【累代障害の出ているオオクワに産卵させるには?】
全てではないが累代の進んだ所謂『血統物』を飼育している当店お客様から『産まない』ので困っているとの相談がよく出てくるようになった。
この場合『血の入れ替え』が特効薬だろうが、経済的又は形や大きさが崩れるのでは?というような懸念、そしてもう既に手に入らない!といった辺りが血統物を飼育する人の悩みの種ではありましょう。
その他で対処する方法としては考えられるのは以下の方法ですので試してみたら如何でしょうか?。
◆幼虫、成虫の餌を変える◆
累代障害によって『体質が弱体化』していることが問題であれば少しでも体質強化の改善の為に餌を変えてみるのもひとつの手かな?と。
・幼虫にしろ成虫にしろ自然界では意外と他幼虫や蛹等をオオクワは捕食していますのでこれを与えてみる。但しオオクワより弱いのを入れないと逆襲されて本末転倒になりますぜ。
・幼虫飼育時にローヤルゼリー(高純度)を与えると産みがよくなるという話も聞きます。
◆産卵木を変える◆
・堅さや産卵木の樹種を変える他に天然のカワラ材やニクウスバタケ材を使用してみるのも手ではあると思います。
青森県の場合ですが、野外生体はカワラ材には入りにくく(産みにくい?但し大型が出る)、ニクウスバタケ材には多産する傾向がありますキノコの種類の点もあろうかとは思いますが、カワラ材使用の場合はキノコの勢いを少し殺してから使用すると当方ではいい結果が出ております。更に幼虫の糞を材に塗りこんでバクテリア材とするのも古典的ながら有効でしょう。
◆マットを変える◆
所謂『埋め込みマット』ではなく『バクテリアマット』(産卵促進)や高品質の微粒子マットを使用して底を堅く詰める。
通常マットで材を齧ることは齧るんだが産まない!というお客様が高品質微粒子マットであるKBファーム社製『フェロールマット』を使用したところやっと産んだ、しかもマット産みもしている!とのことでした。
当方でも使用しているセットがありますが、反応が早くやはりマット産みもしております。
その他の理由として大型であることから成熟していない可能性とかもあろうかと思いますし、同じ兄弟でも遠ざけていった中から種親を選ぶ等の多少の改善策はあろうかと思います。
【青森県オオクワガタ分布の昨今】
青森県はかなり広範囲に渡ってオオクワは棲息している。
多産地の他に広く薄くピンポイントでひっそりと棲息している場所もある。
未発見なのは津軽半島と下北半島くらいで八甲田山系と白神山系に連なっているところはどこにでも居ると言って過言ではない。
今や生息数だけなら全国有数といって過言ではないし、いまだに7cmUPの野外品が採れるのは全国捜してもそうある訳ではあるまい。
にも拘らず毎年採集される数が少ないのは採集者の数と技術が高くないのもひとつだが、最大の理由は採り難いからだ。
林道が通ってない手付かずの山なんぞなんぼでもある。
だが、それがいまだこのクワガタを絶やさないで存続している最大の理由か・・・。
オオクワは条件さえ整っていれば民家の側だろうが自然繁殖しているものだ。
かつて30年ほど前まで八戸市内で採集されていた個体は皆短歯の原歯型だったと聞く。
その当時で既に棲息できるギリギリの環境だったのだろう。
その場所においてはもう既に絶滅したと思われるが、そこに棲息していた全てが絶滅したとは思えない。
存続していける限界に近づいたその時、限界ギリギリまで小型化した個体がその代償として得られた飛翔力で新天地を求めて飛んだはずだからだ。
この八戸の例と同様なのが弘前市の例だ。
弘前市の某所にて僅か十数年前まで棲息していたが、前の『オオクワブーム』の際に採り尽されて絶滅したという話と、僅かに残っていた産卵木の破壊との両方で居なくなったという話を聞いたことがある。
この両市の状況を比較すると八戸の方が深刻だと思える。
その後の長きに渡って近郊での採集例が無いこと及びその近郊も開発されていて逃げた個体の次なる安住の地が無いのでは?という懸念からだ。
この点から言うと弘前市の方が樹層の良い山に近いからその子孫が生き残っている可能性が高い気がする。
両市ともにかつて生息していた地点からせいぜい5キロ以内くらいに良い樹林帯があればそこに逃げ込んでいるのでは?と考えてみたりもするのだ。
大まかな県内の分布図を把握するというのがひとつの自分の使命だと思っている。
何も調べず、手を付けずそのままが一番だという考えの方も多々あろう。
だが、一番環境破壊になるのは大規模な開発等だろうというのが自分の持論であり、毎年の奥入瀬渓流の立ち枯れ伐採などはその実例と思っている。
あそこはその周辺にまだまだクワガタ達を育んでいける環境があるから絶滅することはあるまいが、一晩でバケツ1杯採ろうと思えば採れたアカアシが今や数十匹まで激減したのは紛れもなく伐採の影響だ。
危ういバランスでかろうじて棲息している場所で同じ事が起きようとした時に『ここにはこういうのが棲息してますよ』と指摘できなければ保護も何も出来ないと思うからなんです。
津軽地方のとある山で『怪しい』と思える山があるが、恐らくそこは今後もそのような大規模な開発や伐採がおきないであろうと予測してるから、捜す順番のリストでは最下に位置付けしてる。
この山について師匠と語る時、あの手前の国道を渡った勇気あるオオクワがかつて居たか?どうかが問題だよな、とか言ってふたりで笑っている。
ともあれ、ひとりの採集者が一晩でオオクワを15頭採集した時代はとっくに終わっている。どこにどういうのが居て、どう残すかという時代の入り口に入っているのかな?。
余談だが、ある採集禁止になっている昆虫を秘かに密猟していたグループがあったらしい。
採集だけでなく飼育のプロ集団であった彼らの唯一つけなげであったことは増やした個体をその採集現場に戻していたということだった。
それと平行して国の研究機関が絶滅回避の為にこの虫の人工累代飼育を研究し出したが、飼育法が分らず失敗続きであったところに『指導』したのが先のグループであったというから何とも情けない・・・。
このグループの蜜蝋行為はやはり『アウト』でしょうが、国の研究機関の方には『力無き正義は無能なり』と言えなくもない。
【昨夜の空気をあなたは感じましたか?】H.23.8.14
昨夜の閉店時にババモスラの体調が悪いので急いで帰宅しないと・・・と片付け始め、外に出たらただならぬ『フォース』を感じ店の側の街灯を見上げたら羽虫がうじゃうじゃと・・・。
で、空を見たら月が隠れている!。
気温、湿度他全ての条件が揃っており、『ムムムムムムッ今宵は奴が飛んでいる!』と確信しました。
昨夜採集に行った人手を挙げて~!。
採れたでしょ?オオクワ。
採れてなかったら、それは見つけられなかったか、運が悪かったか・・・。
昨日の夕方店に来た今期絶好調の方は昨日も行く様子だったので更に追加を出しているような気がします。
前に書いたでしょ?採る人は採るんだって。
でも焦らなくていいですよ、諦めなければいずれオオクワの方からあなたに会いに来ますから。その方が感動は大きいって。
その時あなたはきっと自分は大人だと言う事を忘れてこう叫ぶんだ『オオクワだぁぁぁ~!』と。
【本年度オオクワガタ採集状況】
オオクワガタ採集も終盤戦に入って参りました。
以前の記事で今年は街灯などが消えているから厳しい戦いになると予測申し上げましたが、それでも採る人は採るとも申し上げました。
これまでレアと新産地ばかり追い掛けていて他の状況がどうなのかいまひとつ掴めてなかったのですが、幾つかの情報が入り漸く見えて来ました。
予想通り殆どの人が『轟沈』している中、数人だけが結構な成績を残しているようです。
それでもその方がたの数字を足しても指10本いったかどうかで、全体でも20いったかどうかでしょう(多分いってない)。
これらの方はライトトラップも持っているが街灯廻りで採った数が約半数ですから飛んでいる時に行っているかどうかと、見つけられるかどうかの違いだと思います。
さて、ここからが重要。
『ムシキング』全盛時にも踊らなかった我が青森県ですが、今確実にヒートアップしてきていることは間違いないと思います。
が、それに連れて『トラブル情報』も確実に増えております。
他人の敷地に入り込んで怒られた(当たり前だ!)。
私有地に入り込んでライトを炊いた(何を考えとる?)。
某温泉付近でライトトラップをして、終わってからそこに泊まらずその温泉の駐車場で車中泊する県外の方も増えているそうで、そこの社長さんも頭にきているらしいとの情報もある。
このままではクワガタ採りは皆悪者にされて締め出される恐れがあります。
商売の鉄則は『ギブアンドテイク』であり、クワガタ採りも同様であります。
この温泉車中泊の方もケチらずにその温泉に素泊まりでよいから泊まればいいのです。
虫がよく落ちる自販機を置いてる店の方とは買い物をしたり何度も顔を合わせて仲良くなっておけば、クワガタ採りはいいお客さんとなるはずでお互いに良い関係が構築できると思うのですよね。
そこまでするかよ?という意見もあろうかとは思いますが、この趣味を健全に長く楽しみたければ今後こういうことが重要になると思います。
師匠方の仲間が盛んに採集していた時代は自分が廻る街灯、自販機の持ち主とこうして仲良く関係を築き上げていたからトラブルとはほぼ無縁だったのです。
【師からの叱咤激励】
今年から向こう2年間はオオクワ採集に関しては『レア産地と新産地開拓だ!』と心に決めて、貧果は覚悟していたものの、ボウズ、オデコ、ハズレの無い無い尽くしの連続でちょっとメゲて来ていた。
記事にしたのは13ラウンドだが、実は車で行けない場所に爆弾(*ライトトラップの事)一式を背負って一人で荷上げしての採集もしていたのだ。 だが、採れない・・・。
別件で師匠に電話した際思わず愚痴がこぼれたら、師は厳かにこう言った。
①まず方法が良くない。
②努力が足りない。
師曰く、『オラは台風が来ない限り5連ちゃんだろうが、雨降ろうが風強かろうがとにかく行ったんだ!』と。
頭を『*タコ採り名人』でガ~ン!と殴られたように目が覚めましたな。
有りがたいことだ。
もう迷わない!熊が出ようが『そこを退け~!』と突き進むのだ、凡人にはそれしか出来ないのだから。
*『タコ採り名人』=まるでクワガタ採集用に作られたかのような頑強一筋の斧。
【カブトムシ注文品採集終了】
大量注文を受けていたカブトムシがやっと揃った。
♀が産卵行動に移っているため難儀したがやれやれだ。
全盛期には二日間4回で100匹集められたのだが同じ木でやって7回掛かったので計算上は復活率57%強となるんだが、今年は発生が過去最速だったので、注文がもう1週間~10日早かったらもっと楽に集められたであろうことを考慮すると復活率は70%程度と考えるのが妥当でしょうか?。
採集した個体を見るとやはり大型個体が多いほか、ノコギリも大型が多いと思いました。
来期はどう変化していくのでしょうか、興味のあるところであります。
【カブトムシの採り方】
意外にもカブトムシの採り方を知らない人が多くて『どうやって採るんですか?』と聞きに来る人が結構いらっしゃるので我流ですがちょっと書いてみますね。
まずカブトムシの成虫を採集する方法はおおまか次の通りです。
①灯火採集(街灯廻り、ライトトラップ等光に飛んできたものを拾う方法)。
②樹液採集(樹液が出ているコナラの木などを捜しておき、日中や夜に樹液を吸いに来たカブトを採る方法。
③餌トラップによる採集(主にバナナやパイナップル等の果物を発酵させたものをパンストなどで包んで木に仕掛け、それを食べに集まってきたカブトを採集する方法。
①は最もお気軽に楽しめる方法でかつ安全性が高いので小さな子供を連れての親子採集などでは最適。
更にカブトだけでなく、クワガタやカミキリムシなど他の昆虫も採集出来る楽しみもあります。
但し、目標の虫がよく落ちる場所を予め調べておかないとただのナイトドライブになりますよ。
ねらい目は新月廻りの月が隠れている時か曇りの日で蒸し暑いような日が良いです。
注意点として以下の事に気を付けましょう。
・親が夢中になって子供をほったらかしにしないこと。
・蛾や小さなカミキリモドキ等は毒をもつ物があるので素手で触らせないこと。
②樹液採集は樹液の出ている木を捜すのが最初は大変ですが、何本か見つけておくと次年度も同じ木で採れる確率が高いのでトライしてみる価値があります。
又、カブトの他クワガタやカミキリも採れますが、大型が採れる確率が高いところが面白いです。
樹種はコナラなどの『ドングリ系統の木』ならOKです(クヌギは青森県の場合自生北限を超えてますので植樹したもの以外生えてません)、他には栗の木等も良いです。
樹液の出ている木を捜す目安としては樹液を吸う蛾やカナブンや蝶、蜂を見つけることです。
それらが沢山飛んでいる場所では近くに樹液が出ている木があります。
桜の木はよく樹液を出してますが殆ど何の虫も寄りません(多分不味いんでしょう)。
その他場所の選定として、林道や沢筋、山の尾根等に沿って捜していくことになります。
勘違いしている人が多いのですが、鬱蒼とした『森の中』には獲物は余り居ません。
彼らは飛んで移動する関係上開けた空間の『道』が必要なんです。
よって彼らが沢山いるのは『森の縁』なのです。
慣れれば夜間の樹液採集も可能ですが遭難する可能性もありますし、夜は『ビーティング』という木を叩いたり蹴ったりしてその振動で落とす方法が余り通じません(落ちる前に飛んで逃げてしまう)。
昼でも日差しが直接当たらない薄暗い場所なら日が高く昇っても採集可能です。
時間帯によって日が当たる場所は明け方に行くのが良いでしょう。
注意点としては次の通りです。
・経験を積んだ人がそれなりの装備や機器を携行している場合を除いて夜の森には入らないこと。
・熊などの獣には充分注意のこと。
・日中の樹液にはスズメバチも来る他、虻や蚊などの吸血性の虫対策として防虫スプレー等をお忘れなく。
・樹液採集では服装が大事、帽子、長袖長ズボン、手袋(軍手もいいが、豚皮手袋が最高!)タオル持参のこと。
③果物を利用したフルーツトラップが一般的なのでその説明をします。
パイナップルもいいんですが値が張るので、ここはやはりバナナでいきましょう!。
そのバナナですが、青森市ではスーパー○○○○の特売バナナがよろしい(すごく安いし、人間が食べれる限界近くまで熟しているので虫用にはすぐ使える!)。
バナナに切れ目を入れてタッパーなんかに入れ、焼酎をまぶして数時間~半日日の当たる場所に置いておけば完成。
時間が無くて急ぐ時はバナナをレンジで皮が茶色になるくらいにチンしてから焼酎をまぶしてもOKで、出来の目安としてネッチョリ、グッチョリで、入れ物であるパンストに包んだ時汁がちょいと垂れてくるくらい(だが中心部はまだしっかり感が残っている感じ)がベスト。
これを黒いパンスト(肌色パンストより何故か黒の方が成績が良い!とワシは信じてる)に包んで木に縛り付ける。
ノコギリクワガタなどは低い所に仕掛けたトラップには余り数が来ないのでロープに縛って高い枝等に放り投げてセットしたりするのだがカブトもやはり高い方が成績は良いが採るのが別の意味大変になるし食い気の塊であるからカブトは低い位置でも充分な数が採れる。
よってカブトの場合は手が届く範囲でなるべく高い位置にセットする。
この時人によっては枝に吊るす人がいるが、バナナトラップが乾く(効果が無くなる)のが早まるのでやはり木に縛り付けた方がいいと思う。
入れ物もミカンを入れてるようなメッシュの網に入れてる人がいるが、同様の理由で乾くのが早まるのでやはりパンストには成績で敵わない。
日中にセットしてその夜から見回りするとすると、当日よりは翌日以降の方が発酵も進み、寄りがよくなります。
セットする場所の選定(ここ大事です、テストに出ますよ!)。
コナラなどの木が林道の脇に沢山生えている場所なんだが、大きな太い木と細めの若い木が混在しているような場所で、日中日差しが入らない日陰になるような場所。
で、更に近くに堆肥を作っているような農家があるか、葉っぱや落ち枝を集めて山盛りにしている所が近くにある場所(ダムの側なんかや、山手の墓地や公園なんかがそれに当たる所が多い)が条件が揃っている場合が多い。
以上の説明をしますが、大きな太い木は樹液は出し難いのであるけれど落ち葉は沢山落とすからその腐食層を食べるカブト幼虫を育む。
若い木(直径10~30センチくらい)は木肌が柔らかいので樹液を出しやすく、成虫を育む。日が当たらない場所はトラップが乾き難いし、日中でもカブトが残り易い。
堆肥や葉っぱの山はそのままカブト幼虫の養殖場である。
よって上記のような場所はカブトが沢山居る可能性が非常に高い訳。
更にバナナを漬け込んだ汁は取っておいて採集の都度トラップにスプレーして手入れしてやると成績が上がります。
注意点は次の通りです。
・採れるからといって不必要な数をやたらに採るな!。
・トラップは仕掛ける場所をよく考えて人に迷惑や不快感を与えるところには仕掛けないこと。
・私有地の場合持ち主に許可を得ること。
・仕掛けたトラップは終わったら必ず回収すること(これやらない人がヒジョ~に多い!)。
以上に気を付けて可愛いカブトを愛でて下さいまし。
【カブトムシの恐怖】
初めてのお客様からイベント用にとカブトムシ50ペアの注文を頂きました。
が、山の養殖場のカブト達はとっくに羽化して旅立ってしまってる・・・。
これが春6月頃の予約注文だったら幼虫掘って溜めるから100匹だろうが200匹だろうが鼻歌気分で楽勝なんだが・・・が、受けた以上は集めなけりゃならん!しかも短期間で・・・。
カブトムシが沢山居るポイントは4~5箇所知っているんだが、それぞれ距離が離れ過ぎている・・・。
ガソリン代掛けて、時間を掛けてそれらを廻れば100匹は集められるだろうがそれじゃペイしない。
頼みは養殖場近くの3本のご神木、これしかない!。
3~4年前だったらこの3本の木だけで100匹採るのに朝と晩の2回行って良ければ2日、悪くても3日あれば楽勝だった。
が、一昨年壊滅的打撃を受け復活途中にある今この3本の木だけで100匹採るのに何日かかるかで逆にどれくらい復活してるか分ろうと言うものだろう。
そんな訳で一昨日の晩から採り出して3回で今のところ40頭弱だ、やはり全盛期に比べるとまだ少ないな~。
この手の注文の辛いところはカブトを溜めておくと①スペースを取られること②餌を食われること③管理の手間を喰うことの三つである。
相手はカブトムシだから、納期まで1週間もあると最低2~3回は餌をやらなけりゃならんのだが100匹となると1回でゼリー100個は食われちゃうわけですよ、トホホ・・・。
一昨年店の近所の小学生がカブトムシを買ってくれて、産卵セットを組んだことが無いとのことで、組んでやったら後日おばあちゃんに連れられて産んでるかどうか見て欲しいと又来たんだが、割り出してみたら1♀で70頭近く産んでいて更にその♀はふ節切れもなく体重がまだ重くまだまだやる気満々!という当たり♀だった。
初めて幼虫を採ったので、その子に『もう1回セットして!』とお願いされたんだが、止めといた方がいいよ~と、次の説明をした。
カブト幼虫は1頭当たり孵化から羽化までの間に約10ℓ近くのマットを食べること。
羽化したら1頭当たりゼリー1個は1日で食べちゃうこと。
おこずかいじゃとても足りないでしょ?せっかくのお年玉もみんなカブトに食べられちゃうよ!と。だから、全部飼うんじゃなくて10頭~20頭残して後は友達にプレゼントしてやれば君『ヒーロー』だよと言ってやったんだ。
その子は自宅に友達を呼んでゲームをし、勝った人に幼虫進呈!とかやって楽しんだらしい。
愛嬌があって魅力的な虫であるカブトだが、虫屋にとってはやっかいな困った子ちゃんなのだ。
【宅急便屋カブトムシ採りに嵌る】
オラの店の指定宅急便屋はヤ○トさんで、担当はT君である。
このT君『今日荷物あるから集荷お願いね~』と電話してもよく忘れて事務所に帰っている・・・。 だが、その分他でサービスするので許しているんだ。
そのT君、親戚の子供が夏休みを利用して遊びにきているのでカブトムシを捕まえてプレゼントしてやりたい、と言うのでそれは良いことだ、と『バナナトラップ』の作り方や仕掛け場所などを一通りレクチャーしてやった。
数日してから配達に来たので『採れてるか~?』と聞いたら1匹も採れないと言う・・・。それから数日して又配達に来ても1匹も採れないと言うんだ。
かなりの回数通っているみたいだし、トラップを保たせる為の手入れもちゃんとやっているという。
いざとなったら、ここで買って『採れたことにしようかな』とか言うので『馬鹿者!子供に嘘ついてどうする!カブトムシくらい採れんで宅急便屋の営業が勤まるか!』てな訳で彼の付けたトラップを夜チェックに行きましたところやはり仕掛け方にいくつか原因がありました。
そこを指摘してやったのですが、その後は順調に採れているみたいです。
だが、バナトラの奥義『黒パンスト』を教えるのを忘れてました(気になる方は以前の記事、カブトムシはスケベ?を参照のこと)。
何か今はT君その子を喜ばせるというより自分の楽しみで行っているみたいだ・・・。
【レアオオクワ採集第13ラウンド】H.23.8.3
昨夜は気温等の条件があまりよくなかったのだが、オラの風邪がババモスラ(母)に移ってしまい、悪化が予想されることから行ける時には全て行っておこうと決めた。
今回は先の優先ポイントではなく『本州最北端のオオクワ記録の更新』を目指して未発見地帯へと突入だ。
今のところ本州最北端のオオクワ採集記録ホルダーは青森市在住のCさんであり、2番目がその近くで採ったオラの♀である。
このCさんの産地よりも更に北で採ったという噂は他にもあることはあるのだが、『採った』と言い張っていても現物を持ってなかったり、状況を聞いても有り得ないような不自然さが漂っていたり、問い詰めたら『見たんだけれど採ってはいない』に変化したりして眉唾だった。
師匠が昔その本州最北端のオオクワを求めて県内某所をうろついていた際見つけた原生林が今回オラの行くポイントだ。
だが、師匠もそこは『危ない・遠い』という理由の他に少しクワガタから距離を置き始めていた頃だった為に殆ど手付かずでそのままになっていたところなのだ。
師匠の仇は弟子が打つ!と勇んで出掛けた・・・と言いたいところだが実は風邪が治りきってなく、連日の採集で鼻水ジュルジュル咳ゴホゴホのヘロヘロ状態。 現地に向かったところでいきなり事件は起きた!。
道路を走っていたら、左から『大きなわさお』が道路に出てきたと思った・・・。車は走っているのでどんどん近ずいてくる。
『プーさんだっ!でっけェ~!』。
道路を横切りお尻が茂みに隠れる前の時点で車との距離は3~4メートルの至近距離!。プーさんとは昨年も青森市内の山中で遭遇しているが、こんな至近距離は北海道は登別での『熊牧場』以来だ。
その物体を熊と認識した瞬間にまず頭に浮かんだのが『熊の胆が欲しい(0.2秒)』。
車で轢く→轢ける大きさではない(0.4秒)、車でアタック→車壊れる採集不能(0.4秒)。
・・・とまあ約1秒で結論が出た。 →見送り。
今日師匠にこんなにでかかったんスよ~!と報告したが『普通でェ~♪』とあっさりしたもんだった。
その後ポイントへの入り口が分らず多少うろついたが、林道へと突入。
もう既に辺りは真っ暗。
なるほど凄い所だ・・・何が凄いってまず道が悪い!。
尖った石がゴロゴロ、今にも崩落してきそうな岩肌、濡れるとブレーキ踏んでいても滑り落ちていくという噂の粘土質の坂道・・・。
『峠まで4km』という看板だけが心の拠り所。
『爆弾場(ライトトラップの場所)はどこ?峠はまだ?』心の中で呟きながら慎重に進む。
もしも崖下に落ちたらどうしよう?師匠にはここに来ると言ってあるから店が4日も閉まったままだとなったら捜しに来てくれるかな?とか考えていた。 樹層が変わっていく・・・。
凄い原生林だ・・・だが、何かおかしい、何か気に食わない・・・。
勾配がきつくなった後緩やかになった。
ここが峠に違いない、しかし木が邪魔してライトが効かない感じ。ここまでで上空が少しでも開けているのは1箇所しかない。とりあえず止まった場所付近に大木の立ち枯れもあるのでライトを点けてみるが、ガスが出てて状況最悪!。
すぐにミヤマ♀が1頭飛んで来るがそれだけ。
一旦片付けて50メートル降り、少し上が開けた場所で再開。
ここで気に食わない理由が分った、獣の姿を、殊にコウモリを見ないのである。
ミヤマ♀がいたのだからクワガタそのものは居る、しかし全く甲虫が騒がない条件の時に来てしまったか?。
その後1時間半粘ったが何も来ないので山を降り、いつもの場所で幻の赤ノコを狙う。
この時点で時刻は午後11時40分。
♀はそこそこ飛来するがまっ赤っ赤が来ない。
午前1時を過ぎた・・・帰れば3時半か・・・終了のゴングが鳴った。
ヘロヘロ、フラフラと帰路を辿る・・・クワガタ屋の苦悩は14ラウンドに持ち越されることになった。
帰宅後、心を癒す為にチュウ太郎(マイペット)をベッドに横たわりながら抱っこしていたら、いつの間にか深い眠りに落ちていた・・・。
【ボディーブローが効いてきた】
昨日は朝からルッキング午後店の虫の餌替え、夕刻~遠方レア産地オオクワ採集と、ずっとこんな感じで、お疲れモード。
レア産地オオクワの採集は今期15ラウンドは戦う!と宣言していたが、早くも12ラウンドを消化してゼロ、ナッシング、ボウズだんず(なんだ)。
これに費やすガソリン代も痛いが時間と体力が奪われ、ボディーブローのようにジワジワ効いてくるんです。
レア産地のオオクワは今期2箇所に絞って狙ってるんだが、そのうちの1箇所はかなりの大場所なので、最終兵器抜きで400ワット2基のみでのトライは辛い・・・。
感覚的には1回当たり50~100メートルずつ寄せてきている感じで、1回で飛んでこれる距離ではない。
オラの打っているボディーブローは効いているのかいないのか?反応が結果でしか分らないのがこれまた辛いところ。
ところで、オオクワは1回の飛翔でどれくらいの距離をとべるのだろうか?。確かなデータは無いが、平均的な航続距離は短いはずだ。
ここで、街灯やライトトラップに飛来する種類別の順番を考えてみる。
最初に飛んでくるのはアカアシで、以降ノコギリ、ミヤマ、→コクワ→オオクワという順番であり、これは採集経験が長い人や定点観察をした人なら経験的に知っている。これは習性やその他条件にもよるだろうが、ほぼ飛翔能力の順に拠っていると思われる。
そして、これまで知られている身近な人の証言で確かな記録として以下のものがある。
それは以前師匠が外洋で夜の真イカ釣りをしていた際に船に飛んできたのが♂のミヤマで、岸からの距離5マイル(確か約10㌔?)離れていたと言う物だ。
風向きもあったかも知れないがこのミヤマは『かなり頑張った』。
おそらく当人も(当虫?)飛んでいる最中『これは嵌った!もう飛び続けるしかない!』と思ったことだろうよ。
因みに採集時いらないアカアシを川に流すとアカアシは浮くので(泳いで?)川下に流れ着くそうだが、ミヤマは溺れるとその人は言う・・・。
話がそれたが、大師匠が以前からオオクワを狙っていた大場所のポイントで手前の山と奥の山があるポイントでは、600ワットのライトで狙っていた際は歯が立たなかったが、1000ワットを導入して何回も繰り返して数年を経たら、今では600ワットのみでも採れるようになったとのこと。
これはオオクワは奥の山に生息しており、手前の山には居なかったものが徐々に引き寄せられてきて生息地そのものが若干変わった例と言えるのでは?。
又、師匠が長い経験から導き出した答えとして晩秋の頃のオオクワは1回で飛べる距離は『石を投げて届く距離』と思われると言っており、これは50メートル内外かと・・・。
以上を整理するに暫定予想飛行距離は200~300メートルではないか?と思っている次第・・。
【ルッキング採集スタート!】
ルッキング採集シーズンに突入しました。
一昨日来店のお客様がヒメオオ初ゲットとのこと、おめでとうございます。
今朝も、その前も『ルッキングの聖地』に確認にいったのですが林道整備の為重機が入っていて一般車両は侵入できずに空戻りでした(みちのく有料道路代返せ!)。
今朝も空戻りではつまらないので新たなポイント探しを兼ねて別ポイントを見てみることに・・・。 昨年もアカアシが鈴なりに付いていた柳に到着し、近寄ったところガサガサという音がする・・。
一瞬『プーさんか?』とドキッとしましたが、何とこれが師匠が大嫌いな山の野良猫。『♪柳の下~にネコが居る、だから~ネコヤナギ~♪』思わず口ずさんでしまいました。このネコ木に登ってクワガタ喰おうとでもしてたんでしょうか?。
その木には総勢15頭前後のアカアシがついてましたが大きいものから6頭採集し、次に春に下見していた場所へ・・・。
林道沿いの柳のあちこちの木に噛み跡があったのでシーズンインしたらチェックだ!と決めていた場所だ。
だが、こちらはまだ殆どの木に付いてない。
1本だけ黒いのが付いてたので網を6メートル程伸ばして挑戦したが、採り難いとこに付いており、結局落としちゃって正体を確かめられず。
だが、こんな感じのところはヒメオオ場所だったりするので後が楽しみだ。
ということで『燃えるルッキング採集』始まってます。
【カブトムシの大型化】
青森市産のカブトムシは平均的には小さいのだが、一昨年の蛹化時期に長期に渡った長雨で壊滅的打撃を受けた後、個体数の復活途中でサイズアップしているように感じていた。
理論的にも個体数が少なくて餌の量は例年とさして変わらないのであれば異常な天候に左右されない限り大きくなれるのは想像に難くない。
店に置いていたカブトムシの在庫が無くなったので今朝最寄のポイントに捕まえに行ったのだが、数もやはり回復してきていて来年には異常気象に見舞われない限り完全に復活すると思える。
そして今朝採ったカブトで目を引くのはその大きさだ。
例年目にする青森市梨の木の平均的サイズのものもいるが、これまでの最大級を超えるものも出始めた。
♂も大きいが、♀もデカイ。
この大きな♀がある程度数が復活しているなら、1匹が産む数も相対的に増えるので来年で完全復活かと考えるわけだ。
今日来た青森市雲谷付近をホームグラウンドにしている若者も雲谷のカブトもやはりサイズが例年より明らかに大きいと言っていた。
では、来年は大型カブトがウジャウジャか?というと、オラは最大級は今年がピークと考える。約2年間数が激減した為に豊富にあった餌は今年羽化した個体達がかなりの量を消費したと思うのです。
来年も以前の平均サイズより大きいものは混ざるとは思うがピークは今年、と言うのがオラの予想であります。
これらの事柄は裏を返せば、青森のカブトムシが今現代では小型なのは北国の気象条件よりむしろ山に『豊富な餌が無い』 ことを意味していると思います。
かつては農家の方の堆肥作りが盛んであった頃はそこで数もサイズの上でも成長できたでしょうが、それも少なくなった今、肝心の山が痩せていることが大きいと思うのです。
貧弱な2次林では貧弱な個体しか育てられなく、又青森市街地近郊に原生林の分厚い層があれば先の長雨の際生き残れた個体も多かったろうとも思います。
昨年は静岡のお客様からの情報で静岡で壊滅的打撃を受けてカブトムシが手に入らなかったと聞きました。
全国的に似たような状況は多々あるのでしょう。
青森市のカブトは小さめとは言え、西津軽郡の方が大きめなのは気象条件が良いこともあれど、むしろ広大な農村地帯の為堆肥等によるものではないかと思えます。
ここまで考えると、青森市産のカブトムシはどこまで大きくなれるのか?という素朴な疑問も持ち上がります。
ポピュラーな虫だが、真剣に飼育している人が殆どいない。
青森市産カブトムシで毎年8センチUPの個体を出してやる!・・・と言う方は居ませんか?。
そんな人が出てきたら素敵だな・・・と思う。
【捕獲率0.7%のクワガタ】
昨夜も最終兵器抜きでライトを担いで行ってきました。
今夜こそ・・・と思いきや午前中が雨、午後は降ってないから大丈夫!と山に上がったら路面が濡れている・・・(山は夕刻も降ったみたい)。
何やっちゅ~ねん!。
風も少し有り、薄っすらとガスも出てて最終兵器抜きでは自前と師匠からの借り物の400㍗2基が頼みの綱である。
予想通り結果はおもわしくなかったのだが、腿節黄紋消失型ミヤマの♀がやっと1頭採れました。
計算すると捕獲率0.7%弱で、昨年から見れば数がより少ない結果になってます。
余談ですが、このところ県外のお客様からノコギリクワガタの野外品の注文が多くて不思議です。
オラの店では地元の本土ノコの販売量は最低ランクで、これは買うのではなくノコギリは自分で採集して飼育するものという地元事情もあるのかな?・・・と。
じゃ、オラの店で一番売れる人気者は何か?というと、オラが手塩にかけて育てた外国産では勿論無く、『ミヤマ様』なんだな、これが・・・。
続いて2番目はカブトムシ幼虫、3番目にやっとオオクワなんですワン!。
そんな中秘かに人気上昇中なのがヒメオオで、年々問い合わせも増えているところです。貧乏な訳だ・・・。
【最終兵器はアッチョンブリケ】H.23.7.27
昨夜前回行った『便所の明かりが点いたり消えたり』の場所にリベンジに行った。
いつも件の場所と、ミヤマシャワーの場所の2箇所でやってくるのだが、新ポイントの探索をかねて回る順番を替えてミヤマ場所から始めてみた。
ところが、今度は必殺の最終兵器が『点いたり消えたり』で使い物にならなかった。原因をあちこちに尋ねて探ったのだが、安定器が問題という説と、発電機とのマッチング説とランプと安定器のマッチング説等諸説入り乱れてオラよく分んねえ。
2回目で例の便所の場所にも行ったが、今度は何も起こらなかった。
2箇所で合計100以上採れたと思う(数えてないし半分以上戻してきた)が、肝心の『あの娘』はまたも来なかった。
今回採れた中で良いものは、今期最大のミヤマ69.4ミリ(顎がかなり太く耳の張り出しが良い)と、ノコギリの大歯64.8ミリであるが、惜しむらくはミヤマの足が1本飛んでいたことだ。
結局夜中の1時半までやって又ヘロヘロになって帰ってきた。
だが、諦めない男は今夜も行く・・・。
ところで、今期はミヤマ♀の数としてはここまでで150頭位は拝んだのだが、腿節の黄紋消失型の♀が1匹も採れないでいる。
昨年の発現率は3~5%くらいだったから、確率からすると4~5頭は採れていていいはずなんだが、全く採れてない。
昨年の猛暑が起因しているのか?するとあれは低温で育った中から稀に発現するものなのか、どうなんだろう?。
【カブトムシが早く発生する場所】
青森市の雲谷(モヤ)と言うところは晩春~盛夏にかけてよくガスがかかっており、寒い場所なんだが、青森市内の街に近いカブトムシポイントの中では何故か発生が一番早い場所であり、長らくその理由が分からず謎だった。
梨の木という場所に比べると毎年1週間~10日程早いんである。
それが、ある人の記事を見ていて蒙を開かれた。
カブトムシも積算温度で羽化時期を見計らっているんでしょうが、その記事によると、カブトムシは寒暖の差が開いた場所で羽化が早くなる傾向があり、そういった場所は桜の花が咲くのが早い場所である、と言うような事が書かれていた。
雲谷・・・桜の花咲くの確か早かったような気がする!。
来年確かめてみよう。
ある程度の積算温度を達成した後は寒暖の差が激しくなったことで蛹化のスイッチが入ると言う事なんだろうか。
本日からがオオクワ採集の第二ラウンドだ!。約10日しかない・・・。
最終兵器を手に・・・行ってきます。
神は微笑むのか?それとも・・・何か『オレたちひょうきん族』に出てたキリストが出て来るような気が・・・。
だが、オラは知っている。
『良く考えて』、『誰よりも多く』、『しつこく、決して諦めない』、『採れるまでやる』のが最強なんだと。
【今年のカブトムシはやや大型?】H.23.7.24
カブトムシはとっくに発生しているので野外個体の今年の状況を確認しておかなければならん・・と思っていたが中々行けなかった。
今朝、チュウ太郎の餌を採りに行くついでに山のカブトムシ養殖場(養殖場とは名ばかりの廃マットを積んだだけの放置場)近くのご神木を蹴っ飛ばしてみることにした。
ご神木近くの木が切られたせいで環境が少し変わっており、今まで何の甲虫もついたことのなかった手前のコナラの木がスズメバチに穴を無数にあけられ、そこにスジクワガタが潜り込むようになっている。
さて、ご神木である。
全盛期には日中でも目視でカブトが十数匹付いていた木であるが、目で確認できない。
やはりまだそこまでは回復してないか・・・と、まずは一発前蹴りで蹴ったら6つ落ちてきて3つ見失った。
拾ったのは♂カブト1、ミヤマ1、ノコギリ1であった。少ないのう~。
だが、拾ったカブトとミヤマはこの場所にしては大型、ことにここで採れるミヤマは今まで全て小型の『コミヤマ君』だけだったんだが、6センチあった。
各1匹ずつでは何とも言えないが、一昨年壊滅的被害を受けたカブトムシが復活途中で餌が豊富、かつ昨年の猛暑で成長期間が充分にあったとしたら、やや大型化するのでは?という予想が当たっているかどうかはもっと数を見てみないと判断は出来ません。
県内の皆様からの情報をお待ちしております。
【ついに来た来たやっと来た・HID1㌔ランプ】
幾週間の時を越え、ついに来た来たやっと来たランプ。
『伝家の宝刀・最終兵器』のお出ましだあ~い!。
鼻穴広げながら、災害時や夜桜見物用みたいな『UVカット球』で山肌を優しくライトアップしていた事は前の記事に書いた。
これで全て整った(はず)、やっと採れる(はず)、ついに報われる(はず)。
あとは月齢の整う26日以降に『ニイタカヤマノボレ!』決行あるのみだ。
これで駄目なら『アッチョンブリケ!』(*ブラック・ジャック ピノコ参照)だば!。
【アカアシの大物や~い】
アカアシが大発生を迎えたと確認したので、じゃあ大型を採りに行こうと決めた。
今日21日は起きたら気温が低かったのでこれなら慌てる必要もあるまいと午前8時に家を出た。
まずは前回のポイントに再度行ってみる。
居る、居る沢山居るで~。
だが、ここは♂も♀も小型ばかりなのでポイポイ捨てて♂♀各2頭ばかりのお持ち帰りになった。
次が本命、『幻のオオクワ』のポイントは大型アカアシとヒメオオのポイントでもあり心が躍る。
風がかなり強いがそこは風裏になる場所もあるはずなので全く駄目ということもあるまい・・・と鼻の穴をフンカ、フンカさせながら向かったのである。
今回は又、クワガタとは別の下心もあった。
関西のお客様から、ある水棲生物の入手が可能かという打診があったのだが、結構居るとは良く耳にするものの、捜したことはなかったのだ。
その生物の生息条件・・・綺麗な水の穏やかな水流、低水温等を考えると『それだば、ここしかねェでばな!』(*それならここしかないだろう)とついでに捜してみる気になったのだ。
まずは大型アカアシだ!とルッキングを開始するがどのご神木にも、い・な・い・・・。『何でやねん?』。
昨年10月迄アカアシがへばり付いていた『キング・オブご神木』にも新しい噛み跡すら無い。『ホワ~イ????』。
じゃあってんで水棲生物を捜してみる・・・サンショウウオはいたがお目当ての生物はいない。『あか~ん!』。
その内に深みにはまって長靴の中が水でジャブジャブになった。
こ~なったら最後ヒメのご神木を駄目もとで拝んでおこう、と行ってみたが、な~んもおらん。『まいね!』(*駄目だの意)。
だが、ただでは帰らないのがオラという男。
ヒメのご神木近辺は実はウド(山菜)の宝庫でウドだらけだったのに気付いた。
これは来春の材割りはウド採りとセットだな・・・と、(オラ今日何しに来たんだ?)。訳が分らなくなってきた・・・。
【アカアシ大発生始まりました】H.23.7.18
本日午前6時、前回と同じ場所に今年第4回目の定期巡回調査に行きました。
まずは昨年見つけた噛み跡だらけの柳の林。
油断して網も持たずにズカズカ分け入り、大振りの木の幹に『オゥラッ~!』と蹴りを入れましたところ、この木の枝振りが良い為他の数本の柳にもこの振動が伝わりまして、一気に推定20~30頭のアカアシが落ちてきちゃいました。
で、採れたのはオラの頭の帽子の上に落ちてきたアカアシ1頭だけだったと言う・・・(ウヘ~)。
気を取り直してその上のご神木に行きましたらヒメオオマンションであるご神木がアカアシ軍団に『不法占拠』されておりました。
再度強制退去させようかとも思いましたが、このご神木は最初にアカアシが付いて傷を作り樹液を出してその後ヒメオオ軍団に追われてしまう『家賃の高いご神木』なのかも?ということで、10頭ばかり採集して後は残しておきました。
アカアシの大発生が始まったと言う事は、オオクワ採集の『第一ラウンド終了のゴングが鳴った』ということであり、心中は複雑であります。
てなことで、アカアシの大発生は(いつの間にか)始まってますです。
帰りに草むらに逃げ込む師匠の大嫌いなマムシを見つけたのでダッシュで車を降りて尻尾を掴み『オアラ~!』と1400CCブロー容器の中にブチ込んで、暫くぶりにジックリと観察しました。オラは何故か子供の頃から蛇を見るとやっちまいたくて仕方なくなるという変な癖があるのだが、前世でオラは蛇の天敵だったのだろうか・・・。
するとオラの前世は『マングースか?』 いやいや、チュウヒで良いので猛禽類ということにしておいて下さいまし。
【本年度ルッキング初採集】
昨年同様の猛暑が続いております。
昨年は海水温の異常な上昇によりむつ湾の養殖ホタテが壊滅的な打撃を受けたことは記憶に新しいところでありますが、今年も要注意でありましょう。
降雪が多かったせいで今年は中々海水温が上がらず稚貝が沢山採れなかった上にその成長が遅いと聞いてます。
稚貝の成長が遅れた上で一気に海水温が上昇すると昨年以上の大打撃を受けるかも知れません。
漁業者の方は色々知恵を絞って対策を練っていることでしょうね。
ここを乗り切らねばなりません。
前置きが長くなりましたが今朝9時にヒメオオのご神木に今年3回目の定期巡回調査に行ってきました。
午前9時にして気温27度もあり、この温度だとヒメはボチボチ木を降りてしまう温度です。
今度からは朝5時ごろから見回りしなければ・・・。
どのご神木にもヒメの姿は見当たりません。降りちゃったんでしょうか?
いいえ、新しい噛み跡がひとつも無いのでまだ来てないんです。
ヒメはもうライトトラップでは採れているので活動を始めているのは間違いないのですが、今はどこで何をしてるんでしょう?。
柳以外のカンバなどを齧って取りあえず腹を満たしてるんでしょうか?。
昨年見つけた柳の林で、通常は何本柳があってもクワガタが付く木はせいぜい1~2本が普通なのに7~8本が噛み跡だらけになっている物凄いポイントを見つけたのですがそこにもまだ何もいませんでした。
そこから標高が少し上のご神木に行ってみたら、なにやら黒いものが付いている・・・。
小型アカアシの♂でした。
このご神木はヒメオオの指定優良マンションなので、アカアシ君には申し訳ないんですが強制退去していただきました。
あと1週間ほどでアカアシの大発生が始まると思います。
大型アカアシのルッキング採集もボチボチ始まりますな・・・忙しくなるぞ~。
【昆虫採集と魚釣り】
この道に入るまでは相当な『釣りバカ日誌』を地で行っていたことは前に書きました。
それも海釣り一筋です。
長いこと釣りをやっていると気付くことがあります。
『あ~今日はいい潮が来てよく釣れた』と言う日は他の海域でもよく釣れているという事実です。
それがその日は日本全国どこでも同じかは分りませんが、県内程度はむつ湾で良ければ日本海側も太平洋側も大体よく釣れているのです。
魚が(海釣りの場合)良く釣れる為の条件は多々あるものの、大事なのは次の要素でしょう。
①潮の流れ。
②水温。
③海水の透明度。
④天気(風向きとその強弱を含む)。
これらの要素の中でとりわけ①は重要だと思うのですが、海は海水で繋がっているので良い潮が流れている日は広範囲において押しなべて釣れることに納得がいきます。
物凄く良く釣れた日があって、では次に同じ潮が流れる日はいつか?というと知らない人も多いかと思いますが釣れたその日を旧暦で見て次年度の同じ旧暦の日に釣行すれば、よほど荒天等に見舞われない限りほぼ同じ潮が来ると思って間違いないようです。
つまり非常に良く釣れた日は旧暦でチェックしておいてそのデータを蓄積していけば良いということになります。
1箇所だけ爆釣したというのではなく同日あちこちで釣れたと言う日を仲間やショップ情報を通じて収集すれば2年くらいで相当な情報量になるはずです。
さて、ここからが本題。
そんな『爆釣の日』ならぬ『タコ採れの日』を当てれないものか?ということです。
山は海と違って様々な左右される要素が多いと思います。
でも、師匠からオオクワ♂採りたかったらこの日は絶対に行けと言われた日に素直に行ったらちゃんと♂が採れたところを見るとやはりそんな日があるのではないかという疑問が出てきたわけです。
で、先日オオクワ♀を3日で4頭採った方の情報を載せましたが、同日頃他県で大師匠も大量に採集していた事実を見て『やはり何か関連性があるのでは?』と考えた次第なんです。
これを2~3年かけて解明してみたいと思ってます。
ただ、それは虫屋だから虫が『欲しい』のではなく、『知りたい』からであります。
魚の次は虫の『世界』を覗いてみたいんです。
【ミヤマシャワー♪】H.23.7.6
昨夜オオクワ採集に西津軽郡のA級難易度のポイントへ挑戦しに行きました。
温度、湿度、月齢全て良し後はふたつの難関をクリアすれば・・・。
第一の壁はボケが急速進行している我が家のババモスラ(オラの母)をどう制して出かけるか?という点。
晩メシ用にクリームシチューを作り、午後4時半に『これは夕食なんだよ』と言い聞かせながら食べさせ午後5時には就寝させる作戦である・が・寝ないで暴れだした・・・。
やっと寝かせて出発したのは5時58分・・遅れた・・・。
第二の壁は『西風』。
他の地方は知らないが青森では夏の西風は夕方になると落ちる→これ常識。
だったのがこのところ夕方になっても落ちずに吹きまくることがやたら多い。
今期ババモスラの関係で遠方採集は行ける時に行っておかないとアカン!と言う事で不安を感じながらも車を走らせる。
現場に着いてみたら案の定木が揺れるくらいの風が・・・『無情なり』・・・。
しかし、来た以上知恵を絞ってやらなけりゃならん(国も助けてくれないらしいし)。
この風だと大型は飛べないが至近距離の小型なら・・・まだ望みはある!と自分に言い聞かせてライトオン!(遠い峰は諦めて近くだけを集中射撃する作戦)。
A級難易度ポイント初、栄光の♂採集の名誉はいらん!子持ちの♀、狙うはそれのみ。
だが、ミヤマの超小型♂(♀用のフイルムケースに入るような奴)とノコギリしか飛んで来ない。ミヤマの小型♂は昨年の第3次発生に関わらず今年も居た・・・(よく判らなくなってきた)。
オオクワ黄金の時間帯を過ぎても♀1匹が欲しいばかりに粘ったのだが、ついに普通種の飛来も途絶えた為10時半にオオクワポイントを諦め少し離れた峡谷沿いのミヤマポイントに移動した。
ここはミヤマポイントではあるがオオクワも出ないとは限らない!と自分に言い聞かせながら、ライト再びオン!。
す・る・と・・・。ミヤマが爆弾の様に降って来た!。
ここは峡谷なので先の風も当たらず無風に近い状態なのであった。
時間帯は過ぎているので、暫くすると集中砲火も止むのだが、ライトの向きを変えるとたちまち空襲警報が鳴るのだ。
休む暇なく拾い続けて、あっという間に100頭近く集まった。
大きさは大小様々で、先のフイルムケースサイズもあれば7cm近いのも採れた(後で計ったら68.8ミリでした)。
この時間でこれだから、最初からここでやってれば多分200~300行ったかも?。
これぞミヤマシャワーって奴ですな。
しかし、肝心のあの娘が来ない・・・。
結局夜中の12時半近くまでやってヘロヘロになって帰りました。
ということで、明日からWDミヤマ♂販売開始!です。
売る分だけ持ち帰ることにして、個体全部を現場で検品しましたが腿節黄紋消失型はゼロでした(まだ♀の数が少ないせいだと思いますが)。
第3次発生の影響は2年1化のミヤマには余り影響が無いのかも知れません。
【ビプラギアトゥスノコギリ長歯が出ました】
当店常連のお客様が昨年お買い上げ頂いたペアからの累代で見事長歯の♂を出されました。
羽化した♂の殆どが長歯だったとのことで、低温飼育の成果でありますね。
ただ、羽化した♂個体の多くが羽化不全であったとのことですので次の課題を是非クリアしていただきたいと思います。
【青森県オオクワ採集第1号出ました!】H.23.7.4
お客様からの情報提供がありまして、7月1日~3日まで3連チャンで採集(気合入ってる~!)されたそうですが何とオオクワ4♀♀♀♀の成果だったそうです。
近年稀にみる成果でありますね、おめでとう御座います。
その他普通種もテンコ盛りだったようですがオオクワとノコギリ大歯♂のみお持ち帰りであとはクールにリリースされたそうです(いや~大人ですな~)。
ところで、ノコギリの採集情報を現時点で判断すると小歯(原歯型)の採集個体情報が少なすぎる気がします。
シーズンインとともに小型ノコが出て大歯はその後というセオリーが崩れているような・・・。
昨年の前代未聞の第3次発生の影響がこれなのかも知れません(つまり今年最初に出て来るべきはずだった小型は昨年中に活動を始めて出てしまった・・・と)。
サンプル数がまだ少ないので断定は出来ませんがミヤマもその傾向にある気がします。
【ライトトラップ本年度初採集】H.23.7.3
昨夜本年度初のライトトラップ採集をしてきました。
月齢良し、気温良し、湿度良し、風OKで期待大だったのですが・・・。
採集場所は昨年『幻のオオクワ』を引きずり出す為にタイヤをすり減らしてやっと見つけた『絶景かな』の場所。
標的はずばり幻のオオクワに他ならないんですが、標高が約600メートル近くあるので大型ミヤマも期待したいところ。
ここも生き虫屋が入ったことが無い場所なので夜間に空を飛ぶ飛行機の光以外奴らは見たことが無いわけだ。
ウブな連中に『文明の光』をぶちかましちゃる!。
と張り切っていたんですが、結果は貧果でございました。
標高が高い場所なのであと10日ほどすれば普通種の飛来も増えるのかな?という感じでした。
結果はミヤマ♂3、ヒメオオ♀1、コクワ♀1、そして青森県では珍品のコカブト♂1でした。
一昨日初めて来店されたお客様が虫はぼちぼち採れるんでしょうか?といらしたので、ノコギリ、ミヤマ、カブト、コクワ、オオクワはもう発生してますよとおおまかなポイント説明をしたのですが昨夜採集したカブト♂1、ノコギリ♂大歯1、アカアシ♀1を持って今日再来店されました。
カブトムシは青森産としてはまずまず大型の部類でしたので、予想通り今年は平年並みに近いところまで戻りつつある感じです。
【過去最速?カブトムシ発生】H23.6.30
昨夜風があったものの他の条件が揃っていたので西風だから夕刻には治まると予測し、十和田湖に出かけてみました。
つり橋ではライトトラップを楽しむ人もおり、街灯回りの方もいました。
皆同じ匂いを嗅ぎつけてきたのかな?宇樽部に向かうまでは風も予想通り落ちていて絶好かと思いきや、途中で風向きが変わって吹きはじめやがて甲虫は飛べない強さになり、諦めまして帰る途中友人からメールがあり、カブトムシ♂の死骸を確認したとのこと。
例年であれば青森市の天然カブト発生は7月20~25日の間なのだが、山から掘って来て店に置いていたカブト幼虫がこれまでで最も早い6月20日過ぎに蛹化したので今年は異常に早いかもと予測してたら案の定でした。 おそらく発生のピークは7月10日~15日くらいでしょう。
市内某宿泊施設に向かう道の途中にある街灯に桜の木が覆い被さっているポイントがあるんですが、そこは蛹室を自力脱出したピカピカの新成虫カブト達が餌場に辿りつく前に一旦大集合する場所です。
その期間は僅か2~3日ですが、当たれば壮観です。
桜の木におびただしい数のカブトが群れ集う光景・・・。
そこは市内梨の木方面よりいつも発生が4~5日は早いので、その日は多分7月5日~10日までの間にくるんじゃないかと思います。
【電撃殺虫機の威力】
コバエ退治に威力を発揮していた『アースノーマット』であるが、エアコンの使用開始とともにその効力がほぼ無くなることに気が付いた・・・。
そこで『電撃殺虫機』を使用してみることにした。
その効果の程や如何に?。(以下ショジョウバエを除く朽ち木バエとキノコバエを対象として書き進めてみよう)。
電撃殺虫機については、これまでは否定的考えを持っていたのだが先のエアコン使用によるアースノーマットの無力化に際して再考してみた。
何故嫌だったのかというと恥ずかしながら飼育虫によく脱走されていたからで、愛虫を『撃墜』してしまうんじゃないか?と心配になってた訳だ。
購入を検討するに当たりホームセンターで幾つかの商品を見てみたら、商品によっては『置かずに吊るせば』飛んできたカブクワはその羽が邪魔をして中に飛び込めないことに気付いた。
物は試しで一番安い千円台の商品を購入してみた。
アースノーマットもそうであるが『どこに置くか』で効果は変わってくるだろうと思っていた。
そこで、エアコンの風の影響を受けずに普段一番コバエが集まってくる場所として南向きの窓の側に吊るしてみた。
コバエを撃退するには奴の習性をまず知る必要がある。
奴らはどこに集まるのか?。何に反応するのか?整理してみよう。
まず、奴らはほぼ昼行性だと判断している。
日中は活発に活動しているし夜になっても電灯を点けていると活動する。
豆電球くらいだとだいぶおとなしくなるが、それでも飛ぶ!
電灯を点けた部屋の中でテレビやパソコンなどを見ていると部屋の電灯よりむしろその画面に集まるところをみると磁気か静電気にも反応するのかも知れない。
マットや菌糸には無論大反応するが、単なる水分にも反応して集まってくる。
意外だったのは灯油にも反応することで、虫部屋のストーブを新しいものに交換する際に滴った灯油に集まったのには少し驚いた。
マットは水分を含んだ状態でより発酵が進んだものが『お好み』のようだが、例え『針葉樹マット』であっても加湿すれば寄ってくる。
人の吐く息にも寄ってくるから堪らない!うたた寝などしてたら鼻の穴や口の中にも入ってくる。『俺らの吐く息は発酵マットの匂いがしてるってーのか!』と言いたくなる!。
飛行能力はショウジョウバエに比べると体が小さく体重も軽いのでそのスピードも遅いし風が強ければ思うように飛べない。よって暖かい時期のショウジョウバエは掃除機で吸い込むのが難しいがクチキバエとキノコバエは簡単に掃除機で吸い込むことが出来るし、エアコンの風が当たっている場所にはあまり集まれない(行きたいんだけど飛ばされちゃう感じ?)。
耐寒性能はどうか?これはショウジョウバエより遥かに低温に強い。
虫部屋の中に置いてある小型冷蔵庫の中(10℃前後)でも繁殖してやがったので、16℃設定の『冷やし虫家』の中なんぞは『♪ババンバ・バン・バン・バン♪』であります。
前置きが大分長くなったが、さて本題。
電撃殺虫機で一晩に何匹捕獲できたか?初日の朝確認したら約25~30匹を撃墜していた。これは我が虫部屋において一日に発生する(ケースやボトルから脱出する)数の約半数となる数字である。
何故半数と分るのか?と疑問に思う諸兄にお答えしよう。
それは約2年間の間1日置きに掃除機でコバエを掃除機で吸い続けた際に数を数えていたからである。
掃除機によるコバエ吸い取りは何故か病みつきになる・・・。
うっとうしい奴を吸い続けているうちにやがて一日の『吸い取り目標』が出来てきて、それが1回につき百匹だったのだが、達成しないと気が済まなくなるのだ・・・。
それで、翌日も実行するとどんなに頑張っても50匹くらいしかいかない・・・それで1日当たり約50匹ほど発生していると判断できる訳だ。
勿論季節や飼育している虫の種類などで変化は出てくるんだが平均するとこんなものだ。
余談だが、掃除機は旧式の蛇腹からすぐ先を取り外せて、尚且つ吸引力が強くなければならない。そしてここが重要なんだが、スイッチのONとOFFが掃除機本体とホースを握ったまま親指ひとつで操作できるものでなければならない。
ホースの先30センチを飛行している奴をみるみる引き寄せて吸い込む瞬間がた・ま・ら・な・い!。
話がそれた。 電撃殺虫機だった・・・。
で、これなんだが、日中は殆ど効果が無い。
コイツが威力を発揮するのはどうも明け方と夕刻のようだ。
奴らは光に集まる習性があるのでこの時刻に最も奴らが集まる窓の側なんかに設置するのが効果的と思える。
電灯を全て消しておけば夜中にもある程度仕事をしてくれてるんじゃないだろうか。
最後に、アースノーマットはいつ仕事をしてくれているのかの実感が乏しいのだが、こいつは違う!『バチッ!』と仕事の瞬間を伝えてくれるのだ。
その時思わず『ニヤリ♪』としてしまうんだが、そこがいい!。
オラが買ったのは2千円でお釣りがくるくらいのものだが、消費電力は少ないしハエ取り紙やアースノーマットと併用すると相当の効果があると言えるでしょう。
【採集情報】H.23.6.23
お客様情報でノコギリ♂、ミヤマ♀の発生を確認いたしました。
昨年度は類を見ない猛暑により、前代未聞の第3次発生を確認しましたが、その影響が今年の1次発生に対しどの種類にどの程度の影響があるのか無いのか興味が尽きないところではあります。
店のカブトムシ幼虫が例年より1週間以上早く蛹化しました。
青森市梨の木近辺での天然カブトの発生は通常年であれば7月20日~25日ですが(雲谷はそれより3日~5日早い)今年は多少早いかも知れません。
一昨年蛹化時期の長雨により壊滅的打撃を受けたカブトムシですが、今年又長雨にやられなければ平均的発生に近く復活するものと思われます。
ところで・・・店におけるカブトムシのスタンスは『やっかいな困った子ちゃん』なんですが(と言って置かない訳にもいかない・・・)一番愛嬌のあるのはやはり日本のカブトムシであると思います。
ゼリーを食している時に『ご機嫌モード』に入った際の『尻振りダンス』なんぞはいつ見ても笑えますよね。
【十和田湖本年度初灯火採集】H.23.6.21
昨日気温が日中30℃を超え、夕方になっても26℃あったので『行くしかあるまい・・・』と、十和田湖へ今期初の灯火回り採集の様子見に出かけてみました。
湿度が足りないものの、風も治まる様子で、まずまずかというコンディションでした。
が、山に上がると雲が足りずにすぐ気温がグングン下がり田代平で17℃、焼山で18℃、子ノ口、宇樽部で16℃となりました。
車のライトに照らし出される雑虫の飛行はまずまずでしたが、なにしろ噂通り肝心の『灯火が消えている』。
懸念していた月は位置がまだ低いのと、うっすらと雲に覆われていたので影響は無し。
回った順番に簡単に説明すると、まず石ヶ戸休憩所だが、切れていた電球が全て新しく交換されていてこの電球は点いていたのだが、真ん中の自販機の明かりが消えていた。
ここさえ点灯されたら、レアカミキリの一級採集ポイント復活!というとこなんだが・・・。
子ノ口に下ってみたが明かりがほぼ全てに近く消えており『死んでいる』。
次に宇樽部に行ってみるとフェリー発着所の駐車場街灯はOKながら自販機は消灯。
隣の公園は全てOKながら何もいない。
そして秘密の一級ポイントに行ってみたら『立ち入り禁止』になっていた。
次いでこれまた目立たない好ポイントに行ってみたら宿舎が廃業?休業?で真っ暗。
これで宇樽部でオオクワが採れる可能性がある4つのポイントの内ふたつが消滅した訳だ・・・。
因みに以前県内のオオクワ採集難易度を産地ラベル順に私見で並べてみたのだが、宇樽部は自分自身♀2を、友人が♀1を採集していたので難易度ランクはさして高く評価してなかったのだが、師から聞いたら師のグループや知人その他の情報を合わせても計5~6頭しか過去採集されてないとのことで実はかなりレアなラベルであると判明致しましたので、ここで厳かに訂正させて頂きます。
その好ポイントがふたつも消滅したことで、今後益々レア度は上がることでしょう。
『持ってる人が勝ち!』です。
既にお持ちの方は大事に飼育して欲しいと思います。
次に普段は行かない秋田県側の休み屋にも様子見に行ってみたら、一番クワが落ちるホテルの街灯がやはり消えていた。
戻るすがら各ポイントを再度チェックしてみたが甲虫がそもそも居ない・・・。
オオミズアオは沢山いたのでぼちぼちで間違いないとは思うが、状況がちと厳しい。
最後に焼山に行ってみたら○×商店の自販機灯火が消えていたほかは昨年と変わりなし。ここでやっとコクワの♂♀各1頭(小型)を確認。♀のみ持ち帰り♂はスルーした。
コクワが出てるってことはアレ・・・だな・・・。
状況はかなり厳しいです。
今年は読みと技術が高い人でないとかなり難しい採集になりそうです。
つまり『実力次第』ってことですな。
そんな困難な年だからこそ張り込み採集や奪い合い等マナーの悪い採集行為でトラブルにならないように気をつけたいもんです。
【ミヤマクワガタ現る】H23.6.12
昨夜十和田湖でミヤマクワガタの小型♂が採集されました。
ということは、数日以内にノコギリの越冬成虫も出て来ると思われます。
楽しくなってきますね。
【今期オオクワ採集第1号情報】H.23.6.11
一昨日お隣の秋田県でオオクワ♀が灯火採集された情報が入りました。
当日秋田のそのポイントでは気温が日中は30℃くらいまで上がったそうな(な~るほど!)。本県はまだちょっと先か・な?。
その日オラはヒメオオポイントに餌木になる柳を植林しに行ってたのですが(10年後のご神木)やたらに獣が騒いでました(蛇、ウサギ、アナグマ等々)。
こんな日は行って見る価値があるか?とも思ったのですが、夕刻の条件がいまひとつ合わなかったのとババモスラ(オラの母)の調子が今ひとつだったので見送りました。
行ってみるべきだったのかも知れない・・・。
【2011年度採集シーズンイン近し!】
青森県の採集状況を速報で流していきますのでお楽しみに・・・。
今年は震災の影響で有名採集スポットの灯火が殆ど消えてます。
しかし、『採る人は採るんです』。
その英知を練るのも楽しみのひとつであります。
今年はどんな出会いがあるんでしょうか?。
トラブルに遭遇することなく、今年も楽しい採集を味わいたいものですね。